「 うつ病 」一覧

家族があたたかく見守るのは結構難しい

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病を患っている人の家族の対応として、よくいわれているのが「あたたかい無関心」というもの。

簡単言うと励ましたりしないであたたく見守っている姿勢が大事ということ。

これはうつ病に限らず心の病気の家族に共通するものでもあります。

教科書的にはあたたかい無関心でいきましょう!ってなっていますが、これって結構難しい。

一般的に言われるように、薬飲んで休んでいて良くなっていれば、こじれません。

しかし、なかなか良くならない場合が問題。

なかなか良くならない病気の本人をみると、
「やる気ないの?」
と口出ししたくなってしまう。

また、最近の「うつ」は昔から言われてきた
「自分が悪い」という人より
「家族が理解してくれないから良くならない。うつの人を励ますなんてわかっていない。家族が自分の対応を学ぶべきだ」
という、家族を責めるような「うつ」の方も多くなってきています。
このようなタイプの場合、薬と休養ではうまくいかないことが多いでしょう。
むしろ悪くなったりすることも。

イライラしてくるし、だんだん家族がうつっぽくなることが多々あります。

「うつ」の家族の対応といっても、現在の「うつ」はある意味多様化してしまっていたり、実は双極性障害でうつ病ではなかったなどあるので、教科書的な対応ではうまくいかないことも多いのです。

あたたかく見守っているだけでは、何も進まないことだってあります。

このあたりは専門家と相談しながらすすめないといけないことでもありますけど。

どちらにしろ、家族もストレス管理をしないといけません。

余裕がないとあたたかく見守ることなんてできません。

まずは家族が自分の時間を持つことが大事です。

気分転換の時間を作るのです。

気分転換に罪悪感を抱く家族の方もいますが、心の余裕がないとうまい対応なんてできないのです。

人と話したり、趣味をしたりするなどストレス発散するとよいと思います。

自分の健康を保つことが、病気の本人の助けになります。

ご家族もあせらず体調管理をしていきましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は 浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


こんな「うつ」は薬が効かない

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

「うつなんですけど薬が効かないんです」

という話をよく聞きます。

効かないことにはいろいろな理由があるのですが、その一つ。
「どんな問題でもやる気にさせてくれる・明るくさせてくれる」
と思ってはいませんか?

例えば「薬を飲んでも・・・」
・嫌いな上司が好きになれない。
・もともと嫌いでやる気がなかった仕事がやる気になれない
・残業時間が100時間以上あり、それについていけるようになれない
・以前から人生に虚無感を抱いていたがそれが取れない
・もともとマイナス思考だがそのまま
などなど。

当然のことながらこんな問題は薬で解決ができることはありません。

病院で出される薬はなんでもプラス思考・ハイテンションにしてくれるわけではないのです。

結構誤解している人がいるような気がします。

上記の例の場合、環境や生活・仕事の仕方、これから生き方を振り返り・変えていかなくてはいけないことですよね。

過去の記事を下にリンクをはりましたが、「うつ」と言われているすべての人が必ずしも脳の病気とされている「うつ」ではなく、薬や休養が治療とすると逆効果である場合もあります。

医療者・患者さん、どちらも今後検討していかなくてはいけないことだと思います。

このような問題は地道に向き合って解決に向かっていくようにしましょう。

「うつ」について振り返ってもらうとよいかもしれない記事
うつ病は脳内物質が原因?

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うつ病の発症メカニズムが解明された?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

最近NHKなどニュースで「うつ病の発症メカニズムが解明」なるものが流れていました。

そんなことが解明されたら我々の業界というか、世界的にすごいことなのに話題にすらなっていない。

だいたいこんな時は、怪しいことが多いのですが、とりあえず見てみることに。

詳しいことは省きますが、マウスによる実験で、青年期のマウスにストレスを与えて、集団飼育したのと隔離したのにわけて、脳内の伝達物質との関連や注意力や意思決定のような認知機能との関連を調べたものです。

