失敗から成功は学ばない

臨床心理士の鈴木です。

誰が言ったのか忘れてしまいましたが、昔読んだ何かの本で
「失敗から成功は学ばない」
という旨のことが書いてありました。

正確な表現じゃなかったらすみません。

印象的で頭に残っています。

確かに失敗を繰り返していくうちに、成功に近づき、結果として成功していくということもあるでしょう。
そうなれば失敗はあくまでもプロセスになります。

しかし、失敗ばかり繰り返していくと自信がなくなります。
次第に行動しても「だめだ」と思うようになり成功にたどりつかないことも十分にありえます。

失敗からは「どうやったら失敗するか」を学んでいるのであって成功は学んでいません。
「どうやったら失敗するか」を学ぶのも意義のあることではありますが。

元気でやる気があるうちは失敗しても繰り返し挑戦できますが、心の病気になっているときなど元気のない状態ではできません。

「自信がないという人はどうしたら良いか」という質問の一つの答えは
「成功体験をすること」
です。

「自信がない」という人は成功体験を少しずつ積み重ねていきましょう。
もちろん成功体験ができるように色々と策を練ることが必要です。

そうしていくと自信がついてきます。
自信がつき、行動していけば、当然失敗もあります。
ですが、今度は失敗しても挑戦できるようにもなってくるのです。

カウンセリングでやろうとしていることですけどね。

「まずは勝ち味を覚えて、それから失敗も学ぶ」というのも悪くない考えだと思いませんか?

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています


強迫行為をやめるための準備体操-儀式の一部を変える

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の人で、なかなか繰り返し行為等「儀式」がやめられない時。

もちろんやめてもらう練習をするのが一番ですが、その勇気がない時「やめる準備のためのエクササイズ」についてまずやってみてはいかがですか?

今回は儀式の一部を変えるエクササイズ。

・場所を変えてみる
いつも同じ場所で儀式をしているのなら、別の場所でやってみる

・いつも使っているのとは別のものを使ってみる
いつも同じシャンプーで何回も洗っているなら、別のシャンプーを使ってみる

・順番を変えてみる
腕から洗っているのなら足から洗ってみる

・姿勢を変えてみる
いつも儀式を立ってやっているのなら座ってやってみる

よくみるとバカバカしくも感じるかもしれませんが、これが大切です。
あまり固く考えると行動できなくなります。
何回かやってみましょう。

「こんなんで良くなるのかなぁ」
と思ってやらなければ、またいつもと同じ儀式が始まるだけです。

これだけで強迫行為がやめられるわけではありませんが、変化する場合があります。

いつもと違った完璧でもないことをしてもなんとなく大丈夫と感じると、行動パターンが柔軟になっていきます。

それが強迫行為をやめることにつながるものです。

とりあえず行動してみることが大事。

こんな感じで徐々に行動療法をやっていく場合もありますよ。

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パニック障害と運動

臨床心理士の鈴木です。

パニック障害に認知行動療法は有効であることはお話してきましたが、それ以外にやると良いことについて。

「なんだ・・・そんなことか」
「またか」
「もっといい方法ないの?」
と思われそうなことですが・・・。

そうです。

規則正しい生活です。

パニック障害の人はだんだん生活リズムが崩れ来る人も多いのです。

実は睡眠、食事、運動など規則ただしい生活を送ることが改善につながります。

特に運動はそうです。

パニックの方は自分の体調を過度に気にしたり、動悸を等を恐れることで運動を控える傾向があるます。

運動をすることで病的な傾向が改善されていくという研究もあるので、「動く」ということは非常に重要なのです。

結局は、不安な場所を回避したり、水を飲んだり、ガムをかんだり、音楽を聴いたり、リラックスするだけではよくはならいから、動きましょうよ、ともとれますが。

私の印象としては実際に運動をやり始めた患者さんって良くなってきている人が多いですよ。

運動と張り切らなくても、少し歩いてみる、ウィンドウショッピングしてみる程度から始めてよいでしょう。

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結婚したら不安はなくなる?

