断定している言い方には注意

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「心の病気の原因は今のところ原因不明であることが多いですが、治療方法としてはあって、治っていくことは可能ですよ」

と言われるのと

「心の病気は○○が原因なんです。だから○○すれば必ず治ります」
と言われるのは、どちらの方が良いですか?

おそらく後者の方が良いと感じる方が多いのでは?

これは断定していると自信があるように見えるし、その方が信頼できるような感覚に陥っているのです。
○○の部分が、普通に考えれば怪しげなことであっても。
様々な健康情報にも言えますよね。

これは人を信じ込ませる心理的なテクニックの一つです。

悩んでいる時は藁をもつかみたくなるものです。
そんな時は怪しげでもなんでも試したくなります。

そうするとさらに悪循環になっていく可能性があるのです。
おいしい話がのっている「治療法」には注意が必要ですよ。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


心の病気の原因は・・・

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつで悩んでいるときに、サプリメントを飲んだら次の日なぜか調子が良かった。

こういう経験が会った時、
「調子がよいのはサプリメントが効いたからだ」
と思いがちです。

○○ダイエットをしたら、一週間で一キロ痩せた。
こういうときは
「○○ダイエットをしたから痩せた」
と思いがちです。

サプリメントの例を言えば、サプリメント以外の要因を考えてません。
たまたま調子が良かったかもしれないし、他の行動をしたからよかったのかもしれません。

ダイエットの例でいえば、一キロ前後の体重の変化は何もしなくても可能性があります。
また○○ダイエットをしている時は、他のことにも気をつけているかもしれないので、○○ダイエットのおかげとは限りません。

ところが、多くの人は様々な要因に目を向けず、簡単に「○○の原因は○○だ」と結論を出しやすいのです。

体験した前後に起きたことと原因を結びつけることを「原因の錯覚」と言います。

こういうことって日常的にあります。
「うつの原因は○○だ」
「あの時○○したから今日は調子がわるいのなかなぁ」
などなど。

特に心の病気の場合、原因は様々ですし、原因を特定することが解決に向かうとは限らないので、注意が必要です。

「親子関係が原因」
「自信のなさが原因」
「肩こりが原因」
「前世が原因?」

専門家らしき人にこんなこと言われたら、それこそ原因とおもっちゃいますよね。

「そういえば、あの時あんなことをされた」
「いつも~だった」
など、自分の体験の中で色んなことが結びついていって、原因の錯覚に陥ります。

上記のことが心の病気の原因であることはありません。
要因の一つじゃないかなぁと考えられることはあると思いますが(前世はどうかわかりませんが・・・)
専門家?から言われたとしても怪しい場合がありますし、テクニックとして商売をしている人もいるのでご注意を。

あなたは安易に原因を決めつけていませんか?
あなたは原因の錯覚をしていませんか?

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埼玉で認知行動療法を受けたいと思ったら

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病や不安障害に認知行動療法が効果があるという科学的根拠があることは知られています。

それでも受けたことがある人はまだまだ少ないでしょう。

その一因ではないかと思うこと。

うつ病や不安障害にかかると、どこかに受診したり相談したりしまよね。

「相談している相手は専門家なんだから、自分に認知行動療法が必要だと思えば、やってくれる・またはすすめてくれるだろう」と、思ってしまう人を結構見かけます。

実際のところそうとは限りません。

認知行動療法をやっている専門家は日本ではまだまだ少数派。

あまり興味がない医師や臨床心理士も結構います。
特に臨床心理士がカウンセリング手法を選ぶ場合、治療的効果があるかどうかというよりは、自分が大学で習ってきた・または自分が好きなやり方のカウンセリングをしていることが多いと思います。

そのような治療者にあたると、いつまで経っても認知行動療法を受けられません。

できれば○○療法も○○療法も○○療法も認知行動療法もいっぱいやれる、という専門家?は避けた方がよいかもしれません。
私なんかは怪しいなぁ、ちゃんと勉強しているのかなぁって、思います(本当にやれる人もいると思いますが)。

このため認知行動療法を受けたいと思ったら、まず認知行動療法を専門にしている専門家を見つけることをおすすめします。

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部屋の様子

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

浦和すずのきクリニックのカウンセリングに来たことがない人は、どんなところでカウンセリングをするのだろうって不安になりますよね。

以前にも載せたことがあるのですが、カウンセリングの部屋はこんな感じです。
090317_1655~0002

思ったよりも普通・・・って思いませんでした?

