「 摂食障害 」一覧

過食と拒食と認知行動療法と対人関係療法

臨床心理士の鈴木です。

過食症や拒食症の方がこられると、対人関係療法をしてほしいと言われることが多いです。
もちろん希望されれば対人関係療法を実施します。

対人関係療法の他に認知行動療法を聞いたことがある人もすくなくありません。
ただ、認知行動療法というと、特に入院経験者は「行動制限させられるのでは」「考え方を変えるようにいわれるのでは」「体重管理をさせられるのでは」「バランスよく食べましょうという教育」という先入観があり、抵抗があるようです。
認知行動療法への誤解の一つかと。

私のところは外来のみですので行動制限することはありません。
またマイナス思考をプラス思考にするのが認知行動療法ではないので、無理やり考え方をかえるようなこともしません。
無理やり体重計に乗せて体重管理をすることもりません。
バランスよく食べることは重要ですが、それができないから困っているのでそこはカウンセリングの中心にはしません。
ご安心下さい。

過食症は過食をすることで精神的なバランスを保っている部分があります。
それを「過食しなければよい」と思い、過食を我慢してもストレスとなりますし、我慢できずに過食してもストレスとなります。
何を食べたか、カロリーはどれくらいか、体重は何キロか、見た目はどうか、人からどのように思われているかといったことばかり考えます。
そうするとさらに不安定になり過食がひどくなるという悪循環。
そのような状態を人には言えず、仮に言ったとしても他人には理解されず孤独感に悩まされる。
気持ちも休まりません。

このようにして自分の行動が過食中心となり、生活の大部分を占めてしまいます。
自分が本来送りたかった生活から遠のいていくのです。

「今日もまた過食をしてしまうのか」という悩みから開放されることは心地よいものです。
認知行動療法や対人関係療法はそのような悩みからの解放して、「こうありたい」と思っている生活が送れるようにお手伝いする方法でもあります。
「もう良くならないでは」とあきらめず、ご相談ください。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。


対人関係療法と専門家

臨床心理士の鈴木です。

先日、対人関係療法の勉強会に行ってきました。

いつものようにこじんまりしていますが、対人関係療法で有名な某先生を囲んでの勉強会で大変充実していました。
年齢層も高く(・・・ような)、中堅以上の精神科医や臨床心理士が勉強会に参加している印象です。

対人関係療法は本だけみるとただただ気持ちを伝えましょう、というイメージをもたれがちですが、そうではなく非常に広範囲なことをアセスメントし、戦略として用いています。

過食症やうつの方にはお勧めのやり方の一つかもしれません。
ただ、患者さんが本を読み一人でやるにはやや難しいような気がします。
やはり専門家のもとでやった方が良いでしょう。

対人関係療法の定期的な勉強会はこの勉強会以外ではあまりされていないはずですが、インターネットをみると「対人関係療法の第一人者」と書いてある「誰?」という人も時々見かけます。
また某有名先生の「弟子」と自称している「誰?」という人も。
もちろん私が知らない人もたくさんいると思いますが、経歴などをみると違うだろうなぁと。

認知行動療法もそうですが、対人関係療法の正確な情報が広がっていくのも時間がかかりそうです。

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摂食障害の治療方法とインターネットサイト

臨床心理士の鈴木です。

最近インターネットを使って調べ物をしていました。
精神的な病気についてネットで調べようとすると、様々な情報があふれていますね。
そこで気になったことがいくつかありました。
今回は摂食障害のサイトについて少しお話します。

摂食障害のサイトなんかで多いのは
「摂食障害は過去の親子関係が原因となっており、そのトラウマが癒されることで治る」
という、根拠に乏しいフレーズ。
ネットや書籍でかなり広まっている説です。
「自分にあてはまる」と思わせるようなエピソードを載せるため信じてしまう方も多いでしょう。
しかし、正確な情報を言いますと過去の親子関係が原因である根拠もありませんし、そのトラウマが癒されれば治るという根拠もありません。

私なんかはそこに「催眠」「前世療法」などと書いてあったら、なおさら怪しく感じてしまう。
皆さんもカウンセラーのプロフィールをみると臨床心理士ではないことに気づくと思います。

