強迫性障害の症状について

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害というと
「手を何度も洗う」などの洗浄強迫とか
「家の鍵をしめたか何度も確認する」などが代表的な症状です。

しかし、そのほかにもあります。

「あるものをある一つのパターンに並べなくてはいけない」

「人を傷つけてしまうのではないかと思って人を避ける」

「物を捨てることができない」

「頭の中で特定の言葉を繰り返す」

「悪い考えが本当になるのではないかと考え、そうならないように特定の儀式をする」

まだまだたくさんありますが、洗浄とか確認がないと強迫性障害ではないとおもっている方も結構います。
長い間悩んでいるにもかかわらず未治療のまま何年も苦しんでいるようです。

現在ではインターネットの普及で情報が手に入りやすくなっています。
調べてみるとよいでしょう。

注意していただきたいのは上記のような症状があっても強迫性障害とは限らないことです。
他の病気である可能性があります。
一般の方にとって見分けることは難しいかもしれません。

悩んでいる方は早めに治療を受けることをお勧めします。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


ホットミルクで眠れる?

臨床心理士の鈴木です。

7月に入りましたが蒸し暑い日が続きますね。

夜は暑くて眠れないという方もいらっしゃると思います。

暑くて眠れないのとは違いますが、不眠で悩んでいる方は多いでしょう。

お薬以外の不眠対策としてよくいわれているのがホットミルクやハーブティーを寝る前に飲むこと。

「ホットミルクで眠れるようになった!」というインターネットの口コミでも見たことがありますし、専門家の間でもそのように言われています。

ただちょっとだけ落とし穴があります。
それは飲みすぎて夜間トイレに起きてしまうことです。
薬でもなんでもそうですが適量というものがありますので気をつけましょう。

また過大な期待をしてはいけません。
私のところに不眠で相談にくる方で、ホットミルクを飲むようになっただけで「眠れるようになった!」と言っている人は見たことはありません。
色々不眠対策をしてうまくいかなかった方が相談にくるので当然ですよね・・・。

眠れない方の多くは、何回か眠れないことが続くと「今夜も眠れないのではないか」と考えます。
そうすると「眠ろう」と努力します。
実は「眠ろう」と努力することは、「眠れない」という意識(不安)を呼び起こすことにもなるのです。
そうするとさらに目が冴えて、また眠ろうとして・・・。
不眠を改善する方法の一つはこの悪循環を断ち切ることです。
このためホットミルクだけでなく、不眠改善のための心持、生活習慣や睡眠習慣の改善、不眠の元になった悩みごとの解決など総合的にアプローチしていく必要性があります。

どのように改善していくかは人それぞれ違うので、主治医やカウンセラーに相談してみると良いでしょう。

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家族の教育

臨床心理士の鈴木です。

先週の土曜日、仕事が終わった後に学会出席のため、福島県郡山市へ行ってきました。

到着したのは20時頃。

土曜の夜なのですが駅前は閑散としています。

知人と合流して夕食をどこにしようか探していると、通行人によりも怖そうなお兄さん達の方を多く見かけます。

通行人がいないだけに怖い。

地元の方によれば郡山は「東北のシカゴ」と言われていたことがあったそうです。

「東北のシカゴ」・・・考えたのは誰だろう。

外は閑散としている印象ですが、お店の中は人でいっぱいでした。
福島はいわき~会津と地方によって特色があって、山の幸から海の幸まで名物がたくさんあるようです。

肝心の学会ですが家族療法に役立つ認知行動療法について主に参加しました。

家族への教育をすることによって、統合失調症やうつ病の再発率が低下することが分かってきています。
ちなみに家族が心の病の原因といっているわけではありませんよ。
家族の対応次第で心の病が回復してくるということです。

実は心理学の業界でも数十年前は統合失調症は母親の養育態度によって引き起こされるといった理論がありました。
根拠に乏しいため現代では完全に否定されています。

今では家族に対して家族心理教育など科学的な根拠に基づいたアプローチが採用されることが多いようです。
しかし、治療的な家族教育の普及が遅れています。
このことにより家族が苦しむだけでなく、結果として患者さん自身も回復しないという悪循環で苦しんでいる方が多くいらっしゃいます。

効果のある治療法が早く広まっていくことが望まれますね。

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パニック障害とうつ

臨床心理士の鈴木です。

パニック障害では「うつ」にもなっている方が多いのはよく知られています。

パニック障害になると発作を恐れて、電車に乗る、美容院や歯医者行く、レジにならぶことなどが次第にできなくなってきます。
また、動悸や息切れを恐れるあまり、運動をしなくなることも少なくありません。
そうなると友人に会ったり、運動したり、娯楽を楽しんだりといったことが少なくなります。

