浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
パニック障害の人は体調をとっても気にします。
朝起きたときの体調、何かする時に体調はどうかで今日やることを決めていませんか?
体調によって行動を決めると調子が良い時は動けるけど、悪いと感じたと時は動けなくなります。
ずっと体調を気にしてパニック発作を恐れた生活になり、一向に改善していかいないんですね。
では体調の不安についてどう付き合っていけばよいのか?
パニック障害が改善した患者さんからよい感想をもらえたのでご紹介しながら解説していきます。
パニック障害が良くなった患者さんが言っていた印象的な言葉があります。
10年近くパニックに苦しみ、外出や一人で自宅にいることができなかった人が、認知行動療法により改善していきました。
その時お話されていたよくなったコツがこの言葉。
「体調を大事にするのやめたら良くなってきた」
え~!って思いませんか?
この言葉はパニックをよくするのに役に立つんですよ。
なぜなら体調を気にしすぎて悪化していくのがパニックだから。
パニック障害の人は自分の体調を大事にします。
発作が起こることが怖いから。
ドキドキしてないか。
息苦しさはないか。
いつも体の調子をチェック。
ちょっとでもドキドキすると「これはパニックでは?」で考えて、体に意識が向きます。
意識が向くともっとドキドキしてきて「パニックになりそう!」と考えて不安が強くなるのです。
つまり体調をチェックすることは不安に意識が向くため、パニックになりやすくなるのです。
ここで「ドキドキを起こさないように体調を大事にしよう」と考えます。
対処法は、不安な場所を避ける、頓服を飲む、休む。
休んでいると安心しますが、避ければ避けるほど強くなるのが不安。
どんどん不安が強くなり、体調を気にします。
これを繰り返すと、
→さらに体調に敏感になる
→不安が強くなる
→やっぱり体調を大事にするために休む
→さらに体調が敏感になる、
と悪循環となります。
だいたいの人は過度に対策を打とうとします。
不安な場所をさけ、頓服薬など安心グッズを常に持ち歩きます。
そのうち「安心グッズがないと不安」と考え、不安ネタが広がるのです。
体を大事にする名目で外出を避け、体を休め、行動範囲が狭まることでパニックへの恐怖が増していく。
こんな風に悪化していくんです。
先述のように体調を気にしすぎるとうまくいかないので、体調を気にせず行動していくことを心がけるとよいのです。
「今日はドキドキしているし、嫌な感じがするから予定をキャンセルして休んでいよう」ではなく、ドキドキ、息苦しさがあっても、体調に左右されず予定通りそのまま外出するとか。
よく「外出してもこんな体調じゃ楽しめないから意味がないと」いう人もいます。
100%気にせず楽しめなくては意味がない!となると、ちょっとの不快感も許せないので、さらに体の感覚に敏感になります。
このため「外出して100%楽しむ」か「寝込む」の白黒ではなく、「30%は楽しめた」など「ここまではできた」というグレーを意識しながら生活していくとよいです。
こんな風に体調がどうであれ予定通り過ごしていくと、体調に注意が向きにくくなるのです。
もちろん、ドキドキや息苦しさへの対処は学んでおいてからですが。
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「ドキドキや不快感があっても、やりたいことがやれている」っていう体験が得られると、体調に左右された生活が脱出できます。
パニック発作は不快ですが危険なものではありません。
体調に左右されずフツーの生活をしていきましょう。
そうすることでパニックが改善に向かっていきます。
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