客観的思考は楽しいですか?

臨床心理士の鈴木です。

前回、ポジティブ思考は歪んでいる可能性があることについてお話ししました。
ネガティブかポジティブかではなく、物事をある程度客観的にみることは、メンタルヘルスを保つ上でも重要なことかなと思います。

このためカウンセリングの中で客観的に物事を見ていく練習をしていくことが多いです(今回は「客観」「主観」の難しい定義の問題は脇に置いておきます)。

実際にうつ病や不安障害など治療の上では役に立ちます。

しかし、客観的に物事を見るというのは面白くないと思うこともあります。

何かを楽しんでいる時とか、熱中するものとか、好きなことをやっている時とか。

客観的に第3者的視点からみたらつまらないなぁ
おもいっきり主観的な方が楽しいこととか、楽なことってあるなぁ
・・・と私は思うこともあります。

それを考えると主観的であろうが客観的であろうが、その考え方がどれだけ役にたっているか、人生を豊かにしているかが重要だと思うのです。
そのあたりを私はカウンセリングでも大事にしていっています。

みなさんはどう思いますか?

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


ポジティブ思考は歪んでいる

臨床心理士の鈴木です。

例えば上司にひどく怒られた時に
「あの上司は自分のことが嫌いに違いない」
と、考えたとします。

さて、このように考えた場合、この考え方は正しいのでしょうか?

よく
「上司はこれからのあなたに期待して怒っているんだ」
とポジティブに考えると良いという人もいます。

しかし、この考えも正しいのでしょうか?

実際はどっちの考え方が正しいかどうかはわかりません。
本当に上司は嫌っている可能性が十分あります。

つまりどちらの考えも一つの可能性にしかすぎません。
ポジティブ思考と言われているものも歪んだ考えと捉えることもできるのです。

そんな歪んだポジティブ思考にしようと思ってもうまくいかないものです。
中途半端なポジティブ思考は役には立たないでしょう。
重要なことはポジティブに考えることではありませんし。

ではこんな場面ではどのように考え、行動してけばよいのでしょうか?

一つの指針として、自分にとってどのように考え行動することが「役に立つか」、というものがあります。
それを提供できるのが認知行動療法です。
このような観点から、「ポジティブ思考はできない」という方や、抑うつ的な思考や不安を治していきたいという方は、認知行動療法が役に立つかもしれません。
「ポジティブ思考」以外の観点が提供できると思います。

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うつと不安の夫婦のコミュニケーション

臨床心理士の鈴木です。

震災以後、結婚したい人が増えているそうです。
やはり人と人との結びつきは誰でも求めている人が多いのでしょう。

しかし、当然のことながら結婚してからが大変。
良くズレが生じるものです。

悩みごとがある時、ただ愚痴を聞いてほしいだけなのに夫から
「それでどうしたいの?」
「その考え方間違ってない?」
「気分転換でもしたら?」
「誰だってそうだよ」
という言葉。

こんな風に言われたら悩んでいる奥さんは、
「この人わかってくれないな」
って思うものです。

さらに夫はなぜ「わかってくれない」と思うのか理解できず
「じゃぁ、なんて言えばいいんだ!」
と追い打ちをかけるような悩ませる一言。

「そういうことじゃないのだけれど」
と奥さんは追い詰められます。

いつまでも経っても「ズレ」は埋まりません。

そうすると結婚して大事な人といるのにもかかわらず「孤独」を感じるのです。
うつになっている時はさらにうつがひどくなるでしょう。

うつや不安に悩まされている時は、そのような家族間の「ズレ」を埋めていくことも必要かもしれませんね。

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躁状態への対処

臨床心理士の鈴木です。

報道などである政治家が「軽い躁(そう)状態」という記事がありました。

報道の内容が正確かはともかく「うつ病」と診断されていながら「躁状態」もあるということがあります。
いわゆる双極性障害(躁うつ病)です。

躁状態はそのような素因があったかもしれませんし、抗うつ薬によって引き起こされる可能性があります。
躁状態であれば、お薬の処方や原因となった薬を減らすなどの処置がとられます。
カウンセリングでは認知行動療法的な躁状態への対処の仕方を教えます。

実際にうつ病と診断されていながら、躁状態もあるのでは?と思うことも多いです。
診察の時間が少ないために見逃されていて、「うつ」の診断を受けいつまでも良くならないケースもあります。
そのような時は、どのような症状をどのように医師の報告すれば良いかをアドバイスもしています。

