「あんなにしてあげたのに」「何もしてくれない」と考える前に

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今年もホワイトデーがやってきました。

ホワイトデーと言えば、お返し。

バレンタインでもらった人にお返しする人もいますよね。

人は何かをしてもらうと、それを返したくなるという「返報性の原理」というものがあります。

恩を売っとけば、何かしてもらえるってやつです。

しかし、恩を売るという行為。

心理学の実験では、
・恩を売られた方は時間が経つにつれて、やってもらったことに対する評価が低くなる
・恩を売った方は時間が経つにつれて、自分がやってあげたことの評価が高くなる
という結果が出ています。

う~ん、人間というものは自分の都合の良いように解釈する傾向があるようです。

カップルや親子での喧嘩で
「あなたは何もしてくれなかった」
「あんなに私はやってあげたのに」
ていうことありません?

人間関係を良好に保つためには、やってもらったことにはきちんと感謝し、自分がやってあげたことは謙虚にとらえることが必要なようです。

ホワイトデーに効果的かもしれない記事
・ホワイトデーのプレゼントの効果をあげるためには
・親切にしてあげると親切にされます

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うまくいかない理由は探してはいけない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

嫌なことを克服しようとする時、ちょっとがんばって何かをしようとする時など。

なかなかうまくいかない時ってありますよね。

注意してほしいことがあります。

「どうして自分はできないのだろう」
と、できない理由を探してはいけません。

そうすると
・意志が弱い
・不安だからできない
・だるいからできない
・やる気が起きないからできない
となってしまいます。

こうなると解決にはなりません。

「意志を強くもとう!」としたって、どうやって?という問いには答えられません。

「不安がなくなったら、不安なことをしよう」とすると、いつまでも不安は克服できません。

病気の原因を考えるのも意味がありませんが、できない原因を考えることも意味がありません。

できない理由を考えているうちは、いつまでたってもできるようにはなりません。

むしろ、できない自分に落ち込んでいくだけではありませんか?

原因探しをしなくたって、行動は変えられるようになります。

ちょっと前の記事でも書きましたが
「なぜできないか?」
ではなく
「どうやったらできるのか」
ということを考え、実行していきましょう。

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一目ぼれは危ないかも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

あまり考えずに直観的にやってみてください。

みなさんはどっちの人が好きですか?

Aさん
特徴:頭がいい、勤勉、直情的、批判的、頑固、嫉妬深い

Bさん
特徴:嫉妬深い、頑固、批判的、直情的、勤勉、頭がいい

どうでした?

Aさんの方が好きって思った人が多かったのではありませんか?

これは有名な心理学の実験なんです。

ハロー効果といって、目立ちやすい特徴に引きずられて、他の特徴が歪められる現象です。

好きな人ができると性格など知ってもいないところまで良い人だと思ってしまう、
ひとつ嫌なところがあると、全部嫌ってやつです。

実験をみてわかるとおり、特徴の言葉は同じで並び替えているだけです。

最初にポジティブな特徴がくると後のネガティブな言葉の印象も変わります。

その逆も同じ。

Aさんは頭が良くて頑固と
なり、
Bさんは頑固で嫉妬深く頭がいい
となると、ちょっと印象が違いませんか?

最初の印象で後の印象が歪められるわけです。

何事も最初が肝心ですよね。

心理学実験シリーズ、こっちの記事はもう読みました?
注意力のテスト?
・人はオンリーワンを望んでいない
・過去の記憶は作り出される?

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うつ病の原因は不明です

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

このブログで何度も
「心の病気のほとんどは原因不明です。原因は不明でも良くなる方法はあります」
と書いています。

「原因が不明」というと残念に思う人も多いようです。

「原因は〇〇で、だから〇〇をすれば治るんです」
ということを期待しているからですよね。

うつ病だって原因は不明なんです。

セロトニン不足とか言われていますが、それすら仮説ですから。

そもそも抗うつ薬は直接セロトニンを増やしているわけではありませんし。

セロトニンを増やせばうつとか不安がよくなる、ということには必ずしもなりません。

ですから「これをやるとセロトニンが増えてうつが良くなる」
という類のものの多くが科学的根拠に欠いています。

例えば「うつに良い食べ物」とか提唱している専門家がいますが、それを食べてもうつが改善するという科学的根拠があるわけではありません。

むしろ特定のものを食べるより、バランスよく食事をした方が心身にとってよいと思います。

ましてや「うつは幼少時の親子関係が原因」ということはありません。

うつや不安などの心の病気は様々な要因が重なっているのです。

原因探しではなく、
「どうやったらうつや不安が良くなるか?」
という視点で考えていきましょう。

こちらの記事はもう読みました?
うつ病の発症メカニズムが解明された?
うつ病の偽の薬で治る?
うつ病は脳内物質が原因?