論文を直接みたわけではないのですが一つはっきりいえることは、この実験でうつ病の発症メカニズムが解明されたわけはない、ということ。

ましてやうつ病の原因がわかったということではないこと。

多分、その記事を読んだ人は誤解しやすいと思いますので。

実際この記事を読んだ人の書き込みをみると「思春期に心の傷をうけたことがうつ病の原因だと解明された」という誤解が起こっているようです。

難しいことは省きますが、ストレスがかかり脳内物質の変化や注意力などが落ちるということと、青年期のストレスがうつ病の原因であるという因果関係にはならないのです。

それにマウスの実験でうつ病の全容解明といえるわけもなく。

なぜ「うつ病の発症メカニズム解明」という記事の題名になったのか、そもそも研究グループがそのように言っていたのかはわかりません。

他の記事では「思春期のストレスが一因に」という表現になっていましたし。

「うつ病の原因がわかった!」「こうすればうつ病が治る」というものは一度うたがってみた方がよいかもしれません。

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認知行動療法スマホ用アプリーうつレコの感想ー

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

認知行動療法系?スマホ用アプリの紹介。

今回は
「うつレコ~うつ病の人のための行動記録ツール~」
をご紹介。

アプリの詳細はこちら。

よくうつ病の治療に使う行動記録をスマホでできます。

気軽に気分、食欲、睡眠など基本的な情報が打ちこめ、あとでグラフでみることができるすぐれモノです。

どんな時に気分がよくて悪いか、勝手にグラフにしてくれます。

体調の自己管理したい人にお勧めです。

うつ病の人もそうですが、双極性障害の人にも向いているアプリです。

難点としては
・本来の認知行動療法で必要な細かい情報が得られにくい
・初めての人はこれがどのように活用できるかわからない
・全体的な行動の流れは見えにくい
という印象です。

ただ記録するというだけでも役には立つと思いますが、実際の治療となると活用の仕方がわからなければ不十分でしょう。

ともあれ気軽に気分や体調を記録できるというの便利ですね。

心の病気の人以外でも使えそうです。

記録つけるのが好きな人はご活用ください。

こちらの記事も参考にしていください。
認知行動療法のアプリーi認知療法の感想
うつ病の認知行動療法のおすすめ本ー行動活性化ー
うつ病と認知行動療法

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うつ病は偽の薬で治る?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

プラセボ効果って知っていますか?

簡単に言うと何の有効性のない成分の薬(偽薬といわれることもあります)を使った場合でも、病状が良くなっていくといったものです。

近いものとして動悸がした時に安定剤を飲んだら一分くらいで「すぐに効きました」と思ってしまうこと。

そんなすぐに安定剤は効きません。

よくお薬やカウンセリング方法との比較でつかわれます。

偽のお薬とちゃんとしたお薬を比べた場合、ちゃんとしたお薬の方が統計学的に良くなった人が多ければ効果があったとなるわけです。

ではこのプラセボ。

病気に対して全く効果がないかと言われればそうではありません。

お薬や認知行動療法より効果は低いのですが、例えばうつ病の研究でもプラセボ(偽薬)を使った人達の中でも結構良くなっていっている人もいるんです。

この理由として
・お薬を出してもらったという期待
・偽薬といえどもお医者さんと会って「効く」と言われるお薬を出された安心感
とか、いろいろ考えられています。

ある有名な先生が
「ということは、うつ病でもお薬や認知行動療法をやらずに、いい薬ですよとお医者さんがお薬をだして話をよく聞いてもらえれば、ある一定の人はよくなるということになっちゃいます」
と言っていました。

