「 強迫性障害 」一覧

強迫性障害と改善に向けての練習方法の注意点

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の人が書籍などを読み独学で行動療法を学び、苦手な場面を練習する時。

例えば、不潔が怖い人が汚いと思うものに、ちょっとだけ触ってその後手を洗っているケースがあります。
「練習したのによくならなかった」と言います。

まず不安な場面に直面する時間が足りません。
ちょっとやるだけではほとんど不安は変わらないでしょう。
むしろ嫌な思いだけが残りさらに嫌になるかもしれません。

あと、触った後に手を洗っては練習になりません。
結局は強迫行為をしているのですから。

「これくらいはいいだろう」
と思ってやっているとうまくいかないか、途中で改善が止まるでしょう。

ただただ嫌なことをするのが行動療法はありません。

こんな感じで自分なりに練習しているつもりでも、練習になっていない場合があります。
練習の仕方が大事なので、事前にきちんとしたやり方を学び、綿密な計画を立てた上で練習しましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています


強迫性障害と行動療法

臨床心理士の鈴木です。

最近カウンセリングに来る人の割合が多いのは、うつ病の次が強迫性障害です。

ほとんどの人が行動療法を受けるためにきます。

また多くの人が他院に通院してお薬は他でもらい、カウンセリングだけ受けにきます。
県外から来る人も少なくありません。

それほど行動療法をやっているところが少ない、というのが現状でしょう。

他で「行動療法をやってきた」という人もいますが、どうしても臨床心理士が行動療法に慣れていない人も多いので、治療が甘くなりがちです。
「行動療法やってるんだけど、良くなった経験がないんですよ。行動療法って本当にきくの?」と臨床心理士から質問されたこともありました。
他で行動療法を受けていたけどあまり良くならないので私のカウンセリングにきたという人も多いです。

何度も書いていますが、行動療法やると強迫性障害の方は少なくとも日常生活に支障がないレベルにまで結構な割合で良くなっていきます。
日本でも外国でも治療的効果があるということが研究で確かめられています(もちろん100%よくなるという意味ではありません)。
しかし、行動療法を受けるまで何年~十数年経っている方も少なくありません。

早めの治療を心がけて、強迫性障害に囚われない生活を取り戻しましょう。

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強迫行為をやめるための準備体操-儀式の一部を変える

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の人で、なかなか繰り返し行為等「儀式」がやめられない時。

もちろんやめてもらう練習をするのが一番ですが、その勇気がない時「やめる準備のためのエクササイズ」についてまずやってみてはいかがですか?

今回は儀式の一部を変えるエクササイズ。

・場所を変えてみる
いつも同じ場所で儀式をしているのなら、別の場所でやってみる

・いつも使っているのとは別のものを使ってみる
いつも同じシャンプーで何回も洗っているなら、別のシャンプーを使ってみる

・順番を変えてみる
腕から洗っているのなら足から洗ってみる

・姿勢を変えてみる
いつも儀式を立ってやっているのなら座ってやってみる

よくみるとバカバカしくも感じるかもしれませんが、これが大切です。
あまり固く考えると行動できなくなります。
何回かやってみましょう。

「こんなんで良くなるのかなぁ」
と思ってやらなければ、またいつもと同じ儀式が始まるだけです。

これだけで強迫行為がやめられるわけではありませんが、変化する場合があります。

いつもと違った完璧でもないことをしてもなんとなく大丈夫と感じると、行動パターンが柔軟になっていきます。

それが強迫行為をやめることにつながるものです。

とりあえず行動してみることが大事。

こんな感じで徐々に行動療法をやっていく場合もありますよ。

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強迫性障害の家族の対応②

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の家族や周囲の対応については、以前の記事でも少し書きましたが書き足しです。

本人の確認要求に応じていると症状が維持・悪化されていく可能性があります。

例えば、
①玄関のドアを閉めたかどうか気になる人に対して
閉まっているから大丈夫だよ」

②何度も手を洗う人に「もうキレイになったかな」と聞かれ
「もう十分キレイになっているから」

③「誰かにぶつかったかどうか」と聞かれ
「ぶつかってないよ」

④ある行動をした後に「何か恐ろしいことがおこるかも」と言われ
「何も起こらないよ~」

と、常識的な対応をしてしまうのがまずいのです。

こんな風に家族や周囲が対応していると、本人がその度に周囲に確認するようになります。
周囲を巻き込んでしまっていることで罪悪感を抱く人もいます。
そうしていくうちに結果として本人が苦しくなるのです。

このため治療には周囲の協力が必要であることも多いのです。

かといって、ただただ「あなたの要求には応じないよ」と言うだけではいけませんよ。
本人と話し合いながら合意の上でやっていくことが望ましいでしょう。

本人が了解があればご家族がカウンセリングに一緒に来ることは構いません。
一緒に協力して取り組んでいきましょう。

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強迫性障害のカウンセリングはどんなことをするのか?