一番まずいのは「過去の親子関係が原因」と言って、「親に謝ってもらう」ことが治療としているパターン。
両親との関係が悪化して、「わかってもらえない」という結果に。
または両親から「悪かった」と言われて一時的にすっきりしても、現実は何も変わらないという結果。
そうなると「まだ私の傷は癒えていない」という悪循環。

さらに「認知行動療法や対人関係療法やってます」と書いてあると「?」と思う。
認知行動療法も対人関係療法も「過去の親子関係が原因」「親に謝ってもらわなくてはいけない」とはしていません。
治療者がどちらの療法にも精通していない証拠でしょう。

例え実際に親子関係のトラウマがあったとしても、過去は変えられません。
過去をなんとかしようとすることはさらに過去にしばられることになります。
変えられるのは「今」です。
「今」を変えられれば「今」感じられる「過去」への思いも変えられることはあるかもしれません。

過食症や拒食症で悩んでいる方はたくさんいらっしゃって、藁をもつかむおもいで治療方法を探しているものです。
治療法について正確な情報が伝わるようになれば良いのですが・・・。

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摂食障害と本

臨床心理士の鈴木です。

この間の日曜日は朝から夕方まで対人関係療法の勉強会が都内でありました。
対人関係療法は、認知行動療法とともに、うつ病や過食症に効果的であるというデータが出ているカウンセリングの方法です。

約20人程度のこじんまりとした、事例検討会。

何回か行っていると、同じような面子がチラホラ。

この勉強会のために、関西や大阪の方からも、わざわざきています。

それもそのはず。

対人関係療法の事例検討会は、ほとんどやっているところがありません。
日本ではまだまだ新しい心理療法です。

中身も濃い。
変な勉強会に行くよりもずっと役に立ちます。

対人関係療法の中に行動療法を取り入れているものなど、そんなものがあったのかというものまでありました。

摂食障害やうつ病で悩んでいる方は、認知行動療法や対人関係療法を受けてみることをお勧めしています。
摂食障害の場合は、全く根拠のない理屈が書いてある本なども多々あります。
このため必要に応じてですがカウンセリングの中でお勧めの書籍なども紹介しています。
本を読んでポイントとつかむだけで、症状が改善していく場合もありますよ。

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食欲のコントロール

臨床心理士の鈴木です。

わかりにくいと思いますが、先日行った焼肉屋さんの画像です。

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さいたま市内にあるこの焼肉屋さん。
非常においしい。
高級焼肉屋さんでおいしいのは当たり前ですが、手ごろな値段でこれくらいの味のお肉をだすところはそれほど多くはありません。

ついつい食べすぎてしまいました。
これは4月の健康診断気をつけなければ・・・。

ところで過食症もダイエットも食生活全般にそうですが、食べ物をコントロールしようとしてもほとんどうまくいきません。

「過食をしないようにする」
「バランスの良い食事をする」

こんなことは、頭ではわかっているものです。
知識だけあっても、ほとんどの人は継続が難しいでしょう。
継続しないと専門家から「やる気がない」「心が弱い」とレッテルを貼られることもあります。
そのような相談機関には行かないほうが良いでしょう。
実際のところは、食事以外のところからコントロールして行くことが重要だったりするのです。

厚生労働省からはメタボ対策などで「特定保健指導」なんてものも出されています。

これまでの健康指導は「教えること」が中心でした。
しかし、それが知識としてあったとしても、実施され継続されなければ意味がありません。
ここのところが、これまでの健康教育で不備のあるところでした。
つまり「教えっぱなし」。

こんなことから「どうしたら継続できるか」「意欲がでるか」ということが重要視されてきました。
そこで役に立つのが実は行動療法です。

実際に厚生労働省が出しているプログラムにも行動療法を取り入れることが提示されています。
しかし、このブログでも以前書いたように、日本ではカウンセラーでさえ行動療法を学ぶ機会は少ないのが現状です。
ましてや主に健康指導をしている保健師、栄養士の方なんかは、行動療法を学ぶ機会は皆無に近いのでは。
ということは、国をあげてなんとかしようとしている標準的なプログラムが提供できていないはずです。
知り合いの保健師何人かにきいても「行動療法?知らない。効くの?」と懐疑的なことを言われることも多いです。

