不潔や確認だけじゃない!強迫はいろいろあります!

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

テレビで強迫性障害の特集を見ると、洗浄・不潔強迫の人の治療場面が出ていることが多いですよね。
不潔強迫の行動療法の場面は見た目にインパクトがあるのでテレビで流しやすいのかもしれません。
書籍なんかでは確認強迫、加害強迫についても多くのっています。

その他にも強迫性障害の種類があるのですが、あまり表だって特集されません。
不潔・確認強迫以外の人は「こんな強迫は私くらいじゃないか」「これは強迫性障害ではないのでは」って思いがち。

実際はそんなことはありません。
2~3%の人が強迫性障害と言われています。
ということは30~50に一人は強迫なのでたくさんいるんですね。

不潔や確認強迫系以外でどんなものがあるかをご紹介。

縁起強迫
「何か不幸(縁起が悪いこと)なことが起こるのでは」と不安になり、その時にやっている行動を繰り返すなどします。また自分が「あんな風になりたくない」と思うっている人が思い浮かんだ時に、やり直したり、頭の中で打ち消そうとしたりするタイプもいます。

不完全恐怖
家具が自分の決めた場所にないと気になり完璧にできるまでやり直す、ネットで調べだすと気になることがどんどん出てきて止められない、自分の言動が100点じゃないと気になりやり直す、などなど。他の強迫とのミックスされることが多いかと。

収集癖
物を集めて捨てられなくなり、どんどん物が自宅にたまっていきます。「二度と巡り合わないのでは」「いつか使うかも」と考えて物を集めます。本、写真、データ、洋服、バッグなど。道に落ちているゴミやあらゆるものが気になります。他人から見ると役に立たないものも。捨てようとすると不安になり捨てられません。ごみ屋敷のようになる人もいます。

強迫性緩慢
洋服を選ぶ時にどれが最適かと考えて動けなくなる、買い物する時に「後悔するのでは」と不安でなかなか買えない、など日常生活の一つ一つの行動を「合っているかな」と頭で確認します。身支度に時間がかかる人なんかは可能性があります。一つの行動に数時間かかることも。

細かくわけるともっとあります。

よく「自分には強迫行為がないから、強迫性障害ではないのでは」と言う人がいます。
手を洗ったり、確認しにいったりと「行動」がない場合です。
しかし、目に見える強迫行為がなくても頭の中でやっている確認も「強迫行為」です。

治療方法は認知行動療法が最も有効と言われています。
強迫性障害かなっと思ったら、認知行動療法の専門家を探しましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


上司から理不尽にキレられた!そんな時の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

理不尽に怒られることってありますよね。
職場や友人関係、学校、いろんなところであります。

明らかにおかしなことでも、怒っている方は自分が正しいと思っているもの。
そこで理屈で対抗するとさらに怒られる、ということが少なくありません。
特に職場の上司になると言い合っても無駄なことが多いかも。

こんな場合、どうしたら心穏やかでいられるのでしょうか。

まず、相手を変える努力はやめる、やってもホドホドにすることです。

自分がヘマをしてしまったこと自体は自分の責任もあるでしょう。
それは失敗を繰り返さないことで自分でコントロールしようと努力はできます。
しかし、相手が自分にイライラしている、キレている、は自分ではコントロールできません。
相手の問題なのです。

あなたが本当に間違ったことをしたとしても、相手は穏やかに伝えるとか他の手段をとることだってできるハズ。
それをワザワザ怒る、キレるという手段しか使えないのは相手の責任です。

他人の目を気にするタイプはここで「相手が理不尽でも怒っているのは自分の責任。だから自分がなんとかしないと」と自分の責任にしてしまいがち。
でも、他人は変えられません。

基本的に理不尽に怒る、キレる人というのは、弱くて自信がない人の特徴です。
表面上は強く見えても。
穏やかに伝えられないし、湧き上がってくる怒りを抑えられる力を持ち合わせていません。
「自分の意見を聞いてくれなきゃいやだ~、言うこと聞け~」と怒っている子どもと一緒。