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睡眠と夢

臨床心理士の鈴木です。

暑くて寝ぐるしい日が続きますね。
眠れないという人も多いでしょう。

睡眠に「夢」はつきもの。
私のような職業をやっていると「こんな夢を見たけど、これはどういう意味?」と知人から聞かれることがあります。
色んな雑誌等で夢分析みたいのがあるので聞かれるのはわかっています。
そのようなことを専門としている同業者がいるのもわかっています。

しかし、あえてはっきりとしたことをいいますと・・・

そのような夢分析に、なんら科学的根拠はありません。
またそのような「治療法」も効果があるという根拠はありません。

このため私のカウンセリングでは夢の内容そのもの自体を扱うことは少ないです。
扱っても治療にはほとんど役に立つことはありません。
他の部分に取り組んでいった方がその人の役に立ちます。
分析内容の真偽はともかく、今後の治療的観点から役に立つように解釈するのは良いと思いますけど。

このように本当のことを言うとがっかりされることが多いです。
「深層心理」みたいなものが「心理学」だと思っている方も多いので・・・。

個人的には「なぜそのような夢をみるか」の本当のところはわからない方が良いと感じています。
どんな夢でも今後の役に立つように解釈できる機会が失われますから。

ただし
「どのようにしたら眠れるようになるか」
「悪夢に対してはどうしていけばよいか」
についてはご相談にのれると思います。

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パニック障害と暑さ

臨床心理士の鈴木です。

暑くなってきましたね。
うちのクリニックでも「みどりのカーテン」をはじめたようです。
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最近では一般の家庭でもやっているところが多いようですね。

ただ、疑問が。
今も十分暑いのですが本当に役に立つのはいつだろう・・・。
虫がたくさんついたりしないのだろうか・・・。

まぁ、あまり考えすぎると何も始まりせんので、どうなるか観察してみようかと思っています。

暑くなるとパニック障害の方は外出するのがさらに怖くなりがちです。
あの「モアッ」とした空気。
息苦しさが増してくるでしょう。
怖くなり引きこもることとなります。
そうするとさらに恐怖感が増すという悪循環。

何度も書いていますが、パニック発作が怖いからといって不安場面を避けたり、気をそらすことばかり考えたり、頓服を飲むことしか考えていないのであれば、症状が長引きます。

夏は苦しいと思いますが、逆にパニック障害を克服するための練習機会がたくさんあります。
チャンスだと思って克服する練習をしてみましょう。

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うつと不安の休職中の注意点

臨床心理士の鈴木です。

うつや不安で悩んでいる人で
「気分が上向いたら動こう」
「やる気がでてきたら動こう」
「前向きになれたら動こう」
こんな感じで過ごしている人は要注意です。
いつになったら「やる気」が出てくると思いますか?
いつまで「やる気」が出てくるのを待ちますか?

うつや不安で休職していて、復職を考えている人で
「今日は気分が落ち込んでいるから寝ていた」
「不安が強いから薬を飲んで休んだ」
という状態であるならば、復職の時期を考えた方がよいかもしれません。
復職したあと落ち込んだり不安になったらどうしますか?
不安に対して頓服薬を服用して安心することが本当に回復していると言えますか?

日々の活動がその時々の気分に左右されている状態では復職は難しいでしょう。
まして「やる気が出てくるまで待つ」、「不安になったら頓服だ」というような対処しか持ち合わせていないでは復職してもすぐにぶり返す可能性があるでしょう。
復職するには気分に左右されずに目的の活動ができるようになるまでもっていかなくてはいけません。

うつや不安の気分に左右されずに活動するのは容易ではありません。
自分でできないと思う方は、専門家の手をかりて復職の準備をしてみましょう。

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社交不安障害・対人恐怖の方への復職プログラム

臨床心理士の鈴木です。

「社交不安障害・対人恐怖の方へのカウンセリングはどんなことをやるのか知りたい」という声がありましたので簡単に紹介します。
特に休職中の方の問い合わせが多かったです。

例えば人目が気になってしまい、「どのように思われれているのか」と思い悩む、赤面、発汗等、震え等で悩んでいる方へは・・・
①どのようにして症状が持続しているのかを解説
②人目が気になる時の考え方や行動をどのようにしていけば良くなっていくかを解説
③人目が気になった時はどのような心持ちでいればよいか、どこに注意を向けてどのような行動をしていけば良いかを解説
④カウンセリング中に練習
⑤日頃から練習することの解説
⑥実際の不安場面で挑戦してみて、微調整・復習

