超具体的な自分でできる不眠症の改善方法

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浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

不眠症の改善にとって重要なのが「何時に寝て、何時に起きるか」という睡眠リズム。

リズムを整えることで不眠症を改善していくのに役立つことがわかっています。

不眠症に効果が実証されている認知行動療法でも使われているのです。

しかし、なかなか病院では教えてもらえません。

睡眠薬のみに頼った不眠症対策ばかりしていませんか?

この記事では、不眠症改善のために必要な睡眠リズムのつけ方について解説していきます。

計算が必要な方法で、面倒なんですけど、効果は出やすいです。

不眠症でお悩みの方は実践してください。

自分で手書きで表をつくってもいいですし、エクセルで計算式を入力すれば楽ちんです。

これじゃ難しい!面倒!って方はカウンセリングに相談にきていただければ計算用紙をお渡しいたします。

 Ⅰ 睡眠記録をとる

初めに、今の睡眠リズムを把握します。

そのために、一週間A~Dを記録します

■記録すること■

A 寝床に入った時間

B 寝床に入ってから寝付くまでの時間

C 寝てから途中で目覚めていた時の時間の合計

D 寝床から出た時間

詳細と例は以下の通りです。

A 寝床に入った時間

例 23時00分

実際に寝た時間ではなく、寝床にはいった時間です。

B 寝床に入ってから寝付くまでの時間

例 1時間

時計は見ないでください。「だいたいこれくらいだろう」で大丈夫です。

C 寝てから途中で目覚めていた時間の合計

例 50分

これも時計を見ないでください。予想で大丈夫です。

D 寝床から出た時間

例 7時00分

起きた時間ではなく、寝床から出た時間です。

 Ⅱ 睡眠記録を元に計算する

その後E、F、Gを計算します。

パソコンができる人は、エクセルで作ると自動計算してくれるので楽ですよー。

■E~Fの計算方法■

E 寝床に合計何時間いたか?

AからDまでの時間を分にして計算

F 寝床に入ってから実際に寝ていた時間(総睡眠時間)

F=E-(B+C)

G 寝床にいた間、実際に眠れていたのは何%か?(睡眠効率)

G=F÷E×100

E 寝床に合計何時間いたか?

A(寝床にはいった時間)からD(寝床から出た時間)までの時間の合計を「分」に直して計算。

Aが23時でDが7時だから合計8時間。8時間を「分」に直すと60(分)×8(時間)=480分。

E=480

F 寝床に入ってから実際に寝ていた時間(総睡眠時間)

F=E-(B+C)で計算します。

まず起きていた時間の合計を計算します。

B+Cです。

BとCを「分」に直して計算します。

60(B)+50(C)=110

480(E)-110=370

F=370

G 寝床にいた間、実際に眠れていたのは何%か?(睡眠効率)

これを求めるには G÷E×100 で計算します。

370(F)÷480(E)×100=77(小数点切り捨て)

G=77%

 Ⅲ 一週間の平均を出す

これを一週間記録します。

その後一週間のFとGの平均値をそれぞれ出しましょう。

FまたはGの合計÷7です。

例 Fの平均=360(分)  Gの平均=85%

Gは睡眠効率といって、大事な数字です。

眠れていないのに、無理に寝床にいると不眠が悪化します。

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この数値が85%以下の人は寝床に長くいすぎて眠れない習慣がついてしまっています。

ですから寝床にいる時間を減らす必要があるんです。

 Ⅳ 寝床にいて良い時間を計算する

どれくらいの時間寝床にいれば適当か?を計算します。

■寝床にいてよい時間■
寝床にいて良い時間=Fの一週間の平均(分)+30

Fが360分(6時間)以上ならFの数値に30を足した数値が寝床にいてもよい時間です。

例 360(Fの平均)+30=390(分)→6時間30分

寝床にいてよい時間は6時間30分となります。

Fが360以下なら寝床にいてよい時間を6時間に設定します。

 Ⅴ 起きる時間と寝床に入る時間を決める

寝床にいて良い時間が決まったら、最初に起きる時間を決めます。

例えば一睡もできなかったとしてもこの時間におきます。

例 6時

6時間30分寝床にいてよいのですから、6時から6時間前は23時30分ですよね。

23時30分に寝床に入りましょう。

23時30分に寝床に入り、6時に起きる。

この睡眠リズムを一週間、土日問わず続けます。

その間再度Ⅰの記録を取ります。

Ⅵ 寝床にいる時間を延ばす・減らす

■寝床にいる時間の調整方法■
Gの一週間平均が85%以上→15分寝床にいる時間を延ばす
Gの一週間平均が85%以下→寝床にいる時間を6時間までを限度に減らす

Gの平均値が85%以上なら15分寝床にいる時間を延ばします。

85%以下なら6時間を最低ラインとして寝床にいる時間を減らしていきましょう。

最初はきついかもしれませんが2ヶ月間は続けて様子を見ると良いです。

 Ⅶ 睡眠のルール

睡眠のルールがあるので、以下のことを守ってください。

・寝床では睡眠と性行為以外はしない

・寝床にはいって眠れないと思ったら別の部屋で何かをする

・睡眠不足でも昼寝はしない

以上のことを繰り返しやっていくと、寝つきが良くなったり、途中で起きることが少なくなったりして不眠症が改善されていきます。

もしも、2ヶ月間毎日実施しても改善されない方、一人ではどうしてよいかわからない方は相談しに来てくださいね。

あと、この計算メンドーなんで、計算用紙ほしいーとかいう人なんかもどうぞ。

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