こんな時に自分に出来ることは、コトを大きくしないでとりあえず嵐が過ぎ去るまで穏やかに過ごすことです。
キレている人をみたら「この人はプライドは高いけど本当は自信がなくて、感情のコントロールができない人なんだなぁ」くらいに思って見守ってあげましょう。

オマケのお話。
私が社会人になりはじめの頃の、上司から私が明らかに理不尽なことで怒られている時のこと。
上司:「鈴木!昨日帰り電気とかつけっぱなしで帰っただろう!戸締り気をつけろっていつもいっているじゃないか!」
私:「あの・・・昨日私休みだったので出勤してませんけど」
上司:「・・・そんな言い訳は聞きたくない!だいたいお前はいつも・・・」・・・説教が続く・・・。
・・・ね。理不尽でしょ。

こんな時でも「見守って」いたら、「お前全く悪いなんておもってないだろう!」ってさらに怒られました。
よくわかっていらっしゃる・・・。

キレている人が一番嫌なのは言い返されることではありません。
聞き流されることです。

その時は聞き流してはいませんでした。
しかし、素直に聞いていること自体、余裕をもっているように見えたのかもしれません。
ということは、落ち込んでいるフリをするのもキレている人に対しては必要な対処方法なのかも。

でも・・・そこまでするの面倒だなぁ。私ならそのままやりすごしますが。
そこで怒っているのも相手の問題だし。
あ、この態度が相手を怒らせるのね。

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どれくらい人は他人のことを見ているのか?コンビニで実験してみました

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

レジにいる店員が自分のことを「変なやつ」「不審者」と思っているのでは?と不安になる人がいます。

自分が・・・
「変な表情をしていないか」
「赤面していないか」
「不審なしぐさをしていないか」
「ひきつった顔をして嫌な印象を与えていないか」

こんなことを考えて不安になるのです。

このような不安を抱く人の特徴は店員が自分のことをものすごく注目しているように考えます
しかも自分が気にしている部分を。

でも・・・店員はどれだけ自分のことを見ているかを知っていますか?
たいして見ていなかったら、不安になることが損ですよね。

そんなワケでレジの店員の視線はどこを向いているか実際に調査してみました。

場所はコンビニ。
数人の店員がレジを打っているところを店内でじ~っと観察します。

商品を買ったものの、そのままレジの横で店員を見つめる私。
どう考えても怪しいですよ。
防犯カメラに映った私は不審者に思われたことでしょう。

私が観察した結果はこうでした。
・視線の大半はスキャンする商品、レジ、袋詰めなど店員の作業に向いていた
・客を見ることはほとんどの場合一瞬だけ
・客がレジで注文した場合も、客を見ているのは一瞬
・視線を上げて客を顔まできちんと見た回数は0~1回

さて、この結果について店員さんの目が気になる人は考えてほしいところ。
ほとんど一瞬しか店員は見ることはないのに、あなたの表情など細かいところまで見ているのでしょうか。

「そんなことはない。私の場合は絶対見ているし、変だと思っている」
と思った人は、実際に買い物をしてみて店員さんがどこを見ているか観察してみましょう。

どれだけ人が自分を見ているか実感できます。
そうすると今持っている不安が弱くなるかもしれません。

今回のような観察は、店員に限らず誰かと話をするとき、電車の中、街中を歩いているときに視線が気になる人にも応用できます。

ただし今回の私がやったことをやると本当に怪しまれる可能性があるのでご注意を。

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人付き合いを変えれば自分も変えられる?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

自分が人からどれくらい影響を受けているか意識したことがありますか?

心理学の実験では、飲酒量が多い人がある地域にいくと、その地域で飲酒量が多い人が増えた、というものがあります。
酒をたくさん飲んでいる人を見れば、自分も飲んでみようかなぁって思うもの。
どうも人は影響されやすいようです。
同様に禁煙や薬物、睡眠、憂うつ感なども影響を受けたという報告があります。

誰かがジョギングをやり出したら「自分もやろうかなぁ」って思った人いません?

ポジティブな人の中にいればポジティブに、ネガティブな人の中にいればネガティブになりやすいと言えるでしょう。
自分は変われるんだ!って人の話を聞いたらやる気が出てきて、ネガティブな話しを聞いていたら自分もネガティブになったことありません?

