浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
吐き気が怖い。
嘔吐恐怖症の症状です。
嘔吐恐怖症は正式な診断名ではないのですが、よくある症状なんです。
パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、うつ病などどかぶるところが多いです。
吐き気が出そうな状況が苦手ではありませんか?
・人が吐いているのを見る
・吐いている人がいそうな場所(居酒屋、週末の電車、駅など)を避ける
・家族が嘔吐するのが怖い
・満腹になる
そのような状況になると自分も吐き気がしてそのまま我慢していないでしょうか?
結構悩んでいる人多いんですよ。
そのままにしておくと、仕事や学校にいけなくなったり、楽しみにしていたことができなくなったり。
女性だと妊娠が怖いって人もいます。
このため早く治した方が良いです。
今回は、嘔吐恐怖症の治し方について。
嘔吐恐怖症は不安なことを避けているともっとつらくなる
人にもよりますが、吐き気は怖いものの、あまり実際には吐いたことがない人が多いです。
我慢していた、不安なことを避けてきた、この辺りが理由かもしれません。
しかし、不安なことを避け、我慢していることが、症状が続いてしまう結果を引きおこすのです。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があるから。
かといって不安な場面を避けなければ大変なことになってしまう!って考えています。
実際に不安なところにいくと吐き気がするでしょう。
そこで、これまでは逃げて安心、ってしていたのを「逃げなくても何とかなる」ことを経験していくことが治療となります。
不安に挑戦する前に練習しておくこと
ただただ不安な場所にいってもなかなかうまくいきません。
余計怖くなるだけです。
不安なことに挑戦するにはコツが必要です。
コツの一つは不安な時の注意の方向。
嘔吐恐怖の人は吐き気に敏感で、自分の体の調子に注意がいきやすいのです。
例:
体の調子に注意が向く
→吐き気を意識
→吐き気出現
→不安が大きくなり、体に注意が向く
→吐き気が強くなる
このため注意が体に集中しないでおく練習をすると良いのです。
練習方法の概要はこちら。
・吐き気が怖い人の対処法
このあたりは専門家と練習しないと難しいかもしれません。
練習手順
ある程度注意の向け方をマスターしたら、不安に慣れる練習をします。
よくあるやり方は、不安場面をリストアップして、不安の強さを0(怖くない)~100(死ぬほど怖い)で評価。
数値の弱いところから、少しずつ挑戦していくとやりやすいです。
コツはパニック障害の治し方と同じなのでこの記事を参考にしてください。
・広場恐怖の克服方法 パニック障害の治し方
いろんな練習方法がありますが、簡単なやり方をご紹介します。
紙やスマホでこの手順を書きながらやると良いです。
手順は
①不安に挑戦する場面を決定
②不安場面での予想を立てる
③実際にどうなったかを結果を記録
④やってみて学んだことを書く
例:
①不安な場面
から揚げを食べる
②不安場面での予想
から揚げを食べると、吐き気がして、そのままでいたら吐くだろう
③結果
思ったより食べられた。吐き気は起こったが、吐くことはなかった。
④学んだこと
吐き気は起こっても、吐くことはない。
結果を見ながら①~④を繰り返していくと良いです。
基本的なやり方を書きました。
このブログをみて実践するだけで良くなる人もたまにいます。
しかし、一人で克服できる人は少ないと思います。
細かいところがわからかったり、壁にぶつかることがありますからね。
可能であれば、認知行動療法の専門家と相談しながらやっていくことをおすすめします。
うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。