臨床心理士の鈴木です。

何かの特集で婚活に疲れた人を対象とした「婚活外来」みたいなものがあるそうです。
色んな「括り」があるんですねぇ。

地震のこともありましたが、「無縁社会」をテーマとした番組などもパートナーがほしいと考える要因ともなってみたいです。
やはりそこには様々な「不安」があるとのこと。

結婚したら不安がなくなるか?
と、なればそうとは限らないのは当然ですよね。

結婚したら色々と不安なことはででくるに違いありません。

そもそも何かを手に入れた時点で、「手に入れたものを失う不安」を手にいれるのです。
安定が手に入れば、それを失う不安に悩まされます。
それが人であれば、出会うということは必ず別れの時がくるということになります。

不安がない方がよいのなら、結婚しなかったり人と接しなければ良いかと言われれば、それはそれで不安が付きまとうでしょう。
「これから一人で大丈夫だろうか」
「一人でさみしい」
「私を心配してくれる人はいないのか」

つまり結婚する・しない、どの選択をしても不安をつきものなのです。
このため、どちらが苦痛かどうか、悩むかどうかが選択基準にはなりません。
どっちも苦痛で悩むのですから。
どちらが自分の人生を豊かにするかどうかの選択と考えた方がよいのかもしれません。

「不安をなくしたいから結婚したい」というのはうまくいかないでしょう。
「こういう人生を歩みたいから」とか「○○したい」という肯定的なことで語られるものが必要です。

これは心の病気でも言えます。
「不安をなくしたいから○○した」
という時、だいたい結果としてうまくいっていないことが多いのです。
不安を避けるためにした○○で悩んでいませんか?
例えば「不安をなくしたいから、○○を避けた」など。
「○○」があなたにとって必要であればあるほど、不安をなくす行為は状況を悪化させます。

不安を避けていては現状維持となります。

心の病気を良くしていくためには、最初のステップとして先ほど言ったように肯定的に語られることが必要です。
「うつや不安がなくなったら、あなたはどういう生活を手に入れたいですか?」
この質問に答えることが、うつや不安から抜け出す一歩となるかもしれませんよ。
それがあなたの人生を豊かにするのですから。

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眠れない夜に考える時は・・・

臨床心理士の鈴木です。

夜、寝床に入ると色々と悩みごとを考えることはありませんか?

何をしているわけでもないので、考えが浮かんできてしまい、考える。

考えるけれど解決しない、でも考える・・・を繰り返します。

そのような時に考えたところであまり解決はしません。
眠れなくなるだけです。

寝床で翌日の計画を立てたり、問題を分析したり、解決しようとしたりするのはやめた方がよいでしょう。

あれこれやってしまう場合は、夕方あたりに「悩む時間」をある程度とり、十分悩んでみましょう。
それ以外の時間は取り組まないと決めてみるのも一つの手です。

実施してみてダメな時は相談してくださいね。

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うつ病は3ヶ月で回復するか?

臨床心理士の鈴木です。

メンタルヘルス系の本を見ると、うつ病の回復について書いてあります。

「初期段階では休養と薬の治療をしていれば、3ヶ月後には意欲が出てきて動けるようになり、徐々に動いてリハビリしていけばうつ病は必ず治ります

という感じで。

だいたいグラフつきです。

「本当かなぁ・・・違うような気がするけど・・・」
と思う人、いませんか?

確かにそういう人もいますが・・・実際はそうでない人もたくさんいます。

上述したよくある回復過程の説明を一般書で書いていている本人が専門家向けの雑誌には「そうとは限らない」と書いています。
色々事情はあるのでしょうが・・・。

治療に見通しをつける意味では良いと思うのですが、私はそういう説明って正直ではないと感じます。
それをやったら「必ず」治るとまで断言してますから、問題が生じることもあるのです。

良くなるまではの期間は、現在の家庭や周囲等の環境、他の疾患の可能性によって長引くことも多々あります。

極端な例を出すと、職場のことでうつ病になった時に夫から
「それは病気でなく、甘えだ」
と言われ続け、夫婦関係も破綻し、将来も見えない状態の人が、仕事を休んで薬を飲んだらうつ病が良くなるかと言われれば、難しいことが多いでしょう。

