浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
「嫌な人が頭に思い浮かんだら、その時やっていたことをやり直す」
「嫌な人の触ったものを触ったら手を洗う」
ってタイプの強迫性障害の人がいます。
このタイプの治し方について紹介します。
やってしまえば、どんなに長い間悩んでいる人でも、良くなる可能性がかなり上がります。
悩んでいる人は実践してみてください。
埼玉県さいたま市にある浦和すずのきクリニック(精神科・心療内科)のカウンセラー(臨床心理士)がうつ病、パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、摂食障害(過食症)、認知行動療法の情報と日々の活動を書きます
浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
「嫌な人が頭に思い浮かんだら、その時やっていたことをやり直す」
「嫌な人の触ったものを触ったら手を洗う」
ってタイプの強迫性障害の人がいます。
このタイプの治し方について紹介します。
やってしまえば、どんなに長い間悩んでいる人でも、良くなる可能性がかなり上がります。
悩んでいる人は実践してみてください。
浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
強迫性障害で悩んでいる人は多いです。
私のカウンセリングを受けている中では一番多い病気です。
自分は強迫性障害なのかなぁって迷うことありませんか?
診断は病院でお医者さんがやるものですが、自分でもある程度チェックしておきたいですよね。
今回はDSM-5という診断基準をもとに強迫性障害について説明していきます。
浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
ドアノブを触ると「病気になってしまうのでは」
鍵をかけても「鍵が開いているのでは」
と考えて、何度も手を洗ったり、鍵の確認したりするのが強迫性障害。
この時の「病気になってしまう」「鍵が開いているかも」など浮かんでくる考えを「強迫観念」と言います。
強迫性障害を治すためには強迫観念をどう扱うかがポイントです。
間違った対応をすると、なかなかよくなりません。
今回は強迫観念への対応でよくある間違いと、対処方法について紹介します。
浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
不潔強迫は自宅をきれいにしておきたいため、帰宅したときに強迫行為からはいることが多いです。
帰宅したらすぐに入浴するとか。
強迫行為をやめていかないとなかなかよくなりません。
しかし、どこをどのようにやめていけばよいのかわからない人も多いでしょう。
自分や一般的な基準で何をするかしないかを決めると強迫はよくなりません。
帰宅した時にやめるべき行動を3つ挙げます
不潔強迫の人はこれらをやめるよう実践してみてください。
帰宅したら手洗いしたり、入浴したりする。
外は汚い、自宅はキレイってイメージがあるんですよね。
自宅をキレイにしておくために手洗いと入浴してしまいます。
「帰宅したら手洗いってフツウじゃないの?」って思うでしょう。
フツウの人でもやっているから、やっても構わないのでは?と。
しかし、強迫じゃない人は手洗いしなくても、やろうと思えばできます。
強迫の人は手洗いしない時の恐怖が強すぎてやろうとしてもできません。
ですからフツウかどうかは関係なく帰宅時の手洗いや入浴はしないようにしましょう。
もちろん、ウェットティッシュやアルコールスプレーもダメですよ。
帰宅したら部屋着に着替え。
不潔恐怖の人はやっちゃダメなんです。
これも「着替えはフツウじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし手洗いと同様、着替えなくても自宅にはいっていろいろできるのに対し、不潔恐怖症の人は着替えずに他の部屋にはいることができません。
外からエアコンの業者とか来てズカズカ入られるのが嫌ではありませんか?
着替えずにそのまま室内に入ることが必要です。
外で使ったバッグや小物を部屋に持ち込むのが怖いため、置き場の専用スペースをつくっていませんか?
またバッグや小物を拭いたり、洗ったりしていませんか?