同じ悩みをもっている人と話したい!って人もいますよね。
今回紹介した理屈から言えば、悩みを解決することに前向きにがんばっている人と話をしていけば「自分もがんばろう」となります。
一方で「どうせなかなか良くならないしこのままでいるしかない」って人と話をすれば「やっぱりそうだよね。がんばらないで今のままでいよう」となります。

特に影響を受けやすいなぁって人は、会う人が変わってくれば自分も変えやすくなるかもしれませんね。

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発表する時に緊張してしまう!そんな人が覚えておくとよいこと

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

先日、研修会の講師をやってきました。

さいたま市介護支援専門員協会主催で、普段介護の相談にのっている専門家自身のストレスマネジメントについてお話。
聴衆が20人くらいのこじんまりとした研修です。

写真

人前で話す時っていつもドキドキします。
ちょっと震える時もあります。
緊張も強いです。
「あ~、つまんない研修だなって、思われたらどうしよう」とマイナス思考が頭をよぎりながらやってます。

一方でよく「緊張しない方でしょ」「堂々としてるよね」と言われます。
こんなに繊細なのにねぇ。

自分が感じていることと、人からどのように見えているかって違うものなのです。

人前で話すのが苦手、赤面が不安、震えが不安、緊張が伝わっているのが不安。
そんな人は「自分の感じていることは、人も同じことを感じているのだ」と強く思いがちです。
実際は自分と他人の感覚は違う、というのを理解できると、不安がちょっとはマシになるかもしれません。

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不安にとらわれにくい生活の仕方

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

不安に悩まされている人がやるとよい生活の仕方の一つ。
「変化をつけた生活をする」こと。

ついついいつも同じ生活をしがち。
散歩ルートが同じ、食べ物も同じ、生活の仕方が同じ。

そっちの方が楽かもしれません。
しかし、同じ生活をしていると不安にとらわれやすくなることがあります。

散歩をしていてもいつも同じルートだから刺激が少なくなり、ぼーっと不安なことを考えてしまう。
食べていても何か気にしながら食べてしまう。

いつも同じだと自動的にやってしまうので、考えやすくなります。
不安で長年悩んでいる人って狭められた生活パターンで固定されていることが多いのです。
不安だから動けないっていう理由もありますが。

これを防ぐためにも時々生活に変化をつけてみましょう。

いつもと違った散歩コースを選ぶのもよいかもしれません。
いつもは食べない食べ物を食べてもいいかもしれません。
なかなか会っていない友人に会ってみてもよいかもしれません。
新しい趣味にチャレンジしてもよいかもしれません。

変化をつけると良くも悪くもボーっとしにくくなります。
今やっていることに注意が向きやすくなるのです。

これはうつっぽい人にも使える手法です。
最近一日中不安なこと考えてるなぁって思ったら生活を変化させてみてはいかがでしょうか?

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湯船が汚いと思ってしまう強迫の人は

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

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お風呂で湯船につかった後、シャワーで洗い流さず出ることできます?

不潔強迫の人にやってもらおうとすると不安になることの一つです。

湯船は汚いとイメージをもっているんですね。
家族の誰かがはいった後とか尚更。

せっかく体をきれいにしたのに、汚すなんて!と思うかもしれません。
しかし、これが大事。

不潔強迫の人は入浴したら「きれいになった」と思うようなことをしてはいけません。
入浴を境目に強迫にとらわれたことをやっていることがあるから。

だいたい入浴した後でしか触れない場所があるもの。
ベッドとか。
あと入浴前にしかやらないことがあることも。
トイレとか。

このような強迫に左右された生活から脱するため「常に汚れている」と思えるようなことをしていかなくてはいけないのです。
これはやってみると思っている以上に慣れてきます。

入浴したら全身を汚す、をしていきましょう!

