うつ病と認知行動療法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

認知行動療法と言うと「考え方を変える」ということに注目が行きがちになります。

しかし、それだけとは限りません。

こんなうつ病への実験がありました。

・認知行動療法のフルパッケージ(考え方の修正、その背後の信念の修正、行動面を変えていく技法)
・考え方の修正、行動面を変えていく技法
・行動活性化という技法のみ(行動面を変えていく技法)

この3つのグループで治療成績を調べてみたんですね。

さて、この実験の結果どうなったか。

実はどれも治療効果があったのですが、治療効果には差は認められませんでした。

しかも、2年後の追跡調査でも治療効果に差は認められませんでした。

ほかにも似たような実験もありますが、だいたい同じような結果でした。

どういうことが言えるかというと、うつ病治療にとって考え方の修正を積極的に行っていくアプローチは必須ではない、ということなんです。

行動面を変えるだけで良いのですから。

このことって、なかなか信じられない!って人が多いんです。

それほど考え方を変えることばかりに注意が向いているといえるでしょう。

「認知行動療法をやっても考え方がなかなか変わらない」という方は、行動面に焦点をあてた認知行動療法を受けてみてはいかがでしょうか。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


本当にやっても無駄か?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「どうせやっても無駄だ」という言葉は、魅力的な思考である。
そう考えることによって、真剣に問題に取り組まなくても済むのだから

Scott Spradlin

この言葉を聞いた時、私は思い当たる節が多すぎて、ちょっとイライラしました。

「真剣にとりくんだのにダメだっただから、しょうがないじゃない!」
って思ってしまう。

それも同じことになるのですが。

確かにどうせ無駄と思うことで真剣に取り組まなくていいんですね。

逃げなんですよね。

ただ、それに直面させられると苦しいものです。

実際にやっても無駄ってことは多いかもしれません。

しかし「どうせやっても無駄」と言っている人は、決して無駄だと思いたくない人が多いんです。
どっかで「どうにかならないか」と期待しているもの。

本当に無駄って諦めている人は、基本的にはそのことでイライラとか感情が起こりません。
期待しているから、イライラなどの感情が起こるんです。

「どうせ無駄」は本当の気持ちではないものです。

そう思った時のあなたはイライラだったり、悲しさだったり、そのような感情を抱いていませんか?

「どうせ無駄」と思った時は、もう一度自分の気持ちに向き合って、問題解決に向かっていくこを考えてみてください。

いろんな角度から物事をみていくと、突破口が開けることがあるものです。

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鳥の性格?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

クリニックの中からふと外を見ていたら、鳥がバタバタと飛んでいました。

ちょっと覗いてみると・・・

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鳥が巣を作っていました。

よくよく見てみると、結構精密にできているなぁと。

他の鳥の巣はもっと雑につくっていたような。

鳥にも性格傾向があるんでしょうね。

それにしても誰からも教わっていないのに、巣の作り方を知っているって不思議です。

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思い出はウソかも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

人と話していて昔のことを「言った」「言わない」と喧嘩になったことはありません?

これは水掛け論となってしまい、相手を責める結果となることがほとんどでしょう。

お互い自分の記憶が正しいと思っているので。

ところが、自分の記憶を疑ったことってあります?

時に人って勝手に記憶を作り出すことがあります。

例えば以前の記事でちょっとした実験を書きました。

この実験はややお遊びの側面がありますが、このようなことは日常生活でたくさん起こっていると思います。

ウソをつくつもりもなくても、人の記憶が歪められていることがあるのです。

これは虚偽記憶(false memory)と言われています。

欧米では裁判の証言などで数多く報告されていますし、様々な心理学実験でも確かめられています。

ちょっとした前のことでも、このようなことが起こるのです。

これがもっと昔のこととなると、さらに怪しくなります。

つまり「思い出」も勝手にストーリーが作られている可能性があるのです。

良い方向にも悪い方向にも。

良いと思う思い出は歪んだままの方が良いとは思いますけど・・・。

もしかしたらあなたの「思い出」は虚偽記憶かも?

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肥満感

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

太っているなぁと感じるのと、本当に太っているのとは違います。

人から見ると全然太っていなくても、自分では太っていると思うとか。
その逆もありますけど。

太っているなぁと感じるのを肥満感といいます。

摂食障害の人でこの肥満感が強い人がたくさんいます。

実際以上に太っていると感じてしまうのです。

人と比較したり、満腹感があったり、服がきついと感じたり、そんな時にひどくなります。

これはなかなか気づきにくいものです。

長年にわたって身についてきた思考パターンですから。

この思考パターンから脱するためには少しずつ肥満感と肥満をわけていく必要があります。

すぐに「太っている」と考えてしまう方。
本当に肥満ですか?肥満感ですか?