ゴージャスなソファでゆったり・・・ではありませんでご注意を。

あまり重々しくてもいけないですし、いろんな資料を見せたりして、カウンセリングを実施することがあるので、このような椅子とテーブルが結構役に立っています。

お気軽にご相談ください。

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どのくらいの不安が最適?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

試験とか、プレゼンテーションとか、課題に直面した時って、不安になりますよね。

何かをやる時って、どれくらいの不安感だと良いか知っていますか?

もちろん、過度な緊張はパフォーマンスが下がります。
こういうことで悩む人が多いかもしれません。

では、緊張感が少ない方が良いかというと、そうではありません。
実はこれもパフォーマンスが下がります。

一番課題に取り組む上で最適なのは、その中間といわれています(課題の難易度によりますが)。
要は緊張感があり過ぎてもなさ過ぎても、パフォーマンスがは下がるということです。
ヤーキース・ドットソンの法則なんて言われています。

当たり前といえば当たり前なので、つまらない答えですねぇ。

「緊張感がある方がパフォーマンスが高くなる」という結果だったら緊張しやすい人にとっては、自信になるのに。
でもヤーキス・ドットソンの法則なんて無視して、
「このおかしくなるくらいの緊張感が自分のパフォーマンスを上げてくれる」
って思えたら良いのかもしれませんけど。

もう一つ言えることは、ほどよい緊張感を保つことがよいということは、不安自体は必ずも悪者ではないということも言えます。

だから不安をゼロにしようとする必要性はないのです。
ゼロにすることは無理なことですし。

緊張しやすい人は不安をなくすのではなく、そこそこ不安くらいを目指すと良いのかもしれませんね。

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人からつまらない奴だと思われていないか不安な人

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

人と話している時に「自分はつまらない奴だと思われている」と不安になる人はいませんか?
社交不安障害の人でよくいます。

このような人の場合、この不安が改善されるのは「面白い話ができるようになった時」ではありません
面白い話がいつもできるとは限りませんよね。
それを目指すと、一生不安に悩まされるでしょう。

ではどのようになると改善していくかというと、
他人がどう見るかを変えることではなく、他人や自分に対する考え方が変わった時に改善していくのです。

このポイントをおさえてないと、面白い話をしようと話し方教室みたいなところに行ってお金と時間を費やしたり、人と話すことが億劫になり、さらに不安になったりします。

変えなければいけないところを間違えないようにしましょう。

改善していくと、結果的に他人からの評価も「面白い人」に変わっていくことはありますよ。

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病気について本で調べると不安になりませんか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

急に涼しくなってきましたね。

まさに秋です。

読書の秋と言われていますが、読書はします?

実は心の病気で悩んでいて読書をする人に注意点があります。

心の病気になった時に色々情報を集めますよね。

知識を得ることは非常に重要なことです。

しかし、それが逆効果になることもあります。

インターネットで病気のことばかり調べてさらに不安になっている場合が典型です。

また多いのが病気の本ばかり読んで、さらに不安が強くなっている場合です。

結局「どうしよう」とグルグルと一日中病気のことばかり考えてしまいます。
不安を探しているようなものです。

病気とは関係のないものを読むことは、悩みに囚われないために必要でもあります。

読書をするのも良いですし、病気の知識を得ることも重要ですが、やりすぎには注意しましょう。

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心理テストって役に立つ?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

私はあまり心理テストというものをカウンセリングの中でやりません。

やったとしても抑うつや不安の強さを知るための簡単なテストをします。
そんな時間があったら、問題解決について取り組んでいった方がよっぽど治療的だからです。

よくインクの染みを見せられて「何に見えますか?」というテストで、何時間もかかりカウンセリングが開始されるまで時間がかかったという話も聞きます。

あと絵を描かされたりしていません?