まぁ、そういうことになりますかね。

あとうつ病の場合は自然に治っていく人もいますし、そういう研究結果もあります。

だからといって全ての人が何も治療しなくていいということではありませんので誤解のないように。
重度のうつ病は抗うつ薬が効果を示しています。

ちなみにそのプラセボ(偽薬)が値段が高いと言った方が効果が高いという研究結果があります。

安いサプリメントより高いサプリメントが効きそうな気がしますから。

思い込みも良くなるためには大切な要素かもしれませんね。

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うつ病治療は行動することから始まります

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今日25日の日曜日は、朝からビッグサイトに行きました。

認知療法学会の研修会です。

朝9時~20時30分までと、ちょっとハード目の研修。

その中でとある偉い先生がうつ病の治療で言っていた言葉。

「考えているだけでは現実は変わらない」

いくら結論がでないことをあーだこーだ考えても
「やっぱり何もできない」
「やっぱりダメ」
「どうしよう」
ということになってしまいます。

どうしてもうつ病になると考えたくなくても考えちゃんですけどね。

ただ考えることで一つ避けられていることがあるんです。

全ての人というわけではありませんが、
「現実と向き合って行動していく」
ということ。

本当はどんな人生を歩みたいのか?
どんな生活をおくりたいのか?
振り返って行動に起こすことがうつ病治療につながります。

「それができないから困っている」
となるのですが、それをやるためにできるところを探していくといいんです。

うつの時は
「何をやっても無駄」
となります。

以前の記事
どうせやっても無駄か?
でも書いたように、悩んでいるときは今のままでは良いと思ってはいません。

無駄だとは思いたくないハズ。

「うつ」がそのように「考えさせている」といえます。

頭の中の「うつ」に左右されずに、できるところから行動していくことがうつ病が改善する一歩となります。

諦めずに専門家と一緒に治療をしていきましょう。

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完璧種で動けない人

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつになるととても億劫な気分となります。

そうすると何もしたくないと思うようになります。

ただ中には完璧主義のところがあって億劫なところがとれない人がいます。

例えば、部屋の掃除ができない、という時。

部屋の掃除を完璧にやらなければダメだと思ってしまうのです。

そうすると先が遠く感じてやる気がでなくなります。

こういう時は実行することを細かいステップに分けるとよいことがあります。

部屋全体の掃除が無理そうだなぁと思ったら、机の上を整理するだけにするとか。

「そんなことやったって・・・」

と思うかもしれません。

それは完璧主義のワナにはまっています。

悪循環なんですね。

まず一歩踏み出すのが大事です。

完璧にこなすことばかりを考えていつまでも行動に移せないよりは良いでしょう。

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うつ病は脳内物質が原因?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

厚生労働省が出しているうつ病に関しての知識がある意味現在のうつ病に対する見解を出しているのでご紹介。

リンクはこちら。

書いていることをみると専門家なら知っているけれど、一般の人にあまり知られていないことなどが、それとな~く書かれています。

一般の人ならば多分「え~?」って思う人も多いのではないかという記述も多いです。

例えばうつ病は脳内物質が原因と書いてあるものもありますが、それはあくまでも仮説ということです。

セロトニンなどを増やす薬が効くということと、セロトニンが不足していることがうつ病の原因ということとは違うのです。

あと、
・うつ病の種類にもいろいろあるので、うつ病は脳の病気で休養が必要というアドバイスが逆効果である場合だってある
・うつ病は自然に治ることもある
など、専門家なら知っているけれどなかなか書きにくい内容で、まぁ思い切ったなぁという記述もあります。

これも衝撃的かも。
「考えないといけないこころの問題を軽視して、薬で治そうとする患者さんが増えた気がしますし、出す薬の種類を変えるしかしない医師が増えたようにも思います」

これは患者さん、医療者側とも考えなければいけないことかもしれません。

うつ病といっても体の病気や薬からくることもあるからまずそっちを治さなきゃいけない場合もあるし、環境要因や性格的な要因が大きければ薬だけでは限界があるから環境調整や精神療法も検討しましょうね、ということを言っています。

ちなみに私の責任逃れですが、あくまでも厚生労働省がいっていることなので・・・。

今後研究次第で変わっていくこともありますが「うつ病は脳内物質が原因で休養とお薬で治る」といった紋切型の情報より、一歩進んだバランスの良い意見がのっているような気がします。

だからといって薬を急にやめたり、怪しげなサプリメントなど変な治療法にはしったりするのはやめましょう。

うつ病の方は参考にしてください。

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うつ病になりやすい性格があるといわれていますが

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病になりやすい性格傾向として
・几帳面
・責任感が強い
・完璧主義
と言われてきました。

しかし、最近ではこの説は怪しいとされてきているようです。

実際のところいろんな要因でうつ病にはなりますからね。

性格傾向はこーだ、とは言い切れないでしょう。

「昔はうつ病は自分とは無関係だと思っていました。だって几帳面でもないし、真面目でもなかったし」
という、うつ病の患者さんも多いです。

そういう意味では誰でもなりうる病気なのかもしれません。

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うつの時の否定的な考え方

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うつ病になっている時の否定的考え方について。

・自分に対して否定的
「自分は何をやっても駄目な人間」

・他人や物事に対して否定的
「周囲は自分のことをダメ人間と思っているだろう」

・将来に対して否定的
「今後良いことなんてないだろう」

こんな感じでなんでもかんでも否定的にとらえるわけです。

本当は自分にもよいところがあったり、現在良いことが起こっていても気づかないか、過小評価してしまいがち。

このような考え方のクセに気づき、柔軟にしていく練習がカウンセリングですることの一つです。

考え方のクセに気づくようにしたり、
その考えは本当?
100%そうなの?
友達がそういう考え方してたらなんていってあげる?
などなどのツッコミをいれたり質問を投げかけたりします。

認知行動療法の中の代表的な練習ですね。

やっているとだいたい「心からそうは思えない」「こんなことやっても良くならない」という「否定的な考え」が浮かびますので、その考えに対してもツッコミをいれるとよいかもしれません。

うつの時は何をやっても否定的になります。

否定的だなぁということに気づいて別の考え方はないか検討してみてください。

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