それでも行動療法の勉強会に行くと、行動療法技術を学ぼうとする、看護師さんや保健師、栄養士さんも見受けられるようになってきました。
これからは健康指導する専門家の腕の差が広がっていくんじゃないかと思います。

ちなみに私のカウンセリングでも過食嘔吐など、食事コントロールについての治療もしております。

過食症、うつと不安のカウンセリングご希望の方は
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過食症に効果のあるカウンセリング

臨床心理士の鈴木です。

最近になり、過食症で悩まれている方が増えてきました。
だいたいは10代~30代の女性です。

相談に来た方にこれまでどんな治療を受けてきたかをうかがうと、ほとんど治療的根拠のない理屈を教えられていることがほとんどです。

さらに認知行動療法や対人関係療法に対して
「表面上だけ変わるだけだからすぐに再発するし、治らない。根本的なことを治さなければならない」
「さらに悪化する」
と、医師やカウンセラーからも言われていることがあるようです。

そのようなことを言う医師やカウンセラーは、専門家として明らかに勉強不足であると言えるでしょう。
認知行動療法や対人関係療法を受けることによって「悪化する」という根拠はありませんし、「再発率が高い」という根拠もありません。
逆に過食症だけでなく、様々な分野で治療的効果が示されており、再発率を低くするというデータが出ています。

ただ、一般の方からすれば相談している医師やカウンセラーに言われれば、「そうかな」と思ってしまうでしょう。
そして、回復が遅れてしまいます。
適切な治療を受けるためには、患者さんが効果が示されている治療法について知識を持ち、そのような治療者を選ぶことが必要となってきます。
日本では医療機関に行けば、現時点で有効とされている方法が受けられるとは限らないのです。

このようなことが重なっているため、きちんと世界的に治療的効果が認められている方法を知ってもらおうと、過食症についてもカウンセリングを実施していることを大々的にアピールすることにしました。
詳しくは、浦和すずのきクリニックのホームページにある「過食症のカウンセリング」をご覧ください。

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過食症の精神療法

臨床心理士の鈴木です。

今日は朝から夕方まで都内某所で勉強会でした。
早く到着したため、朝からランチの場所を探しウロウロしてました。

そのうち朝早くからやっている、たい焼き屋さんを発見。
朝から買う人はいるのだろうか・・・。
おやつに食べたいような・・・と葛藤しましたが、誘惑に打ち勝ち会場へ。

いつも思うのですが、この勉強会は年齢層が高いような気がします。
私が若手の方になっている感じです・・・多分。

今回は対人関係療法の勉強会で「過食症」についてでした。

対人関係療法は認知行動療法とともに、現在のところ過食症に対して効果が認められている方法です。
今のところは過食症についてはこの二つの方法以外で効果が認められている精神療法はなかったかと思います。

様々な書籍やサイトを見ると、「過食症は親の愛情不足によるもの」「心の傷によるもの」「アダルトチルドレン」「共依存」が原因と書いてあるものが多いのですが、そのような根拠はありませんし、そのようなアプローチが有効であるという根拠もありません。
残念ながらそんな根拠のないアプローチを実施するカウンセラーもかなりの数がいます。

過食症の方もそのご家族も、良くなるためには治療法に対して正しい知識をもつことが必要です。

もし、過食症の方で、そのようなカウンセリングを受けていて良くなっていないのであれば、認知行動療法や対人関係療法をしている機関を探すことを強くお勧めします。
もちろん、これから治療機関を探す方は、最初から認知行動療法か対人関係療法を実施している機関を強くお勧めします。

今回の勉強会もこじんまりとしていました。
しかも意外に臨床心理士が少なかったのが印象的でした。
欧米では効果が認められていても、日本での認知度は低いようです。
それでも最近になって対人関係療法が厚生労働科学研究に参加できるようになったとのことです。

私は認知行動療法が主ですが、うつや過食症の方に対しては対人関係療法を実施することもあります。
実施している機関が認知行動療法以上に少ないので、対人関係療法を受けるために遠方から来る方や、対人関係療法の専門機関から紹介されてくる方もいます。
早く対人関係療法が普及して過食症の方に役に立ってほしい。

過食症の方、そのご家族も、是非ご相談ください。

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