浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
パニック障害の人が苦手としている場面の一つが飛行機です。
飛行機の中でパニックになるのを恐れます。
海外旅行が好きな人なんかは困りますよね。
好きなことできないのはつらいものです。
飛行機に乗ることになると「パニック発作を起こさないためにはどうしらよいか?」を考えがち。
しかし、こういうこと考えている人はパニックを克服できません。
それはなぜか?
飛行機に乗ることができるようになるためにはどうしたらよいのか?について書いていきます。
だいたいパニック発作を起こさないようにしようとすると、マズイ対処法をしてしまいます。
マズイ対処法の例をこちら。
・空いている飛行機にする
・通路側に座ろうとする
・酒を飲んでごまかす
・映画を見るなど気をそらそうとする
・寝る
・頓服を使用
この対処法の何がマズイかというと、パニック発作から逃げようとしているところ。
一見、パニックをおさえてくれそうです。
しかし、これらの行動は「安全確保行動」といって、一時的に安心するけれど症状を長引かせる対処法なのです。
ネットで良く見る対処法はほとんどマズイやつです。
良くなったとしても、少し不安になるとまた元に戻ります。
困ったことに医療関係でもこの対処法をすすめてしまうことがあります。
例えば寝てごまかしている場合。
寝られているうちはよいかもしれません。
しかし起きてしまうと不安になるでしょう。
パニックの恐怖をごまかしているだけで、なんの克服にもなっていませんよね。
他も同じです。
その場しのぎの対処をしていると、良くならないだけでなく、「その対処法をしないと不安」となってしまうのです。
「通路側じゃないと不安」「頓服がないと不安」とか。
不安なことを避けているうちは、不安はそのままですし、むしろ強くなっていく傾向があります。
「ごまかしながらでも飛行機に乗れるのならいいじゃないか」と思うかもしれません。
しかし、ごまかしているうちはパニックを克服できないですし、いつまでも悩み続けます。
もちろん「最初は通路側。慣れてきたら真ん中の席」など、段階を踏んで練習していこうというならOKです。
単に不安を避けるためにやっているならやめましょう。
このため「発作を起こさないための工夫」は注意してください。
では、どうしたらよいのか?
飛行機に乗る前に準備をしましょう。
準備といってもパニック発作を起こさない工夫ではありません。
「パニック発作が起こっても対処できる」と思えるようになる工夫です。
よく認知行動療法でやります。
パニックが起こっても対処できる自信がついてくれば、飛行機だろうが、新幹線だろうが、大丈夫になってきます。
自分が恐れているパニックの感覚を思い出しましょう。
息苦しさ、動機、めまい。
詳細は省きますが、その感覚をわざと起こす練習をします。
息苦しさをわざと起こして、どうすれば良いのかを学んでいくのです。
この練習をすると最初は恐怖でいっぱいですが、そのうち「まぁ、起こってもなんとかなる」と思えるようになります。
一人でやるより、専門家とやるのがおススメです。
カフェインの例で説明するとこんな感じ。
治療方法はこちらも参考にしてください。
実際に、治療して飛行機にのった患者さんの体験はこちら。
事例に学ぶ!パニック症の人が飛行機に乗って海外旅行にいけるようになった3つの理由
パニック障害の人が飛行機にのることができるようになるために以下のことをやりましょう。
・パニックを起こさないための工夫をやめる
・パニックが起こっても大丈夫と思える練習をする。
一人じゃなかなか克服できない、でも飛行機は乗りたい!って方は、私と一緒にパニック障害を克服する練習していきましょう。
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