中にはお金や財布まで水洗いしてしまう人もいます。
当然これもやめなければいけません。
「昔から帰宅したらすぐに入浴してたし、着替えもしてたけど、やめないとダメなの?昔はそんなことしていなくても強迫になってなかったし」
と思う人もいるでしょう。
以前の習慣でやっていたとしても強迫の治療のためには入浴や着替えをやめることは必要です。
治すためと思って割り切ってやりましょう。
こちらの記事も参考にしてください。
強迫性障害のワナ フツウの人くらいの時間で確認や手洗いをする方法
カウンセラーなどに相談した時に「帰宅した後の手洗いくらいは私もやっているし、みんなやっているしやってもいいんですよ」など言われることもあるようです。
専門家からいわれると「それでいいんだ」と思ってしまうでしょう。
はっきり言ってしまうと、間違った指導法なんですよ。
強迫性障害への対処法はカウンセラーや精神科医の中でも、きちんと知らない人が多いのです。
改善しないか、改善したとしてもある程度で止まっている状態になり「付き合っていくしかないか」とあきらめる結果となりかねません。
どんな治療者を選ぶかで、良くなるかどうかが変わってきます。
玄関先で手洗いなどを止めたら、キレイにしておきた場所をどんどん「汚して」いきましょう。
ベッドやソファ、自分が大切にしているもの。
キレイと汚いの境目をなくしていくと不潔恐怖が小さくなってきます。
詳しい治し方はこちらを参考にしてください。
不潔恐怖の治し方 3つのステップとコツ
うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。
浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
鍵やガスを何度も見ても記憶に残らないで不安、ってことは強迫性障害ではよくあります。
確認しても「さっきのは見間違いでは」「ちゃんと見ていなかったのでは」となりますよね。
記憶がないので、じーっと見つめたり、指さし確認したり。
何十分とやって中には外に出られなくなる人もいます。
いくら記憶に残そうとしても安心できないのですよ。
では、どうすればよいのでしょうか?
今回は何度も確認しても記憶に残らない確認強迫の対応について。
浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
強迫性障害は認知行動療法が一番有効です。
ここでよくある質問
「病気になってから何年もたっています。長い間病気になっていると治りにくいのでしょうか」
答えはNOです。
強迫性障害の認知行動療法は何年、何十年と悩んでいる人でも有効であることがわかっています。
あんまり悩んでいた時間って関係ないのですよ。
あと、重症度が高くても有効です。
だから強迫性障害の人には希望をもってもらいたいですね。
そもそも認知行動療法にたどりつくまでに、ものすご~く時間がかかっている人の方が多いです。
病院を受診するまでに何年もかかり、薬を飲んでから何年もかかり、なかなか良くならなずやっとたどりつくって感じです。
ですから私のところにくる人は病気になってからだいたい数年~数十年たっています。
それでもやってもらえれば、良くなっています。
もっと早くきてもらえると、もっと早くよくなるので、強迫性障害であれば最初から認知行動療法を治療の選択肢に入れた方がよいです。
実際に30年間強迫性障害で悩んでいた方が良くなっていった事例をブログで書きました。
・30年強迫で悩んだけれど一ヶ月で克服
認知行動療法は不安に直面する方法なので、自分自身のやる気が必要です。
誰かにやらされてできるものではありません。
しかし、やる気さえあれば十分よくなっていく可能性はあります。
何年悩んでいても、あきらめずに治療していきましょう。
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不潔強迫の人は洗濯で悩むことがあります。
「洗剤をいれたかどうか」を何度も確認したり、洗濯をしたあと何かに触れると洗い直したり。
洗濯に何時間もかかっていることもあります。
洗濯に時間がかかっている不潔強迫の対処はどうしていけばよいのかについて書きます。
洗濯物が汚れるのが嫌ではないですか?
「一回の洗濯にで終わらそう」「洗剤をいれたかの確認を減らそう」
このような方針を立てがちです。
大事なことではありますが、そのような方針だけではうまくいきません。
強迫行為をしないようにしているだけで、不安なことに直面できていないから。
「不安に直面していない?洗濯を一回で終わらせるのが不安なんだけど」と疑問に思いません?
