浦和すずのきクリニックの鈴木です。
強迫症の代表的な症状で万引きへ不安があります。
・商品に触ったら盗んでしまったのではと考える
・ファスナーのないバッグは避ける
・レシートを確認しないと不安
・買い物自体を避ける
・何も盗んでないよね?と他人に確認
こんな症状で悩んでいる人はどのように対処していったらよいのか?について解説します。
練習すると楽になりますよ。
まずは自分がやっている「強迫行為」と「回避」していることを把握しましょう。
強迫行為というのは不安な時に安心するためにやっている行為のこと。
回避は不安だから避けていること
例
・商品に少しでも触れたら欲しくなくても全部買う
・レシートを何度も確認
・何も盗ってないないよね?と他人に確認
・何も盗っていないか記憶をたどる
・ファスナーの空いたバッグを使えない
・そもそも買い物に行けない
・一人では買い物に行かない
・商品を触れない
上記は代表的な例です。
自分がやっている強迫行為と回避をまずリストアアップしてみましょう。
強迫行為や回避をやると一時的には安心するのですが、だんだん止められなくなります。
何度確認しても確信が持てなくなっていませんか?
確認することは麻薬みたいなものです。
頭の中で「大丈夫、何もしていない」と言い聞かせても無駄だし、逆効果となります。
また苦手な買い物を回避することで、いつまでも苦手が克服できずどんどん不安は強くなります。
ではどうしたらよいのか?
ざっくり言うと今まで安心するためにやっていた強迫行為や回避をやめて逆のことをするとよいのです。
例えば
商品を触ったら全部買う
→商品を触っても不必要なものは戻す
ファスナーのないバッグを避ける
→ファスナーないバッグで買い物をする
レシートを何度も確認する
→レシートをもらわない
一人で買い物いかない
→一人で買い物にいく
家族に「盗ってないよね」と確認する
→家族に確認しない
自分がリストアップした強迫行為と回避とは逆のことをやりましょう。
これらのことをすると一時的には不安は強くなります。
時間がしばらく経ったあとも「万引きして警察につかまってしまうのでは」と不安がよぎるかもしません。
しかし、そのまま安心するようなことをしなければ不安は減ってくるのです。
一回やっただけではまだ不安は強いままですから、何度もこれを繰り返し練習します。
そうするとだんだん不安が上がったとしても前よりはマシになり、最後にはそれほど不安を感じなくなってきます。
注意してほしいのは頭の中で「何も盗っていないから大丈夫」と言い聞かせたり、頭のなかで買い物の時の記憶をたどったりすることはやめましょう。
頭の中で安心させることも強迫行為となり、症状を悪化させます。
当然家族や周囲の人も「何も盗っていないと思いなさい!」「盗っていないと自信をもちなさい」なんて言ってはいけません。
逆効果となります。
逃げずに不安に直面して慣らすのが治療です。
安心させるようなことは一切やらないようにしましょう。
以上のことを実践することで万引きへの不安症状は軽くなります。
ポイントをまとめると
・自分が安心するためにやっていた強迫行為と回避を把握
・強迫行為と回避とは逆のことをする
・頭のなかで「何も盗っていないから大丈夫」とやってはいけない
・実践することで最初は不安になるが思い出すと不安にはなるが、いつかは時間とともに不安は下がる
・その都度怖くなるが、何度も練習すると不安に感じにくくなる
一人だとどうしてよいかわからない、不安が強くなるだけでうまくいかないって方は認知行動療法の専門家の指導を受けながらやってくださいね。
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