強迫性障害の損失年数

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の人は「自分のような症状の人はあまりいないだろう」と考える人が多いような気がします。

しかし、調査によればだいたい1~2%の人がかかるといわれています。

100人に1~2人ですよ。

結構な確率です。

ですから珍しい病気というわけではありません。

また、身体の病気を含めた様々な病気を対象にした研究によると、強迫性障害の病気による人生の損失年数は20位にランクインしているのだそうです。

つまり、結構な割合で悩んでいる人がいて、その人は強迫行為や観念に囚われている時間が長いと言えるのです。

実際は医療機関にすらかかったことがない人が結構いるんじゃないかなぁと感じています。

何回も書いていますが・・・強迫性障害には薬物療法だけでなく、行動療法も効果が認められています。
行動療法の方が効果が高いという研究結果があるくらいです。

医療機関を受診するのに時間がかかり、行動療法を始めるのに時間かかると損失年数はさらに長くなってきます。

早めに治療を開始してくださいね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


今年もサラリーマン川柳

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

毎年恒例の、サラリーマン川柳。

今年も色々でていますね。

私は結構好きです。

以前のサラリーマン川柳のノミネートで
「『前向きで』 駐車場にも 励まされ」
というものがありました。

う~ん、印象深い・・・。

世の中「前向きに」っていうメッセージ多いですからねぇ。

でも、「前向きに」って疲れませんか?

前向きになれないことだって多々あります。

どうしようもないことかもしれないけれど、愚痴を言いたいことってありません?

後ろ向きなことを言ったってどうしようもないけれど言いたい。
言ったら「嫌われるだろうなぁ」って思う。
そんな風だとどんどんストレスがたまってしまいます。

前向きになれない自分に落ち込むなんてことになったら本末転倒です。

前向きだって、後ろ向きだって、どっちの自分があっても良いのです。

文字通りの「前向き」にこだわっているうちは前向きにはなれません。
必ず後ろ向きな時も人生にはあるのですから。

後ろ向きな自分があってもいいんだと思える。
それこそ「前向き」なことなのでは?

「後ろ向き」を「後ろ向き」ととらえるから「後ろ向き」なのであって、「後ろ向き」を「前向き」にとらえれば「前向き」になる・・・ややこしいですね。

もちろん駐車場で「前向き駐車」と書いてあったら前向きに。

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復職前の体力面チェック

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

心の病気で休職中の方はどのあたりまで回復できていればよいかわからない、ということを聞きます。

実際のところは、職場によって違います。

「少しずつ勤務に慣れていってよい」
というところから、
「職場はリハビリの場ではない」
といって最初からそこそこの仕事をやらされるところまで様々です。

どちらにしろ最低限の水準まで達していなくてはいけないのは確かでしょう。

どのあたりが最低基準なのでしょうか。

今回は心身の体力面についての最低基準について簡単にお話します。

仕事にもよりますが
・業務に関しての書籍を集中して読める
・好きなことを楽しむことができる
・人と会っても問題ない
・午前中から外出できる
・出かけても翌日寝込むことはない

このあたりまでは最低限達していないと復職は難しいと思います。

さて、いかがでしょうか?

できていないことが一つでもあれば、もっと心身の体力をつけていくことが必要となるでしょう。

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診断について

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今更ですが、うつ病の診断基準って知っていますか?

DSM-Ⅳ-TR(ちょっと改変してます)という診断基準からはこんな感じです。

以下の症状が5つ以上2週間の間存在。少なくとも①②は含む
①抑うつ気分(悲しみや空虚、悲しいなど)
②興味や喜びの減退
③著しい体重、食欲の減少
④不眠
⑤焦って落ち着かない、言動がのろい
⑥疲労感、気力の減退
⑦自分には価値がないという気持ち
⑧思考力、集中力の減退、判断力の低下
⑨希死念慮

これをみると結構あてはまりやすいので、すぐに「自分はうつ病だ」と思う人もいますが、そうとは限りません。

他の心の病気との区別が必要です。

また、身体の病気からうつの症状が出る場合もありますので、その区別も必要です。

ですから、うつ病に限らずメンタルヘルス面のチェック項目に当てはまったからといって、その病気とは限りません。

すぐに○○病と判断するのは注意してください。

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好きになってもらうためのテクニック・・・だといいですね

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

バレンタインデーですね。

バレンタインデーにちなんで、どうやったら人に好意をもたれるか?といった話題を。

よくこういう話題になると心理学の分野で出てくるのが、
「人は自分に似ていると思う人を好きになる」
というものに関連すること。

これについては様々な研究で示されていることです。
心理学やビジネスの教科書によく載っています。

これを応用して・・・

・出身地、趣味、名前、経歴、意見、服装など共通点を探す
この辺りは常識的範囲内のことですよね。
似ているところを猛アピールしてください。

・相手のしぐさ、姿勢をまねる
これはミラーリングというテクニックです。
相手が足を組んだら自分も足を組むとか、腕を組んだら自分も腕を組んでみるとか。
意図がわかるとバカにしているのか!と思われます。