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害のカウンセリングはどんなことをするのか?について。

私のカウンセリングでは強迫性障害の方には行動療法を行っています。
行動療法が他の治療法と比べて治療成績が良いと言われているもありますが、実際にやっていて良くなっている人をたくさん経験しています。

最近ではうつ病の次に強迫性障害の患者さんが多くなりました。
行動療法をやっているところが少ないため他の病院からの紹介で来る方も少なくありません。
皆さんお薬を飲んでも何年もよくならずどこかで限界を感じ、行動療法を受けにくるようです。

それではどんなことをするのか。

1.強迫性障害がどのようにして維持されているかを説明します。

2.どうすればよくなってくかについて説明します。
書籍などで行動療法を知った人が多いと思いますが、だいたいは行動療法に誤解をしていますので、ここできっちり説明します。
ご家族が一緒にいらっしゃれば、ご家族がどのような対応をすれば良いかについても説明します。

3.不安場面についてリストアップします。
自分では気づかない強迫行為も結構あるものです。

4.不安場面での実践をします
理屈だけを知っても治ることはありません。
カウンセリング中、練習することもあります。
かといって、無理やり嫌なことをさせることはありません。
自宅でも練習できるように、実践での心持や行動の仕方などのコツについて説明します。
自宅等で実践してもらい、うまくいかなければ、その要因を分析して対処方法をアドバイスします。

簡単に書きましたので「単純だなぁ。こんなんで治るのかなぁ」と感じる人もいると思います。
やってみるとわかりますが結構奥深いというか、単純ではありません。
ただ、続けてもらうと良くなっていく人が多いです。

悩んでいるよりもまず行動療法を実践していきましょう!

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強迫観念への対処方法

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害には行動療法が有効であることを知っている人は多いでしょう。

しかし前にも書きましたが、自分一人で行動療法をやっても良いのですが、すぐに行き詰ります。

その要因の一つかもしれないのは、強迫観念の扱い方です。

「鍵をかけ忘れたのでは」という強迫観念があった時はどうしていますか?
「さっき鍵をかけたから大丈夫だろう、と思いこもう」としても、だいたい「やっぱり不安」と失敗しませんか?

「バイ菌がついているようで何度も手を洗わないと気が済まない」という強迫観念に「そんなに洗わなくても平気だ、バイ菌はそれほど問題ない、と思いこもう」としても、「万が一とういうことがあるし・・・」となっていませんか?

実は強迫観念に「常識」で立ち向かおうとしてもムダなのです。
さらにいうのならば強迫観念と闘ったり、抵抗したり、分析したり、説得しようとすることは逆効果です。

強迫観念と闘っている間って何について考えていますか・・・?
強迫観念ですよね。
つまり、強迫観念に抗うやり方はさらに苦痛を大きくさせているのです。

では、強迫観念に抗うのをやめたらよいか?ということになります。
実際には「受け入れていく」という作業をします。
考えを受け入れ「強迫観念があっても大丈夫」を目指すと良い方向にいきます。

しかし「そうか。抵抗せずに受け入れればいいんだ」と思って、強迫観念を受け入れ、すぐに「治りました」という人はもちろんいません。
そもそも「受け入れるって?」ということもわかりにくい概念ですし。
このため理屈ではなく、実践の中で「受け入れる」方法を少しずつ練習していく必要があります。
それが強迫性障害を克服していく一歩となります。

「やっぱり受け入れるってどういうことかわからない」と思ったり、一人でやっていて行き詰ったら、行動療法の専門家に相談しましょう。

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強迫性障害と囚われる時間

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害には行動療法が世界的にもスタンダードな治療法ですし、治療において第一選択肢とされていますが、強迫性障害の方で行動療法を受けている人はそれほど多くはないと思います。

その理由の一つは強迫性障害だと思わずに長い間過ごしていること。
子どもの頃から症状はあったものの、病気だとは思わずにすごしていることがあります。
まず病院を受診するまでに時間がかかるのです。

さらに病院を受診したとしても
・強迫性障害と診断されない
・薬物療法を何年も続けていても良くならない
・症状が軽減しても薬を減らすとまた元に戻る
といったパターンが少なくありません。

また行動療法を希望したとしても
・「やっても意味がない」と主治医から言われる
・そもそも行動療法をやっている臨床心理士がいない
というパターンになることも多いでしょう。

これらのことから強迫性障害の方は薬物療法と行動療法という二つの標準的な治療を受けるまで数年~10数年かかることは珍しくないといわれています。
行動療法についてはやっていない人の方が多いのではないでしょうか。
その期間、多くの時間を強迫的な考え・行動に囚われることとなるのです。

以前はあまり治らない病気といわれていましたが、現在では適切な治療を受ければ良くなっていくというデータがでています。
早めの治療を心がけていくことで、強迫性障害に囚われない時間を取り戻していきましょう。