だんだん、悲観的な思考が強くなったり、何もする気になれなかったりとするのかもしれません。
気分も落ち込み、社会生活にも支障をきたすようになり、いわゆる「うつ」の症状が出現するかもしれません。

このような場合でも、パニックの治療が改善するにしたがって「うつ」の症状がよくなることもあります。
また「うつ」の治療とパニックの治療を並行するなどの手段をとることもあります。

パニック障害の「うつ」は見逃されていることが少なくありません。
やる気が起きない、食欲がない、何に対しても悲観的、急に泣き出すなどの「うつ」の症状があれば、医師やカウンセラーに伝えるようにしましょう。

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家族の集い

臨床心理士の鈴木です。

先日、さいたま市の区役所で開催された介護家族の集いに招かれていってきました。

高齢化社会を迎える中、これからの課題となる介護者のケア。

介護されている方が精神的にも肉体的にも疲れきってしまい、「うつ」になるケースも少なくありません。

まだまだ介護者への精神的サポートは十分とはいえない状況でしょう。
臨床心理士業界でも、この分野はこれからのところ。

当然のことながら介護家族の方は「臨床心理士って?」というリアクションです。
専門家側も臨床心理士がどのようなことをするのか(できるのか)、期待するイメージは様々。

今回の介護家族の集いは一回目の開催ということもあり手さぐりの状態でしたが、皆さんそれぞれ何かヒントを持ち帰っていただけたようです。

これからこの分野にも貢献していけるようにがんばります!

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悩みの悪循環

臨床心理士の鈴木です。

悩んでいる時に「元気だった頃の自分」と比べることはありませんか?

「あの時は~だったのに」と過去を考え「これからもずっと悩むのかなぁ」と未来を考える。
昔の自分にこだわり、昔のようにできなくなった自分を嘆く。

そして「昔はこんな不安はなかった」といって「不安をなくそう」と思うと、なくならい不安に直面し苦しむ。

さらに「こうなったのは自信がないのが原因だ」と思って「自信をもとう」と「思いこむ」という行為をしても、結局自信の持ち方がわからず、自信をもてない自分に直面しさらに落ち込みむ。

とどめには周囲に相談すると「考えすぎ」「気のもちよう」「わがまま」といわれ、さらに落ち込む。

こんな感じの悪循環に陥ることはよくあることです。
しかし、悪循環になっているにもかかわらず人間は同じ行動をとります。。
ということは解決策として「正しい」と思って実行していることが、さらに悩みを増大させているかもしれないのです。

さて、どこが悪循環の要因となっているか予想がつきますか?
ここまで見て「不安を思い出さなくするためにはどうしたらよいか」と考えたり、「全く予想がつかない」という方は悪循環にはまっている可能性があるので注意しましょう。

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久しぶりのカウンセリングQ&A

臨床心理士の鈴木です。

今回は久しぶりにQ&Aです。

Q.初めてカウンセリングに来る時にもっていくものはありますか?
A.必須のものは特にありません。
ただ、お薬を飲んでいる方は飲んでいる薬がわかるもの(お薬手帳、お薬のメモなど)があると助かります。

Q.一般人向けのカウンセリング講座はしてますか?
A.基本的に一般の方向けのカウンセリング講座はしていません。
ただ、一般の方向けとしては「家族教室」など、家族の方向けに接し方について講演することはありました。
時々聞く話ですが相談機関でカウンセリングを受けたところ、カウンセラーから「あなたも心理カウンセラーになりませんか?」と誘われ、カウンセリング講座料をとられるところがあるようです。
通常カウンセラーが患者さんに対し、自分のカウンセラー養成講座を勧めることはないと思います。
悪質なケースもありますのでご注意ください。
もちろんピアカウンセリングや家族会、患者会などの自助グループなどは別ですよ。

Q.カウンセリングが50分では足りなさそうな時はどうしたら良いですか?
A.50分で足りないときは2枠とってもらうことも可能です。
しかし、料金が倍となりますので、本当に2枠が必要かどうかを私と話し合ってからの方がよいと思います。

Q.話すことが苦手なので、カウンセリングで今の現状を伝えられるか自信がありません。
A.話すことや話をまとめるのが苦手であっても、私が少しずつまとめていくので問題ありません。
どうしても心配な方は、困っていることなどをメモしてきても構いません。

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不安障害のカウンセリング部屋以外でのカウンセリング

臨床心理士の鈴木です。

私はよくクリニック内をカウンセリング中にウロウロしています。

私のカウンセリングを受けたことがある人ならば「何かやってるな」と思うかもしれません。

カウンセリングというと「部屋の中で話を聞いているだけ」とか「話し合って助言される場」とイメージされる人もいるでしょう。
確かにそのようなケースが多いのは事実です。

