浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
パニック障害になると、目まい、息苦しさ、動悸など、体にいろんな症状が出ます。
その症状に対して、「倒れちゃう!」「死んじゃうかも!」と考えて、どんどん不安になっていくのです。
実際のところはそんなことないのですが、パニックになるとこのような考え方をしちゃうんですよ。
今回は、この考え方をどうしていけばよいか?について書いていきます。
パニック障害の人にとってよくある症状と、ありがちな考え方の典型例はこちら。
目まい→気を失って倒れる
息苦しさ→息ができなくなって死んでしまう
動悸→このまま激しくなって死ぬ
手足のしびれ→脳梗塞になっている
胸が締め付けられる→心臓発作で死ぬ
もちろん、この考え方は間違っています。
少なくとも死ぬことはありません。
ところがパニックになると、体の症状に対して最悪のことを考えてしまう傾向あるのです。
「不安なままでいたらどうなると思いますか?」と聞くと「どんどん不安が際限なく強くなっていく」と答える人もいます。
不安の強さは上がっても、上がり続けることは絶対ありません。
人間、そんなにずっと不安を上げ続けることはできないんですよ。
実際にパニックになってもあなたは生きているワケですし。
だから目まいや動悸が起こっても「これで不安が上がってもどうなることもない」「死ぬのでは」と不安になって自分が勝手に思い込んでいるだけ」と覚えておきましょう。
しかし、多くの人は「死ぬことはない」と思っていても、「心配だ」「死なないのはわかっているけれどやっぱり怖い」となります。
そりゃそうです。
不安は理屈で説得してもうまくいかないから。
やっぱり本当に大丈夫かどうかなんて体験しなきゃわからないんですよ。
「死んでしまう」などネガティブな考え方を変えていくためには、実際に症状を起こしてみて、「いくらやってもやっぱり死なない」ということを実感するとよいのです。
目まいがすると倒れてしまうのが怖いというなら、目まいを起こるようなことをしたり、目まいで倒れてしまったら困るような状況にいってみるのです。
仮に目まいがおこっても最悪のことが起こらないことが経験できるでしょう。
他の症状の例
・動悸で「死んでしまう」ということが怖ければ、ダッシュをして動悸を起こして死ぬかどうか確かめてみる
・実際に電車に乗ってみて、息苦しくさせて、そのままでいたら本当に倒れて死んでしまうか確かめてみる
・一分間くらい息を早く吸ったり吐いたりして、過呼吸のような状態を起こしてほっといたらどうなるかを確かめてみる
詳しい手順はこちらにも書いています。
パニックが怖くなくなりますよ パニック発作に対処する5つのステップ
このようなことを実験としてやってみましょう。
体感的に「大丈夫。死なない」ということがわかってきます。
そうするとパニック発作が怖くなくなるんですよ。
パニック発作が怖くなくなると、自然にパニック発作も少なくなってきます。
結果として、パニック障害の克服につながりますよ。
どうやって練習してよいかわからない時は相談しに来てくださいね。
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