浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
手洗いや確認が多い強迫性障害。
一人でやろうとしてもうまく治療できないもの。
治療がすすまない人が、よくやってしまいがちなマズイ方法があります。
代表的なのは3つ。
①確認や手洗いを少しずつ短くしようとする
②確認や手洗いを先延ばしにする
③頭の中で安心させようとする
「認知行動療法やったけど良くならない」って人はだいたいやっています。
なぜよくならいのか?解説していきます。
①確認や手洗いを少しずつ短くしようとする
・確認を10回やっていたのを1回ずつ減らしていこう
・手洗いを1時間やっていたのを5分ずつ減らしていこう
・確認や手洗いを同じ様にするけれど、素早く終わらせよう
この方法は思いつきやすいのでやる人多いのですが、ほとんどうまくいきません。
多少良くなったとしても、途中からいきづまります。
一回やりだしたら止まらないのが強迫性障害です。
ちょっとずつ減らしいくのは意外とハードルが高いのです。
あと確認や手洗いをしているうちは、結局苦手なものを避けているもの。
安心を求めているうちは良くなりません。
確認をしないでやれるところ、触ったとしても手洗いしないですむようなところを探して少しずつやっていく方が良くなりやすいです。
時々強迫行為をしてしまっても症状は軽くなります。
②確認や手洗いを先延ばしにする
先延ばしにするやり方。
・確認を我慢するのを〇分待ってからにしよう
・手洗いをするのを〇分だけ我慢しよう
この方法は必ずしもダメではありません。
しかし、この方法が効果があるのは、手洗いや確認を最終的にしなかった時のみです。
つまり、本当に時間がたってから手洗いや確認してはダメ。
これをわかっていないといくらやってもなかなか良くなりません。
③頭で安心させようとする
「確認しなくても大丈夫だった」
「手洗いしなくても大丈夫だと思おう」
「これは汚くないから安心」
「十分な時間をかけて確認したから大丈夫」
頭の中で安心させて、確認や手洗いを短くしようとする。
この方法は多少マシになっても、途中から良くなりません。
頭で安心させるのも強迫行為なのです。
強迫行為をやっているうちは良くなりません。
まとめ
3つに共通しているのはきちんと不安に向き合っていないこと。
強迫性障害の治療の基本は不安に十分にさらされることなんです。
安心を求めているうちはずっと強迫に悩まされることになります。
偽りの一時的な安心に頼らず、強迫にとらわれない自由な生活を取り戻しましょう。
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