よーく考えてください。
洗濯を一回で終わらせるのが不安ではないハズです。
きちんと洗濯物が洗えていない、汚れがついているのが不安なのです。
不潔強迫の基本の治し方は、不安なものに触れ、キレイにしておきたい場所に広げ、キレイにしようとしないこと、です。
汚れに慣れる練習をします。
人にもよりますが、多くの人は洗濯物が汚れた感覚があると不安です。
その不安に挑戦することが必要でしょう。
このため洗濯物を汚すようなことをしていきます。
洗濯物を触る時に手洗いをしてからやっている人がいますが、それはやめます。
床など自分が汚いと思っているものを触り、洗濯物を干したり、たたんだりしましょう。
洗濯をしても汚いと思える状態にしてしまうのです。
そうすることで何度洗濯をしてもムダってことになるので、洗濯をする回数が減ってきます。
頭の中で「大丈夫だ。汚くない」と安心させてはいけません。
安心させるのも強迫行為です。
汚れがどんどん広がっていくイメージをしましょう。
汚れたと思っている洋服はキレイと思っている洋服と一緒にします。
「全て汚れている」と思えるようになってくると良くなりますよー。
不潔強迫系の治し方はこちらの記事にまとめているので参考にしてください。
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強迫性障害の加害強迫は「人に危害を加えるのでは」と不安になる症状です。
道を歩いていると「転ばせたのではないか」と考えて何度も振りかえる。
車で「誰かひいたのではないか」と考え、同じ道に戻るとか。
基本的な克服方法は自分が不安で避けてきたことをあえてやることです。
あえて道の真ん中を手を大きく振って歩いて振り返らずそのまま歩く練習なんかをよくします。
ここでよくある疑問。
「病気を治すために人を危険にさらすことってどうかと思うんです」
本人にとっては不安に挑戦することが危険行為になっているのです。
この質問の発想自体が強迫性障害側の主張なんですね。
道の真ん中で手を振って歩くのを「危険」って判断しているので。
強迫じゃない人であればそのような発想はないですし、あっても「まぁそんなことあるかもしれないけれど・・・」となります。
ところが強迫の人は0.001%でも可能性があると判断すると「危険」と判断して、動けなくなるんです。
よく「本当に何かあったらどうすればいいんですか?」と対処法を他人に求めるのも強迫の特徴です。
「何かあっても安心って保証をしてくれ」っていっているんです。
安心を求めているので、この質問自体が強迫行為なんですよね。
100%の安心を得ることなんてできないので、永遠に不安のままです。
飛行機が怖い人に「飛行機が墜落しないって保証してください」っていわれても、そんなことできないと同じ。
加害強迫は不安が過度になっている状態といえます。
治療は過度な不安をとっていくこと。
「確認しなくても何も起こらなかった」って頭で理解することではありません。
いろんな可能性があることを受け入れ、フツウに過ごすことが治療となります。
安全か危険と白黒つけようとすると強迫は悪化します。
グレーの部分を受け入れて生活していきましょう。
「そんなことなかなかできない」って人は、相談に来てくださいね。
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強迫性障害のタイプで不完全恐怖があります。
こんな症状。
・家具が少しでもズレていると嫌
・本がきっちり順番通りになっていないと嫌
・言葉の定義にこだわる
・ネットで調べて、最初調べていたのとは関係のないところまで調べる
・医師やカウンセラーの言っていることを正確に理解しているか、自分の言っていることが正確に伝わっているかをしつこく確認
・歯磨きや着替えを自分の思う通りに完璧に行えているか
・きちんとお金を払ったかどうか不安になり「さっき払いましたよね」と確認する
・相手が自分の思った通りの反応をしないと、100%納得いく反応をするまで何度も言わせる
・途中で話しかけられるなど雑音がはいるとやり直し
お薬がなかなか効かなって人多いんですよ。
そりゃそうで、強迫に対しては半分の人はあまり薬が効きません。
ですから、薬以外の治療法である認知行動療法をやる必要があります。
そもそも認知行動療法の方が薬よりも治療効果は高いですし。
強迫性障害の治療方法の比較についてはこちらの記事をご覧ください。
・強迫性障害はどれくらいよくなるの?薬と認知行動療法の比較
モヤモヤさせるのが治療