実はそのテストは妥当性、信頼性が乏しい可能性がありますよ。

こんなこと書くと同業者から怒られそうですが・・・。

まぁ、本当のことですからねぇ。

相談しに来ている方にそのようなテストをするのは私はどうかなと思います。

心理テストをやったら「本当の自分がわかるのでは?」「病気かどうかわかるのでは?」と思う人もいますが、そんなことはありません。

心理テストで診断名が決まることはありません。
診断の補助となる情報として参考になることはありますが。

そもそも「本当の自分」というものが心理テストをしたらわかるということもありません。
「本当の自分」というものの定義が曖昧ですので・・・。
あるとすれば「わかったつもり」になることはあるでしょう。

それを望むのならそれでよいのですが・・・。

ただ、それであなたの問題は解決しますか?
「自分はこういう人間だ」というレッテルを貼ることによって悪循環に陥っていませんか?

自分のことを振り返るポイントを間違えると、どんどん深みにはまっていくことがあるので注意しましょう。

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注意力のテスト?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

問題です。

以下に紹介する動画を見てください。
動画にはバスケットをしている学生が出てきます。
黒いシャツと白いシャツをそれぞれのチームが着ています。

問題:
白いシャツを着ているチームのパスの回数を数えて下さい。
黒いシャツのチームのパスは無視して下さい。

動画はこちら(You Tubeにリンクしています)

動画を見てから空白の下の記事を読んでください。

 

 

 

 

 

さて、いかがでしたか?

実はこの問題。
パスの回数ではなく、途中で出てきたゴリラに気づくかどうかの問題です。

皆さんはゴリラに気づきましたか?

実験では約50%の人はゴリラの存在に気付かなかったそうです。

私は完全に気づきましたが・・・不思議ですねぇ。

これはアメリカで行われた心理学の実験で、イグ・ノーベル賞を受賞しています。

人間はある一つのところに集中しているとき予測していないところには気づかない、ということが言えるのでしょう。
注意の錯覚というものです。

この実験は主に注意力などの認知機能についてのことですが、他にも色んなことに言えるのではないかと思います。

マイナス思考に陥っている時は、良いことには気づきません。
自分の悪いところしか見ない人は自分の良いところに気づきません。

実験のように目に見えている(と思っている)ことでも、実は「見えていない」可能性があるのです。

まして「人は自分のことを○○と思っているに違いない」など、頭の中で考えていることは事実でないこともたくさんあるもの。

あなたが見ていること、感じていること、悩んでいることが実は錯覚からきているものだったら・・・?
こう思えると新しい展開が見えるのかもしれませんね。

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他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。

 


不安を消すためにはどうしたら良いか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

不安を消そうとしても、不安が出てくることってありませんか?

なぜ、不安が消えないかわかります?

答えの一つは、不安を消そうとするから。

不安を消そうと努力している時、結局は不安なことを考えているんですよ。

「この不安を消すためにはどうしたらいいんだろう」という感じで。
不安だ、不安だって言っているようなものです。

不安を消すために膨大な時間を使うわけです。

強迫性障害の人であれば、何度も確認したり、洗浄したり、頭の中で打ち消そうとしたりします。

パニック障害の人であれば、電車や美容院など怖い場所を避けたり、水やフリスク、頓服薬を持ち歩いたりします。

社交不安障害の人であれば、人前に出るのを避けたり、視線を合わせないようにしたりします。

このような不安を消そうとする努力は、さらに不安を増加させ「不安に消すためにはどうしたらよいか」と考えて悪循環となります。

不安を消そうとしたり、不安なことを回避をしているうちは回復する可能性は低いでしょう。

まずはこの悪循環に気づくことが必要です。

そして不安を避けずにとどまる練習をしていくと回復していきます。

練習によって不安を避けなくても大丈夫になります。
多くの人はその練習のコツを知らないだけです。

さぁ、まず自分が不安でやっていることを振り返ってみましょう。
悪循環になっていませんか?

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