逆に好きではない相手がミラーリングをしているのがわかったら、相手に真似できないポーズをとってみましょう。
多分、色んな意味で諦めてくれます。

・相手の口調、リズム、トーンをまねる
これはペーシングというテクニックです。
落ち込んでいる人に「どうしたの?」と明るい声でいうよりは、その時様子を見ながら話した方が良いですよね。
相手のテンションに合わせるので、自分と全く違うタイプの場合、結構疲れるかもしれません。

どれもある程度コミュニケーション能力があることが前提ですが・・・。

こんなことを利用しながら好意をもってもらえる・・・といいですね。

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脳トレで脳は鍛えられる?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

ちょっと前までブームであった「脳トレ」。

私はやったことはありませんが、「脳が若返る」と思って買った人も多いのではありませんか?

しかし「脳トレ」によって脳が鍛えられるかどうかについては、議論になっています。

海外なんかでは「脳トレは科学的根拠がない」と結論付けている主張が多いようです。

例えば簡単な計算問題をやっていると、計算問題に対して処理速度は速くなっていくのですが、それが脳を鍛えているかどうかは別問題。

簡単な計算問題が早くできるようになったからといって、物忘れが防げるという強い根拠はきちんと示されてはいません。

また、脳トレは「学習療法」として介護施設なんかでお年寄りにやっていることが多いのですが、学習療法をやっている時に介護スタッフが褒めたり働きかけたりしていることなどが影響しているのであって脳トレの要素自体はそれほど重要ではないのでは?という意見もあります。

私はこのあたりの議論についてはそれほど詳しくはないのですが、どちらにしろ日本人の多くが今のところ科学的根拠に乏しい脳トレについて無防備に信じていたように思えます。

それこそ「脳トレはテレビでやっているし、大学の先生が言っているし、売れているから正しいに違いない」と、思いこまされているのかもしれません。

医療・福祉業界の人間であっても、脳トレに疑問を抱かず無条件に受け入れている人が多いです。

個人的には脳トレはやらないよりマシという程度のものかなぁという印象です。
本人が楽しんでやっていれば、何もしないよりは良いのでは?

楽しむということを超えて「脳を鍛える」となっているから問題になるので。
もしかして脳トレをやることではなく、楽しんでやっていることが「脳を鍛える」ことになっていたりして(もちろん科学的根拠はありませんけど)。
でも、脳が鍛えられるという名目がなければやりませんよね・・・。

「脳を鍛える」「脳に良い」と言われているものがたくさんありますが、根拠に乏しいものもたくさんあります。

テレビでやっていたり、専門家が言っていたからといってそれが本当とは限りません。

気をつけましょう。

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埼玉でうつ病の認知行動療法を受ける

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病に対して認知行動療法が有効というのは様々な研究により示されています。

しかし、患者さんがいざ認知行動療法を受けようと思っても、
「近くにいない」
「いるかもしれないが、どこにいけばよいかわからない」

ということをよく聞きます。

このためか、私のところにも遠くから通われて来る方がたくさんいます。

カウンセリングをやっているところはたくさんあると思いますが、認知行動療法をやっているところはあまりないもんです。

臨床心理士であれば認知行動療法をやるか、と言えばそうではありません。
日本では認知行動療法を専門にしている人は少なく、むしろ反感をもっている臨床心理士の方が多いのかもしれません。
「認知行動療法?あ~今はやっているけどね。マニュアル的だし、一部の人にしか効かないよ」といった具合に。

だいたいは認知行動療法への誤解があることが多いです。
「思考記録表に考えを書いていくのが認知行動療法」
「ポジティブな考えに転換するのが認知行動療法」
という誤解を、臨床心理士がしていることをよく聞きます。

臨床心理士は認知行動療法以外の心理療法を専門としている人が多いので。

また、認知行動療法を専門としていない人でも「認知行動療法をやっている」という人もいます。

それはそれでいいのですが、そうするとマニュアル的な認知行動療法になってしまうことが多々あり、うまくいかないと「認知行動療法は合わないみたいですね」と言って、その治療者の好きなカウンセリング法をしてしまっていることをよく聞きます。

現在認知行動療法をとりまく状況はこんな感じなので、しばらくは認知行動療法を受けたいと思っている人にとって、どこで受けたらよいか選択が難しい時期が続くかもしれません。

ホームページを見ても臨床心理士の専門領域がわからないことが多いですしね。

まずは問い合わせをしてみるのが一番だと思います。

ねばり強く探してみてください。

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他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


休みの時は何をします?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今日は土曜日ですが、祝日なのでクリニックはお休みです。