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さいたまでの強迫性障害と行動療法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私のところにくる強迫性障害の人のほとんどは行動療法を受けにきます。

以前にも書きましたがなかなか埼玉県で行動療法を受けられる機関が少ないという話をよく聞きます。

実際に行動療法を専門としている臨床心理士って少ないんです。

当然探すのは大変だと思います。

ほとんどの方がこれまで薬物療法を受けてきた方ばかりです。

ですから行動療法にたどりつくまでに何年もかかっている人が多いですね。

薬物療法以外の方法を知りたい、っていう人って多いと思うんです。

しかし、医療機関でも「普段何をしていればよくなるのか」を指導されることって少ないハズです。

せいぜい「確認がまんしようね」「手洗い我慢しようね」ってだけだったりします。

お薬で良くなることもあります。
でも「他に何か自分で努力できるところはないかなぁ」
って思っている人っていませんか?

何回も書いているように強迫性障害は行動療法で良くなる確率はグンと上がります。

また再発率は薬物療法より少ないというデータもあります。

つまり薬物療法以外の方法も身に着けることによって、良くなる可能性があるのです。

自分自身で何か病気への対処を身に着けて積極的に治したい!という方は、相談に来てください。

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自分の悪いところばかりに目がいく

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

欲しかったあるブランドのバッグを買ったとき、街に出かけると同じブランドバッグの人をよく見かける、といった経験はありませんか?

また、車を買った時、同じ車が目につくようになった、という経験もありません?

これはもちろんバッグや車が急に増えたからではありません。

自分がいつも以上にバッグや車に注意を向けるようになったからそのように感じるのです。

人は見たい物を見る、といったものですね。

選択的注意と呼ばれています。

これは心の病気の方にもみられます。

うつの人であれば、自分の悪いところばかり目につきますよね。

うまくいかないところばかり目につくとか。

摂食障害の人であれば、体重や太くなっていると感じるところばかりに目がいきます。

自分の着目している点だけで評価しているのです。

なかなか自分では気づきにくいものです。

この状態から脱するには、自分がまず選択的注意をしていることに気づき、注目していく方向を広げていかなくてはなりません。

多少の練習が必要となります。

さて、あなたは自分自身の注意がどこに向いているかわかっていますか?

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不安に挑戦しようか迷ったら

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

認知行動療法は時々苦痛なことと直面することをやることがあります。

例えば不潔恐怖の人に汚いと思うものを触ってみてもらう
不安な電車にいってもらう
人前で話す練習をしてもらう
とか。

「そんなことできない」
「できないから困っているんじゃないか」
と感じるのが普通です。

ただよく考えてほしいことがあります。

どちらにしても何もしなければこのままなのです。

仮に認知行動療法をやったとしてもいつでも現状と同じようにいることは可能なのです。

つまりいつでも不潔恐怖の状態に戻ることは可能ってこと。

現状を変えるという選択をとってみませんか?

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なにもかもうまくいかないと思った時

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

仕事でも人生でも敗色濃厚な時がある。
しかしそれは負けの決定ではなくプロセスである。
むしろ、敗北とは何の関係もない、と考えるべきだ

見城徹

物事がうまくいかない時って、何もかも投げ出したくなります。

それくらいつらいということだってあるでしょう。

何をやってもうまくいかない時、
つらい時に追い打ちをかけるようにつらいことばかり起こってしまう時、
頑張ってもなかなかむくわれない結果ばかり起こる時。

「この先良いことなんてないのでは」
「自分の人生は真っ暗だ」

など、次々にマイナスのことが思い浮かびます。

しかし、この考えは必ずしも現実を反映していません。

人生という長いスパンで見た場合、目の前の物事がうまくいかないことは結果ではなくプロセスと言えるのです。

目の前の勝ち負けはプロセスで、何が勝ちで負けだったかは、ずっと年月が経ってからしかわからないもの。

だから投げ出すことも諦めることもありせん。

感情にまかせて物事を判断せずに、やれることをやっていくことが大切だと思います。

とはいっても、悩んでいる時にこのように考えることはなかなか難しいのも事実。

目の前の結果をプロセスと見て、投げ出さず諦めないってエネルギーが必要で結構大変なことですから。

「そんなことできるか~」としか思えません。

そういう時はとりあえず物事の判断を控える、いろんな判断を置いておく、をやってみましょう。

まずは感情的な判断・行動を避けるのです。

そうすることで冷静に考えられる下地を作ることができることもありますよ。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


不安を消すには・・・

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

不安をどうしたら消せるか?

誰でも一度は考えたことがありません?

そんな感じの書籍をみると手に取りたくなりますよね。

そんなプロセスを経て多分多くの人は同じ結論にたどりつくはずです。

「不安を消す方法はない」と。

逆に不安は消そうとすればするほど強くなることが多いので、不安を消そうとする努力は逆効果になることもあります。

不安になって、必死に消す方法を考え、テレビをみて本をみて・・・その間結局不安なことばかり考えてますよね。

不安を消す方法はありませんが、不安にとらわれた生活から抜け出すことはできます。

「不安があっても大丈夫」を目指すのです。

もちろん練習が必要となりますけど。

不安が生じることはコントロールできませんが、その後どのように過ごすかはコントロールできます。

不安を消すことより、不安なときにどう行動するかを振り返ることで、不安にとらわれにくくなってきますよ。

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