カウンセリングはアドバイスしないのか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

最近は少しずつ減ってきましたが、カウンセリングへの誤解がまだ解けないことがあります。

一番よく聞くこととして
「カウンセリングはただ話を聴いているだけ」「アドバイス・提案をすることはしない」
という誤解。

もちろん聴くだけのことが良い場合は聴いて気持ちを整理することはします。

しかし、それだけとは限りません。

必要に応じてアドバイスも提案もします。

確かにカウンセリング講座みたいなのを受けると「カウンセリングはアドバイスはしない」と書かれているものもありますが、それは一つの考え方にすぎません。

聴くだけのカウンセリングは限界があります。
やはりある程度カウンセラーがアドバイス・提案をし、知識や技術を身につけてもらったりして良くなっていくものです。

話を聴いてもらうだけでなく、解決に向けて積極的にうつや不安への対処を身につけたいという方は来てみてください。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


わかってくれない夫への対応

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

家事をやらない夫に家事をやらせる。

そんな情報が子育て本などによく載っています。

その中で「夫に手指の荒れをみせる」「手があれちゃった~、とアピール」という話がありました。

旦那さんに手指の荒れを見せれば気を遣って食器洗いなどの家事を手伝ってくれる、という発想のようです。

私がカウンセリングで多く夫婦を見てきた経験上、この方法はやや注意が必要です。

なぜならば「手が荒れちゃって・・・」と言ったのにもかかわらず、旦那さんが手伝ってくれなかった時、奥さんの怒りはいつも以上に大きくなる可能性があるからです。

「私がこんなに傷ついているのにやってくれないなんて、ひどい!」となります。

「手が荒れちゃって」というのは「間接的コミュニケーション」と言って、言いたいことを直接表現せず、間接的に表現する方法となります。
間接的であるため、実は伝わっているとは限らないのです。

こんな時「こう言ったら普通わかるでしょ」「夫は私のことなんてどうでもいいと思っている」
って思っているあなたは要注意。

「手が荒れちゃって」という言葉をそのまま受け取ったら、「ハンドクリームでも塗ったら」「やっぱり歳じゃないの?」っていう反応をしてしまってもおかしくないのです。

それを怒ってしまったら「なんか今日は機嫌が悪いな」「いつものことか」と思われて、その態度をみてさらに激怒といったパターンになりかねません。
ストレスがさらに増えてしまいます。

気づいてくれるのを待っていたら、いつまでも気づいてはくれません。

そもそも「手が荒れちゃって」と言って手伝ってくれる旦那さんなら、直接「疲れているところ申し訳ないけれど、○○やってくれるととても助かる」と、教科書に出てきそうな表現でも手伝ってくれます。

間接的コミュニケーションが伝わらない時は相手を責めるのではなく、表現の仕方をもう少し直接的にして、きちんと自分の本当の気持ちを伝えましょう。

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休日前の夜に、考えていませんか?

臨床心理士の鈴木です。

夜、家に帰って一息。
明日は休み。
考える時間がある。
そうしたとき・・・

「仕事やめたいなぁ」

「この先どうなるんだろう」

「ずっと一人なのか」

「孤独だなぁ」

と思う人いませんか?

独身の方も既婚者の方でもこのように思うことはあります。

仕事はうまくいかない。
将来が見えない。
誰かといても孤独。
人が幸せそうに見える。
そのように考えるとさらに落ち込む・・・という負のスパイラルです。

こういうパターンではカウンセリングの中で自分自身のことを振り返ってもらうようにしています。
自分はどんなことを人生で大事にしているか(仕事において、友人関係において、夫婦・恋人同士において等)、こうありたい自分と現実との差など。
そんなことを整理していくうちに、本当は自分がいちばんどんなことがストレスと感じているのか、自分の考え方の癖などが見えてきて、色んなことに縛られていることに気付いてきます。