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満腹感が怖いけどすぐに感じてしまう!それはダイエットのせいかも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

摂食障害の多くの方が満腹感を嫌います。
満腹感=太ったと考えてしまうから。

だから満腹にならないように調整しようとします。

しかし、摂食障害はこの満腹感が正常に感じられなくなっているんです。

例えば、長期間ダイエットなどであまり食べない状態を続けていると、腸の働きが悪くなります。
働きが悪くなると食べ物の消化がゆっくりになるので、長い間胃に食べ物が残ってしまいます。
そうするとちょっと食べただけでも満腹感が出てきます。
「満腹だ!太った!大変!吐くかダイエットするかしなきゃ!」となります。
本当は満腹ではないのにそのように思うので、空腹感が続くこともあるんです。

満腹感があるから食べない→胃腸の調子が悪化→満腹感が出てきやすい→満腹感をおそれて食べなくなる・・・と悪循環。
食べることが怖くなり摂食障害は悪化します。

このように摂食障害になると満腹なのか空腹なのか、よくわからなくなってきます。
だからお腹の具合で食べるか食べないかを決めない方がよいわけです。

この状態は規則正しい食生活に変えていくだけで改善します。
ちょっと時間はかかりますけど。

長期間ダイエットをしていて、ちょっとしか食べてないのに満腹感が出るようになったら注意しましょう。
それは体が小食になれた、とは限りません。
胃腸の働きが悪くなって満腹感が出てきやすくなった結果からかもしれませんよ。

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悩みの原因を探して考えこんでいませんか?実は無駄かも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

考えてもほとんど意味がない「考え」があります。

「なぜこうなってしまったのだろう」と考えること。

ついつい考えちゃいません?
「なぜ」を投げてかけても、原因がわかることはありません。
わかった!と思ったら多分勘違いです。

心の病気は全部原因が不明なんです。
ホントに。

「脳の病気っていわれたけど・・・」
これはあくまでも仮説です。

「親との関係がって書いている本があるけど・・・」
両親との関係が云々という理論は全く根拠がないのです。
結構知らない人が多いようです。

だから原因を考えても意味がありません。
むしろ解決しない問題を考えている時間が長くなり、もっと悩むようになるかもしれません。

それよりも「どうしたら改善するのか?」と「どうしらたらよいか?」という質問を投げかけるようにしましょう。
具体的に何をどうしていったらよいかを考え、実行に移しましょう。

原因探しをしなくても、心の病気が良くなっていくことがわかっていますから。

「なぜ」よりも「どうしたらよいか」を覚えておきましょう。

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吐くことが怖い!そんな時の対処法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「吐いてしまうのでは」と恐怖を抱く人がいます。
嘔吐恐怖ってやつです。

嘔吐恐怖の人は吐き気を刺激するようなことを避けたり恐れたりします。
例えば・・・
・重い食べ物を避ける
・週末の電車には乗らない(飲み会で吐いている人が多いから)
・居酒屋にいけない
・妊娠が怖い
・「吐く」という文字を見ただけで怖い
・抗不安薬がないと出かけられない

どの不安症状もそうですが、避ければ避けるほど怖くなるので悪循環になります。

改善のためのヒントは「外側に注意を向ける」こと。
吐き気を怖がっている人はだいたい自分の内側(吐き気を感じるところ)に注意が向きすぎています。

だから注意の方向を分散させるといいんですね。

分散させる方法の一つが五感に注意を向けること。

吐き気が起こりそうな場面で以下のようなことに注意を向けてみましょう。

「何が見えるのか」→テーブルの色、食べ物の色、人の表情など
「どんな音が聞こえるのか」→エアコンの音、電車の音、周囲の声など
「どんな味、匂いがするか」→唾液の動き、食べ物の細かい味、食べる前の匂いなど
「触れているものはどんな感覚なのか」→椅子に座っている感覚、手の感覚など

一つ一つゆ~くり(一分くらいずつ)と観察して注意を向けていってみてください。
「気をそらして吐き気を忘れよう」とせずに「吐き気はあるけれど、こっちの感覚もあるよね」としてみることがコツです。

何度も続けていると吐き気や不安がゼロにはならないにしてもちょっとマシになることも多いと思います。

この方法は嘔吐恐怖の人に限らず不安で悩んでいる人全般に使えます。

不安が強いなぁ~って思った時はお試しください。

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