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食べ物の買いすぎを防ぐには

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

過食症の人でなくても、ついつい食べ物を買いすぎて自宅にストックして、あとで食べすぎるってことありますよね。

目の前にあるものを我慢するのは難しいもの。

わかっているけどやめられない、になってしまいます。

そういう人は買い物を控える、という選択をする方がよいのです。

ものがなければ食べれませんので。

しかし、買い物にいっておいしそうなのをみると、ついつい買ってしまうこともあります。

そもそも買わなきゃいけないこともありますしね。

そういう時の対策の一つは、
「空腹な時に食べ物を買いに行かない」
というもの。

空腹な時だとどうしても、食べ物が魅力的に見えてきます。

ですからできるだけお腹を満たした状態の時に食べ物を買いにいくとよいわけです。

少しは食べ物を魅力を下げることができるかもしれません。

まぁ、これだけで買いすぎ・食べ過ぎがなくなるわけではないのですが。

それでも工夫の一つとしてやってみるのは良いと思います。

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対人恐怖を何度も克服しようとしてもうまくいかない時

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

よく社交不安障害、対人恐怖の人から聞かれることがあります。

克服するには不安場面で練習していくのですが・・・

「これまで何度も不安場面に直面してきたのに、結局克服できませんでした。だから練習してもダメなのでは?」
というもの。

人前が苦手な人でも、必要性から毎日のように直面している人もいます。

それでもなかなか慣れていかない人からよく聞かれます。

何度人前で練習しても良くならない時はだいたい要因があります。

その一つは「間違った対処をしている・思い込みがある」というもの
例えば・・・
・人前でのスピーチが苦手だからといって原稿を準備し棒読みをする
・リラックスしなくてはいけないと思い込んでいる
・緊張はしてはいけないと思い込んでいる
・人をみると緊張するので、下ばかり向いている
・不安時に安定剤がないと不安
・自分の緊張が相手に伝わっていると思い込んで、伝わらないように努力している
・赤面を隠すためにファンデーションを厚くぬっている

どうでしょうか。

何か一つくらいはあるのではありませんか?

なぜダメかというと、このようなやり方はきちんと不安に直面していないのです。

不安を隠そうとばかりしているので。

このようなことをやっていたり、思っていると練習してもうまくいきません。

「やっぱり駄目だった」と自信をなくすだけです。

しかし、やり方を変えて練習すればうまくいきます。

練習で大切なことの一つは自分が何を怖がっているかを把握して、そこの不安に直面していくことです。

不安を隠すことをせずに、その場面で練習していくことが必要です。

不安な時は専門家と一緒に練習してください。

これまで練習してきてダメだった人も諦めずに克服していきましょう。

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強迫性障害の家族が注意したい対応

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

よくある強迫性障害の方が家族など周囲にやってしまう行動。

確認強迫の人が、確認をしない練習をするときに
「確認しなくて良いんだよね」

不潔強迫の人が汚いものを触ってみる練習をするときに
「これ汚いものだけど触っても本当に大丈夫だよね」

この質問に周囲が「大丈夫だよ。やってごらん」と答えてしまうとマズイわけです。

これはなんだかんだいっても、自分を安心させようとしている言葉なんです。

強迫症状の一部ですよね。

ですから周囲が「大丈夫だよ。やってごらん」と言ってしまうのは下手をすると悪化の手伝いをしてしまうわけです。

こんな感じの練習では少しよくなっても、それ以上よくなっていくことはないでしょう。

「大丈夫といわれたから確認しない」
「大丈夫といわれたから触る」
になってしまい
「大丈夫じゃない可能性があるならやらない」
となってしまいます。

強迫性障害の治療は不安に直面して受け入れいくことになります。

「大丈夫だからやる」
は不安に直面したことにはなりません。

ですから、強迫性障害で悩んでいる人は練習する時にそれを聞いてはいけないし、周囲はそれに答えてはいけないわけです

細かいところですが、非常に大事なところですので覚えておきましょう。

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薬以外の方法だけで良くなるのか?

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よく聞かれることとして
「薬を飲まなくては治らないのですか?」
というもの。

できれば薬に頼りたくない、というのはごもっともな意見。

妊娠を望んでいる方や授乳中の方などは、切実なところだと思います。

薬を飲んでもよくならない人もいますしね。

カウンセリングだけで良くなる人がいるのは事実です。

過食や強迫性障害、パニック障害、社交不安障害、うつ病などはそうですね。

ただ、重症のうつ病などは薬物療法でないとなかなか効果がでないでしょう。

薬とカウンセリングの平行が最も効果的かといえば、そうとも限りません。

下記の関連記事でも書いたように、不安障害などは並行することが効果的であるという科学的根拠に乏しいという結果もあります。

ですから薬を飲まなくても良くなる人もいれば、薬を飲まないと良くならない人もいる、ということになってしまいます。

薬・カウンセリングのメリット、デメリットを考えた上で選択していきましょう。

関連記事
・人が怖いと思う人は薬かカウンセリングか
・心の病気と薬と薬以外の方法
・強迫性障害の治療法のメリット・デメリット

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変化はリスクにもチャンスにもなる

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

3月になりました。

来月から新しい土地、学校、仕事になる人もいますよね。

これはうつ病などのリスクファクターとなりやすいんです。

異動や引っ越しはもちろん、昇進、出産、など、表面的にはめでたいことでも、変化は心の病気のきっかけとなります。

しかし、変化は避けて通れません。

今までうまくいかなかった人にとっては変化はチャンスにもなります。

うまく切り抜けるようにしていきましょうね。

あとクリニックのホームページがなかなか復旧しませんが、もう少しお待ちください。

春だからリニューアルなのでは?と期待されている方もいるようですが・・・単なるメンテナンスなので期待はしないでください・・・。

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不安になったら電車を降りるはダメ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害の人で電車に乗ることが不安な人が、やってしまいがちなこと。

「不安が強くなったら降りればいいや」
と思って、乗ってしまう。

これはマズイことがあるのです。

もしかしたら最初に挑戦するとき、気楽にやってみようということであれば良いのかもしれません。

しかし、ずっとこれをやっていると、不安になった時に降りられない状況が怖くなるのです。

例えば・・・
・すぐには降りられない電車(特急や新幹線)は乗れなくなる
・すぐに降りられない状況(満員電車、ドアから遠い場所)が不安になる
と、なる可能性があるのです。

そもそも不安が強くなった時に嫌な場面から回避することは、不安を強くさせる作用があるのです。

「不安が強くなったら降りよう」は決して良い練習方法ではないので気をつけてください。

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