そのような環境では、きっかけが職場のことであってもつらい状況は変わらないのですから。

下手をすると3ヶ月後、
「3ヶ月経ったらうつ病は良くなっていくと書いてあるぞ。治らないのはやっぱり甘えだ」
とさらに状況が悪くなることも。

こういう時は別の観点からのアプローチが必要となります。

インターネットや書籍でメンタルヘルスについての情報を集める時は、あくまでも「参考」までにとどめて専門家に直に疑問点を聞いてみましょう。

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うつで休職中の過ごし方―症状の管理

臨床心理士の鈴木です。

うつで休職中しているとき、多少やる気が出てきたら、自分の体調の記録をしてみるとよいでしょう。

例えば、何時頃に何をしていて、どんな気分であったかなど。
かなり大雑把で大丈夫です。

どんな時に体調が悪くて、どんな時によいかなどがわかります。
それがわかると、どんな時に何をすればよいのかわかってくるので、うつの再発予防になります。

特に認知行動療法をやっている、またやろうしている人には有効な手段となります。
その記録をもとに行動を分析して、どのような行動をしたらよいか教えてくれるでしょう。

また主治医に見せると症状をより正確に把握できるので、適切な治療のための判断材料となります。

ただ難点としては「記録は面倒」ということ。
結構地道な作業です。
一人でやると挫折する人が多いです。

対策としては、簡単な記録からはじめるか、仲間とやるか、専門家のもとでやると、続けられる人もいます。

注意点があって「うつ」と診断されていながらも、双極性障害(躁鬱病)である場合も。
そのような人は「うつ」と「躁」の状態の記録が必要となります。

記録用紙はうつ病関係の書籍にだいたいついています。
しかし、その内容は様々です。
結構面倒なものもあります。
面倒な方は専門家に相談すると自分に合った記録の付け方を教えてくれるでしょう。

まず自分にできそうな記録から始めてみると症状の自己管理ができますよ。

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社交不安障害・対人恐怖への対処-怖れている結果を回避

臨床心理士の鈴木です。

社交不安障害・対人恐怖の方の特徴の一つ。

怖れている結果を防ごうとして悪循環に陥っているパターン。

例えば・・・
「自分が赤面しているのでは」
と思い、それを隠すために顔を手で隠す。
そんな行動をとっていると逆に目立ってしまい、注目を浴びます。
そして
「やっぱり自分の赤面を人はみているんだ」
という結果になるのかもしれません。

人前でのスピーチが怖い人が、
リラックスをしすぎようとしたり、
早口でしゃべろうとしたりすることによって、
不自然なスピーチになってしまい、怖れている結果となります。

このように不安を回避するために行っている対処方法は、症状を悪化させるのです。

克服するためには・・・
・不安を回避するような行動を把握する
・そのような行動の代わりに適切な行動を練習する

ことが必要です。

当てはまる方はいませんか?

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復職支援の個人レッスン

臨床心理士の鈴木です。

ちょっと前にとある新聞でうちのクリニックがうつ病などの復職支援機関として載っていました。

載っていた施設の顔ぶれを見ていて、私のところの復職支援は他の施設と少し違うところがあるので誤解のないようにお話しておきます。

復職支援については、様々な施設で行われています。
ほとんどは集団で行われます。

私がやっている復職支援は何度か書いてある通り、いわば復職支援の個人レッスンです。
「基本的に施設ではなく、自宅を中心に自由にやりたい」
「そういう施設は苦手」
「みんなでやるのが苦手」
「個人レッスンの方が良い」
「臨床心理士の鈴木に会ってみたい」

という人向けです。

一人でなんとかしようとすると行き詰まりを感じたり、専門的な情報がはいってこなかったりします。
あと本には色々書いてあるけれど「実際のところはどうなの?」という疑問があると思います。
そこを私がサポートします。

また、私のところである程度基礎作りをしてから集団の施設にいったり、認知行動療法だけを受けに来る方もいます。

様々な利用の仕方があるので、一度相談に来てみてください。
それぞれに合ったリハビリ・復職の仕方をご提案します。

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不眠と夜の読書

臨床心理士の鈴木です。

私は時々夜中に本屋に行くことがあります。
ほしい本はインターネットで手に入りますが中身が見られないのが欠点。
またどうしても「今日ほしい」ということがあるので、夜でもつい行ってしまう。
もっとインターネットで立ち読みできたらいいのにと思うこともしばしば。

・・・ということで今日は夜の読書について。

夜の読書については注意点があります。

不眠の方は出来るだけ学業や仕事に関係のないものを読むようにしましょう。

頭がさえたり、仕事のことを思い出して眠れなくなる人がいます。
それについつい夜更かしをしがちになります。

できるだけ、寝る30分~1時間前には寝るための準備に入りましょう。

もちろん「仕事の本を読んでいた方が眠れる」という人なら問題ありませんよ。
また不眠の方は私のように読みたいからといって夜に本屋に行ってはいけません!

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