不完全恐怖は100%のスッキリ感をもとめています。
中途半端にすると、ものすごく嫌ですよね。
その中途半端な嫌な感覚に慣れていくことが治療となります。
以下の3つのことをしてみましょう。
1.スッキリしない、モヤモヤした嫌な感覚になるようなことをする
どうすればスッキリしない感覚になるか考えてみましょう。
例:
・本を順番通りに並べないと気が済まない人はグチャグチャにしてみる
・入浴の時に体を洗う順番が決まっているのであればワザと違う順番でやってみる
・支払いの時にきちんと払ったか不安で確認していた人は、確認せずにそのまま支払いをする
ちょっと極端かなぁって思うことをやっていくといいです。
ここを間違うとあまり効果のない治療となります。
医療機関に行っている人でも適切でない指導を受けていることが多いです。
この辺りは専門家と相談しながらやらないとわかりにくいかもしれません。
2.強迫行為をしない
これまでやってきたスッキリするようなことをしなければよいです。
繰り返し行動や確認をしている人はそれをやらないとか。
ただし、強迫行為をしないというよりは1のモヤモヤすることをしていくことが大切です。
〇〇しない、って目標設定をしないようにしてください。
こちらの記事に詳しく書きました。
・強迫行為を我慢するだけでは克服できない
3.嫌な感覚を持ちつつ日常生活を続ける
嫌な感覚を起こしたらそのまま行動を続けます。
すっきりしないまま、モヤモヤしながら生活をしていきましょう。
我慢できないといって途中でやめると、我慢していた分もっとやりたくなるので、注意しましょう。
まとめ
1~3をやっていけば良くなってきます。
一人でやるとわからないことや間違ってやっていることが多いのです。
できるだけ相談しながらすすめて下さい。
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浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
強迫性障害の人で
「手洗いしない」
「確認しない」
「気にしない」
こんな目標設定を立てて練習をしていませんか?
これはこれで大事ですが、不十分です。
なかなかよくならないでしょう。
その理由について書いてみました。
あえて不安なことをすることが大事
強迫性障害の治療でやることは大きく2つ。
1.不安なことに十分さらされて怖さに慣らしていく
2.不安を下げようとする行動(強迫行為を)をしない。
多くの人は2ばかりやっているのです。
1を必ずやる必要があります。
忘れがちですよね。
「汚いと思っているものに触って手洗いをしない」
「バッグをわざとあけて、カードを落としたと思っ確認せずに外出する」
「不吉だと思っている行動をする」
このように不安なことを「あえて」自分でやって、強迫行為をしないようにするとよいのです。
行動だけでなく、頭の中で考えることも不安なことをやっていきましょう。
「あえて」がポイント。
「いつも不安なだからあえてやる必要はないのでは?」と考えるかもしれません。
受け身で不安をやり過ごすのでは、なかなか不安慣れていかないのです。
単なる我慢になってません?
「あ〜、また不安になっちゃった」って。
そこを積極的に自分からあえて不安なことにつっこんでいくことで、「慣れ」が出てくるのです。
「〜しない」ではなく「〜する」
といっても、ついつい「〜しない」とやりがち。
これを防ぐ簡単な方法があります。
「〜(怖いこと)をする」と必ず付け加えるとよいです。
「不吉な数字を書く」
「手すりに触る」
「車にのってひいてしまったと考える」
「しっくりとこないやり方(具体的にしましょう)をする」
1がイメージしにくい人は「何をやったら不安が強くなるか」と考えてみましょう。
行動することかもしれないし、何かを考えることかもしれません。
おそらく1はやりたくない人が多でしょう。
不安で仕方ないですからね。
しかし、そこを避けていることが強迫性障害をひどくしているのです。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるから。
手洗いや確認、強迫行為をしないだけではよくなりません。
不安なことをやり続けることを意識すれば自然に強迫行為をやらずにすみます。
例えば汚いものにずっと触り続けていたら手を洗えませんよね。
不安なことから逃げず、むしろ積極的にやっていくことで病気はよくなります。
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