浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
パニック障害の人はパニック発作が起こります。
動悸、目まい、息苦しさなどが典型例です。
最初は発作があると「死ぬのでは」とは思っていた人も、ネットで調べるなどしてパニック発作では死なないことを知っている人は多くなりました。
パニック発作はほっとくと100%おさまります。
それでもパニック発作を怖がり、よくなっていない人はいませんか?
「死なないのはわかっているけれど怖い」というのが本音でしょう。
今回は、頭では大丈夫なのはわかっているけれど怖いって人はどうすればよいかについて説明します。
実践することでパニック障害がぐっとよくなるので参考にしてください。
パニック発作で死なないのはわかっているけれど怖いままって人には共通点があります。
それは「パニック発作を起こさないようにしている」ということ。
パニック発作を起こさないように、無理せず体を大事にし、事前に薬を使用し、不安な状況を避けていませんか?
これ、やっちゃっている人多いんですよ。
パニック発作を起こしても死なないってわかっているのに、パニック発作を恐れてさけているんです。
不安は避ければ避けるほど多くなる性質があるので、発作を起こさないようにする努力は逆効果になります。
克服するためには、パニック発作の症状を起こしても大丈夫であることを経験することが大事なのです。
頭で理解するのではなく、体で理解しないとダメなんですよ。
では、どのようにして体で理解していけばよいか?
自分が恐れていることが本当に起こるか実験してみるとよいのです。
5つのステップがあります。
手順は以下の通りです。
映画館でパニックが発作が起こるのが怖い人の例で説明します。
①~⑤を実際に書きながらやってみましょう。
パニック発作が出ては困る場所、苦手な場所を設定します。
いつ、どこで、どれくらいやるか?具体的にしましう。
例
映画館で2時間映画を見る
不安場面でどうなるかを具体的に考えます。ただ「ドキドキする」ではなく、ドキドキしてどうなるか?自分が恐れていることを予測しましょう。
例
映画に集中できず、ドキドキしてきて、息苦しくなりそのまま倒れて、周りに迷惑をかける
ポイント
怖い状況になったら、体のどんな部分がどのようになりそう?逃げずにそのままでいたらどうなりそう?と考えてみましょう。
実際にやってみましょう。
例
出口から遠い真ん中の席に座る。頓服は使用しない。ドキドキしていても何もせずそのまま2時間過ごしてみる。
ポイント
事前の薬使用、出口から近いところに座るなど、発作が起こらないようにする・不安から逃げることは「そのおかげで大丈夫だった」となってしまうのでやめましょう。
また途中で逃げ出すと怖くなるので、時間をかけてやるのが大事です。
以下の記事にまとめています。
実行した結果、どうなったかを検証します。
例
最初は息苦しさがあったり、動悸がしてきて、映画に集中できなかったが、中盤くらいからいつのまにかおさまって、映画の内容が頭にはいるようになってきた。倒れることもなかった。
ポイント
実際起こったことと、②で予測したことを比較してみましょう。
実験の結果から何が言えるか?何か疑問点はあるか?今後の課題はあるか?を考えてみましょう。
疑問点がある場合は、それを再度実験として①~⑤のステップを使いやってましょう。
例
症状は起こるが何もしなくても30分くらいほっといたら大丈夫であった。
しかし、空いていたから不安がそれほどでなかったかもしれない。今度混んでいる時に行って実験してみよう。
実験をやってみて疑問に思ったこと、不安に思っていることがあれば、それを題材に新たに実験してみましょう。できるだけ早い段階で新しい実験するのがコツです。
以上の手順で実験してください。
一回だけでなく、何回も繰り返してやっていくうちに「パニック発作って不快だけど危険なものではない」ということが、体でわかってきます。
どのようにやったらよいかわからない・やってもうまくいかないって方は、私がお手伝いするので相談に来てくださいね。
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