次第に何をしていったらよいか、どのように考えていけばよいか見えてくるものですよ。

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躁状態の記録

臨床心理士の鈴木です。

うつとは逆の躁状態について、薬物療法以外でどんなことが普段からできるかについて。

躁状態については、もちろん本人・家族が知識を得ることが必要です。

その後、大事なのは生活リズムの見直しです。

睡眠・覚醒リズム、その日の気分の状態、どんな活動をしていたかなど。

これによって、自分の気分の波がどのようになっているか、どんな時に躁状態になりやすいか、どんな時にうつ状態になりやすいかがわかってきます。

本人はいたって元気で「うつは治った」と思っていても、周囲からすれば「活動のしすぎでは?」ということもあるので、家族や周囲の協力は必要です。

多くの「躁」がある本人は躁状態でいることが本来の自分と思いこみ、問題としないケースががあうので注意しなければなりません。

「うつ」状態の前にあった症状、例えば
・人よりも仕事を多くバリバリやっていた
・睡眠時間が少なくても平気だった
・様々なアイデアが浮かんで、自分自身にすごく自信をもっていた
・休まなくても平気と思っていた
など、自分の躁状態について理解しておくようにしてしましょう。

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パニック障害の目標設定

臨床心理士の鈴木です。

以前書いたうつと不安の目標設定の続き。

今回はパニック障害について。

パニック障害の人が自分で練習する時にまずい目標設定は
「パニック発作が起こらないこと」
「不安にならないこと」

が挙げられます。

「~しない」という目標設定はまずいですよね。

パニック発作が起こらないことを目標にしてしまうと、発作が起こらないようにと意識してしまうため、さらに発作が起こりやすくなります。
また、発作が起こっても大丈夫なような準備をして「発作が起こっても大丈夫」を目指した方が現実的・治療的です。
もちろん結果として発作が気にならなくなりが頻度が下がることはあります。

不安についても同じです。

パニック、不安にならないという目標設定は状態をさらに悪化させることもあります。
パニックならないようにしていること(発作が起こる場所にいかない等)が、今の問題を引き起こしているわけですから。

適当な目標設定の例をあげると
「不安があるけれど○○駅まで行く」「発作が起こったら○○する」「○○したい」
という「~する」という目標設定が大事です。

適切な目標設定は、コツをつかんだり、対処方法を学んだりできればすぐにできるようになりますよ。

あなたは「~しない」を目指していませんか?

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うつと不安の目標設定

臨床心理士の鈴木です。

何か始めると、だいたいは目標(希望?)らしきものを立てるものです。

悩んでいる時に、何か対処を考えている時もそうです。
「気分の落ち込みをなくしたい」
「不安になりたくない」
など。

心の病の場合、ここで注意があります。

「~しない」という目標を立てないことです。

「気分の落ち込みをなくしたい」
としていると、いつまでも気分の落ち込みに悩まされます。

「不安になりたくない」
としていると、いつまでも不安に悩まされます。

気分の落ち込みも不安になることも、避けられないことですから。
その方法を探すということは、永遠に問題は解決されないこととなります。

このように「~しない」という目標設定はうまく機能しないことが多いのです。

では、どうすればよいか?

一番簡単な方針としては
「~する」という目標設定をすることです。

うまく思い浮かばないときは・・・
「気分の落ち込みがなかったら、気分の落ち込みでずっと考え続ける代わりに、何をしているか?」
「不安にならない代わりに、どんな行動ができていればよいのか?」
など、自分に問いかけてみるのも手です。

そうすることでこれまで漠然とどうすればよいかと考えているのが、まず何をしていけばよいか具体的にわかるようになってきます。

あなたは「~しない」をやろうとしていませんか?

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うつ病治療と認知行動療法

臨床心理士の鈴木です。

うつ病の典型的な治療としては
①薬物療法
②休養
③認知行動療法

が、挙げられています。

薬と休養はやったことがあっても、認知行動療法をやったことがある人は少ないでしょう。
これだけマスコミに取り上げられいるのにもかかわらずです。

何度もこのブログでも言っていることですが・・・やはり認知行動療法を実施している機関が少ないのです。

「精神科医師や臨床心理士であれば、認知行動療法について専門的に学んでいるだろう」
という発想は間違いです
ほとんどが書籍で見たり聞いたりした程度です。

このため、十分に認知行動療法をやってもみても構わない人に対して
「あなたに認知行動療法は合わない」
「あんなのやっても意味がない」
と専門家からアドバイスされることが起こっているようです。

つまり、実施している機関が少ないのと、専門家に聞いてみたら否定的意見を言われるので、さらに認知行動療法から遠のくといったことが起こっています。

出来る限り最適な治療を受けたいと思っている患者さんにとって、この状況は好ましくはないでしょう。

臨床心理士全体の比率から考えて、認知行動療法を中心にしている人は少数派だと思います。
10年前と比べると大分増えてきましたけどね。
メディアの影響は大きいですね。