しかし、場合によってはカウンセリングルームを出ることもあります。

例えばパニック障害の方でエレベーターが怖い人。
パニック発作への対処法を身につけてもらった後に私と一緒にエレベーターに乗ってみることもあります。

強迫性障害で「不潔だ」と思ったものに触れない人。
考え方や対処法を身につけてもらった後に私と一緒に「怖い」「不安」と思っていることを練習することもあります。

もちろん必要と判断した場合ですよ。

不安障害への治療はカウンセリング部屋で対処法を教えるだけでは不十分である事があります。
勇気をふりしぼって不安場面に挑戦しても、不安なことを微妙に回避する、「これくらいでいいか」と中途半端にやることによって、改善しないケースがあるからです。

これらの困難を補うため、カウンセラーと一緒に不安場面に挑戦することにより、効率的、効果的に練習できます。
また私の方はカウンセリング中で教えたことをさらに実践で指導することができるのです。
「一人だとどうしても勇気がでない」という人にも有効でしょう。

必要な場合には一緒に電車に乗ったり、自宅訪問したりします。

認知行動療法を実施している機関の全てがこのようなことをしているわけではありません。
色んな考え方のカウンセラーがいますし、カウンセラーは必要性を感じていても相談機関の方針でできないことがあるのです。
おそらく外に出たり自宅訪問したりする(できる)カウンセラーは少数派でしょう。

私はカウンセリング部屋以外のカウンセリングの有効性を実感していますし、口でいうよりも実践しながら教えた方がはるかに治療的だと思っています。
必要に応じて柔軟に対応できますし。

「本を読んでもよくわからない」「早くよくなりたい」「一人じゃ不安」「頭ではわかってるけど・・・できない」という人は私と一緒に対処法を練習することをお勧めしています。

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結婚式で「うつ」の話題

臨床心理士の鈴木です。

先日、知人の結婚式に出席しました。

銀座でのレストランウエディング。

銀座な街が見渡せるレストランで高級フレンチ。
ゴージャスです。

このような場に出席するとどんな職業かとよく聞かれます。
臨床心理士と答えると、「うつ」のことについての話題となることが多いです。

どの職場も「うつ」が多いとのこと。
そしてメンタルヘルスの専門家には「うつの人には励ますな、薬のんでやすませるように」と言われる。
「じゃぁ、周囲は何もするなってこと?」と思うらしい。
よくよく話していくと「うつ」の人にやや攻撃的な感情を持っている様子。

つまり専門家の話に納得いっていないのです。

このようなことは「うつ」の方の家族、職場の人間にも言えるでしょう。
「休んでいいよ」と言いつつも微妙に怖い顔をしている人なんかそうかもしれません。

ちなみに「うつ」が表面上には良くなっているけれど、まだまだ無理ができない場合もトラブルが起きやすいですよ。
周囲は「もう治った」と思いこみ、ここぞとばかりに叱咤激励するパターン。

こんな場合でも認知行動療法のような積極的なカウンセリングがあること、「うつ」に効果があることがわかると、家族が協力的になってくれることもあります。

家族に対する「うつ」の情報提供が大事なんだろうなぁと再認識させられました。

結婚式は「涙のない結婚式」にしたいという新郎新婦の希望だったそうです。
その希望通り最後まで笑いのたえない結婚式でした。

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一人が良いけど、一人は嫌だ

臨床心理士の鈴木です。

「人付き合いが苦手」と悩んでいる人でこのような人はいませんか?。

人とつるむのが苦手。
できれば一人の方が良い。
だけどずっと一人は嫌だ。

「一人が好きだけど、一人は嫌だ」という一見矛盾しているようです。
どっちも自分の本当の気持ちなんですけどね。
「一人が好きなこともあれば、一人が嫌なこともある」ということ。
だから「どっちが本当の自分か」と考える必要はないのかもしれません。

そもそも「人付き合いが苦手で悩んでいる」という時点で「一人は嫌だ」って言っているようなものです。
つまり人付き合いを重視しているのです。
本当に人付き合いがどうでも良いと思っている人は、あまり人付き合いでは悩みませんから。

このように悩んでいる事柄には、自分が大事にしている願望や価値観が見え隠れするものです。
「悩んでいることを忘れよう、変えよう、何とかしよう」とするのは当然の気持ちかもしれませんが、今一度自分のストレス、悩みごとを振り返ってみてはいかがでしょうか。
自分の気持ち、価値観を考えるチャンスになるかもしれませんよ。

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