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強迫性障害の症状について

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害というと
「手を何度も洗う」などの洗浄強迫とか
「家の鍵をしめたか何度も確認する」などが代表的な症状です。

しかし、そのほかにもあります。

「あるものをある一つのパターンに並べなくてはいけない」

「人を傷つけてしまうのではないかと思って人を避ける」

「物を捨てることができない」

「頭の中で特定の言葉を繰り返す」

「悪い考えが本当になるのではないかと考え、そうならないように特定の儀式をする」

まだまだたくさんありますが、洗浄とか確認がないと強迫性障害ではないとおもっている方も結構います。
長い間悩んでいるにもかかわらず未治療のまま何年も苦しんでいるようです。

現在ではインターネットの普及で情報が手に入りやすくなっています。
調べてみるとよいでしょう。

注意していただきたいのは上記のような症状があっても強迫性障害とは限らないことです。
他の病気である可能性があります。
一般の方にとって見分けることは難しいかもしれません。

悩んでいる方は早めに治療を受けることをお勧めします。

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強迫性障害の治療

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の治療に関して。

強迫性障害は(認知)行動療法が有効であるという科学的根拠があります。
薬物療法だけでは薬をやめると再発しやすいので、行動療法を受けることを強くお勧めしています。
しかし、行動療法は誤解をもたれることが多いという印象です。

よくあるのが「行動療法は、とりあえず不安なことを無理やりさせられて、それに必死で耐えなければならない方法」という説。
これはパニック障害でも思っている方が多いと思います。

この説に従って
「とくかく、手洗いと確認をやめなさい」
と、家族や周囲が本人に言って、うまくいくことは稀でしょう。
それどころか行動療法を受けることが恐怖にさえなります。

自分でがんばってやろうとしても、中途半端に行動療法をやってしまうと症状が長引くだけでなく、「行動療法は役に立たない」と思い、カウンセラーに行動療法を受けようとする気持ちが萎えてしまいがちです。
そうすると周囲から「治療意欲がない」と思われてしまいます。

手洗いや確認がやめられないから困っているので、強迫行為がやめられないのは当然です。
それができたらすでに治っています。

ひたすら「無理やり不安に直面して我慢する」のが行動療法ではありません。
行動療法に精通していない医師やカウンセラーほど、そのように言いますので注意が必要です。
行動療法には様々なテクニック、コツがあります。

仕事や学業、日常生活に支障がある場合は、早めに行動療法専門のカウンセリングを受けましょう。
可能であれば、ご家族も一緒来談して行動療法的な考え方や技術を学ぶと、本人、家族とも楽になっていきますよ。

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強迫性障害の家族の対応

臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の症状は様々です。
手洗い、鍵がかかっているかの確認を何度もしてしまう、などなど。

強迫性障害には行動療法が効果が認められています。
薬だけでも良くなっていくこともありますが、薬をやめるとまたもとに戻ってしまうことが多いと思います。

強迫性障害の治療は行動療法を行うことで多くの方の症状が軽快していきます。
行動療法という強迫性障害に対しては世界中でその効果が認められている方法を、患者さん側が知っているかどうかで、今後の人生が変わる可能性があります。
「そんな効果が認められている方法なら、どこの医療機関に行ったって必要なら勧められるだろう」と思うのは当然でしょう。
しかし、日本の精神医療の現状は残念ながらそこまでいっていません。
ほとんど治療効果が認められていないカウンセリングを長い間受けている方が多いと思います。

患者さんがお子さんならなおさらです。
よく箱庭をしたり、絵を永遠と描かせるなどを聞きますが、それは治療的効果に対して科学的根拠に乏しい方法です。
まだまだ日本ではそのような方法まかり通っているのが現状です。
患者さん自ら治療に対する正確な知識をもち、それができる治療者を探す必要性があります。

また、家族の対応を変えることにより回復が早くなることがあります。
強迫性障害の患者さんの家族は本人のかわりに確認などの手伝いをしてしまっていることが多いかと思います。
実はこの家族の行動が症状を維持、増大させるものなのです。

一時的に本人は楽になるかもしれません。
しかし、徐々に家族対し何度も確認を要求するようになり、家族も苦しくなります。
その結果、本人もさらにつらくなっているのです。

ですから家族は確認をしてあげる行為をやめなくてはいけません。
いきなりやると本人もつらいので、ポイントをカウンセラーと相談しながらやっていくのが良いでしょう。
このため私は1回だけでも良いので家族にも来談して下さるようお願いすることも多々あります。

強迫性障害で失うのは「時間」です。
多くの時間を、うつや不安を振り払うことに使っています。
それによって日常生活、趣味、仕事ができなくなり、将来への希望がもてなくなります。

何年も悩んでいる方は早めに行動療法を受けることをお勧めします。

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