それに伴い、カウンセリングもお休みです。

最近、仕事も研修もない連休というものがないので新鮮な気分でいます。

私はソコソコ活動しておいしいものを食べてゴロゴロするのが好きなので、それだけで連休は過ぎてしまいます。

ただ、これは私が普段働いているのでそのように思うことで、これが毎日では少し悩むかもしれません。

うつ病などで休職している人で、ひどい状態から抜けだした時、生活で何をしてよいかわからないという話をよく聞きます。

朝起きることはできるけれど、何をしていいかわからないからまた寝てしまう、といったパターンに陥りがちです。

周囲から「趣味でもすれば」といわれるが、これまで趣味がなかった、またはやる気になれない。

趣味をする、趣味を見つけるって、結構ハードルが高いんです。

悩んでいる時に見つけようとしても、なかなか見つけられるものでもありません。

むしろ「趣味もない私なんて・・・」と悩んでしまうかもしれません。

ですから趣味というハードルが高いものはやめて、まず日常生活でできるちょっとしたことからはじめましょう。

できれば、お金がかからず、頻繁にやろうとすればやれるものがよいと思います。

多少疲れるけれども「家でゴロゴロするりはマシ」と思えるようなものでもよいかもしれません。

その時に「どうせやっても・・・」と未来を予測する言葉がだいたい頭をよぎります。

何か行動する時は結果を予測は置いておき、まず行動してから考えましょう。

どうしても何をすればよいかわからない時は専門家に相談してみてください。

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自分と似た人が言っていることは正しい?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

前回の記事で書いた社会的証明の原理の続き。

おさらいですが、社会的証明の原理というのは簡単にいうと
「他人の正しいと思っていることを、正しいと思ってしまうこと」
です。

CMなんかで一般の人(らしき)人が、ある商品を使って「すばらしい効果でした」というものを見ませんか?

あれも社会的証明の原理を応用したテクニックです。
他人が使っていて効果があるのだから、あるのかなぁと思うのです。

あと、たくさんお客さんが並んでいるレストランをみると、おいしいに違いないと思いますよね。
並んでいるお客さんがサクラであっても。

結構心理学のテクニックって、良くも悪くもいろんなところで使われているんですよ。

さらに、他人が自分と似ていると思う条件ではさらに原理が強く働きます。

だから口コミ、「体験者の声」というものが、宣伝をする人にとって大事なのです。

前回も書きましたがこの原理は、不確かな状況に対しても強く働きます。

ということは、悩んでいる時は気をつけなければいけません。

「同じように悩んでいる人たちはどうしているのかなぁ」と思って、インターネットで情報を知ろうとするわけです。

そうすると「体験者の声」があり、
「薬を飲んでもカウンセリングを受けても治らなかったうつ病が、たった2つのことをするだけで治ってしまったんです」
「このブレスレットをつけるだけで、みるみる良いことが起こってきたんです」
といったことが書いてあります。

自分でどうしてよいかわからない時は社会的証明の原理が働きますので、こういうのに引っかかってしまいそうになります。

このため、どうしてよいかわからない時に、自分と似てるかなと思った人の・・・
・体験者の声
・口コミ
・街頭インタビュー
・○○ランキング

を見たら、社会的証明の原理が働いていないか意識してください。

必ずしも口コミが悪いわけではありませんが、悪用されていることも多いので、悩んでいる人は注意しましょう。

でも・・・CMや広告ってこんなのばかりなような。
みんな考えることは一緒なんですね。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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笑いは作られているのかも

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

バラエティ番組を見ていると、笑い声がはいりますよね。

あれって本物の笑い声ではないこともある、ということは多くの人が知っています。
そういう笑いが嫌という人がたくさんいると思います。

それでもなぜ使うのでしょうか。

これについてはきちんと心理学的実験があって、笑い声を使用することで
・笑いの回数・笑いの時間が長くなる
・面白かったと評価する

という結果が出ています。

また、面白くないネタの時に使うと効果が大きくなる、という結果も出ています。

例えこのことを知っていても、結構人間は影響されてしまうのです。

なぜかというと、これは社会的証明の原理というものがあるから。

社会的証明の原理というのは、周囲の人の行動を見て自分がどうやってふるまったら良いかを決める、というもの。
要は人が正しいと思っていることを正しいと思ってしまうとか、「みんながやっているから正しいと思う」ということ。

判断基準に自信がなかったり、不確かなことである時は、原理が強く働きます。

人が笑っていると、面白いものと判断してしてしまうのです。
それが作られた笑いであっても。

結構マスメディアなんかでは使われていて「自分はそんな原理に影響されていない」と思う人でも、まず影響されています。
人って自分で判断しているつもりでも、人に左右されている生き物なんですね。

時々「人が面白いと思っているものを面白いと思えない」と言って「自分は変ではないか」と悩んでいる人がいます。
もしかしたら、それは自分がおかしいのではなく、周囲が流されているだけかもしれませんね。

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