人によって大きく異なる場合ありますが、だいたいこのような流れです。
認知行動療法によるプログラムで書籍等で情報は入りやすいのですが、一般の方が本を読んで自己流でやるとだいたい失敗・挫折しますのでご注意を。

他で認知行動療法を受けていて「いまいち効果がなかった」という方もきていただければと思います。
そういう方の多くがずっと「プラス考える方法?」「新しい考えを見つける方法?」みたいなものを何回もやっているだけの方が多く、認知行動療法において大切な部分をやっておりません。
残念ながら社交不安障害に限らず、紙に「考え」を書かされてばかりの「認知行動療法」を受けて、良くなっていない方もかなり見かけます。
これは認知行動療法に不慣れな臨床心理士が多いことが要因と思われます。

集団で認知行動療法をやっているところもありますが、私は社交不安障害の方は個々に悩んでいる背景等も考慮して改善プログラムを立てなくてはいけないと思っていますので、集団療法はやっておりません。
・集団は苦手な方
・わからないことが集団だと聞けない方
・個別性を重視される方
は、個別カウンセリングをお勧めします。
症状が改善されるように私がマンツーマンでお手伝いします。

特に社交不安・対人恐怖で休職中の方は、苦手な場面がそのままだと復職してもまた悩むことになるので、休職中で時間のあるうちにカウンセリングを受けることをお勧めします。
現在復職中の方もまた休職にならないように対策を打ちましょう。

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夏と摂食障害

臨床心理士の鈴木です。

だんだん暑くなってきましたね。

追い打ちをかけるように節電で暑苦しい。

暑くなれば、薄着になります。
薄着になればボディラインが目立ちやすい。
このため「夏に向けてダイエット」なんて特集が毎年のように組まれていますね。
冬になれば「正月太りを防ぐ」なんて特集がでるので結局は一年中特集が組むことができるわけです。

そのような特集はやせたい人の目を引くのかもしれません。

「やせれば前向きになれる」と思っている人もいるでしょう。
確かに一時は前向きになれるでしょう。
しかし、いつまで前向きでいられるのでしょうか?

仮にやせたら今度は「昔のように太りたくない」と、痩せることに懸命になります。
太らないようにカロリーを計算、食事を制限・・・。
結局は太る恐怖に悩まされ、痩せる前と何も変わらず前向きにはなれないことが多いものです。

摂食障害の方はこのような経験がある方が多いかと思います。

体重や外見に囚われ続けると、人生の大切な部分を失うのかもしれません。
悩んでいる方は専門家の手を借りてはやく自分の人生を取り戻していきましょう。

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うつ病の講演会

臨床心理士の鈴木です。

さいたま市緑区役所で、区役所職員や看護師、ケアマネージャーの皆さん対象に研修会の講師をしてきました。

私はいつも道に迷うので、今回は会場まで迷わないようにと、車のナビに従って行きましたが・・・。
私の車のナビはどう考えても私を迷わそうとしているとしか思えません。
なぜか紛らわしい小道にはいり、曲がれない道路を曲がれと言います。
これは嫌がらせに近いですねぇ。
設定を変えたくても私は機械が苦手なので変えられません・・・。
予定よりも早く出たので遅刻せずにすみましたが・・・。

研修テーマは「精神科的基礎知識~うつを中心に~」。
うつの診断や薬の副作用、うつ病への対応について、看護師さん等医療・福祉のスタッフの皆さんが教科書的な知識ではわかりにくいと思われることを中心にお話してきました。
わかりにくい「うつ」。
身体の病気と「うつ」。
休んで薬を飲んでいても治らない「うつ」。
「うつ」でだるくて動けないときはどうすればよいか。
認知行動療法的な戦略、など。
ボイスレコーダーにとられているにもかかわらず、いつものように余計な話が多かったような。

印象に残ったのは、研修終了後の交流会で司会者の方がお話された私への印象。
私は研修会の時のマイクの持ち方に特徴があるそうです。
「先生がカラオケでマイクをもつ時はあんな風にもつんだろうなぁ、と思ってみてました」
と言われました。
どんな持ち方なんでしょう・・・。

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