微力ながら患者さんが認知行動療法を普通に受けられる日が早くくるように地道に頑張っていきます。

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パニック障害の悪循環からの脱出

臨床心理士の鈴木です。

パニック障害になると、パニック発作が怖くなります。
「また起きるのでは」という心配が強くなってくるでしょう。
そうすると発作が起こっては困る場所を回避するようになってきます。
はじめは電車や車、だんだんスーパー、コンビニ、レジに並ぶ、美容室を回避し、自宅に引きこもるようになるかもしれません。
自宅に引きこもっても一人では怖くなり、どんどん生活範囲は狭まってきます。

このようにパニック発作を恐れて回避している生活を送っていると、どんどん不安は大きくなっていきます。

回避をしていていきなり「治った!」となる可能性は低いでしょう。

これを克服するためには、不安でもその場にとどまる練習をする必要ができてます。

こういうと「それができないから困っているんじゃないか!」と、つっこみをいれたくなるかもしれません。
それは思うのは当然です。
長い間、怖くてできなかったことをするわけですからね。

ではパニック障害でカウンセリングに来ている方は、どのようにしているかといいますと・・・
いきなり怖い場面に挑戦しても「やっぱり怖かった」とさらに怖くなるので、事前準備をします。

そして、だいたいは不安時の心持や対処法を学んだり、私と一緒にやることによって、だいたいは不安な場面にとどまることはできるようになっています。

やればやるほど良くなってきます。
やらなければ今のままです。

何事も行動が大事ですよ。

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「心理カウンセラー」になるためには・・・

臨床心理士の鈴木です。

今日は、昨日に引き続き社会福祉協議会の職員さん対象の研修講師2日目です。

昨日の研修で声を出し過ぎたので今日の喉の調子が心配でしたが、大丈夫でよかった。
喉は大切にしないといけませんね。

今日もほとんど2時間しゃべりっぱなしでした。

研修を受けた多くの方が臨床心理士を見たことがないそうです。
私が「初」臨床心理士だそうです。
珍しいといわれます。

でも日本には2万人もいるんですけどね。
特に首都圏では余っているくらいです。

ちなみに「心理カウンセラー」は誰でもなれます。
そう!このブログを見ているあなたでも。
心理カウンセラーになるためにはどうすればよいかというと・・・

「私は心理カウンセラーです」と宣言すればよいのです。

そんな資格はないので誰でもなれるわけです。
「評論家です」
というのと同じようなものです。

あとカウンセラーの資格はいろんなものはありますが、お金を払ってちょっと研修を受けると取れるものがほとんどです。

う~ん、そんな現状でよいのだろうか。

怪しげな「治療院」もたくさんあります。

気をつけましょう。

カウンセラーを探している人は、私がいうのもなんですが臨床心理士を持っている人を探した方が無難です。

さて、研修の方は何とか無事終わりました。
今日はずっと立ちっぱなしだったせいか、腰が痛くなりました。
歳かな・・・。
今度は座ってお話しよう。

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講演会講師をやってきました-専門家のうつ

臨床心理士の鈴木です。

今日は大宮でさいたま市社会福祉協議会の職員さん対象の研修をやってきました。
ほとんどが看護師さんなど医療、福祉の専門家の方です。
人数が多いので2日間やります。

今日は一日目。
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基本的なテーマはストレスマネジメントですが、リクエストがあり、うつへの対応や精神科的な基礎知識についてもお話してきました。

リクエストにこたえるため、2日前に資料の半分を作り変えるというバタバタはあったものの、何とか資料づくりが間にあいました。

よかった・・・。

色々と事情があり演習はなしで、ちょっとした性格テストをやってもらった以外は、私のトークのみの研修です。
2時間しゃべりっぱなしです。

ちなみに私は普段無口な方です。
多分・・・。

さて、対人援助を行う専門家の人はストレスが多いといわれています。
その人たちのストレスをどう処理していくか、というのが今回の主なテーマでした。

こういうストレスに関する対処として
「リラックスしましょう」
「気分転換しましょう」
「プラスに考えましょう」
ばかりが言われていますが、これでは悩んでいる時にうまくいかないものです。

リラックス、気分転換しようとしても嫌なことばかり考えるし、そもそもプラスに考えられたら悩んでいません。

そこをどうすればいいかについてお話してきました。

終わった頃にはやや声がかれていました。
はりきりすぎたかもしれません・・・。

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