失敗しない対策を考えるから、対人恐怖症が治らない

浦和すずきのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

近々、人前で話さなきゃいけない。
こんな時、話すのが苦手だと、本番までずっと悩み続ける人が多いのです。
どんどん不安は大きくなっていきませんか?

理由の一つは、考えてもどうしようもないことへの対策を考え続けているため。
「ふるえたらどうしよう」「うまく話せなかったらどうしよう」「変に思われたらどうしよう」とか。

「だって準備しなかったら大変じゃない!」と思ってさらにやるから、どんどんダメになるんです。

もちろん、何を話すか、どのような順番で話すか、現実的な問題の対策をしていくのは問題ありません。
しかし、解決しない問題の対策を考えても不安が強くなるだけなんですよ。

話すのが苦手なタイプは「どう伝わりやすく話そうか?」と考えず、「どうやったら失敗したり、恥ずかしい思いをしないですむか?」を考えています。
そりゃ、いつまでたっても話すのは上達しません。
そもそも「失敗しないようにしよう」って対策が、いつまでたっても人前で話すのが苦手な原因になっていますし。
例をこちらの記事に書きました。
・何度も人前で話しても慣れないと思ったら
・スピーチをするときに緊張してしまう人の悪いクセ

だから「うまく話せなかったら・・・」って考えてメリットはほとんどありません。

話す前の準備は「何を、どう話すか」など現実的なことだけにし、失敗した時の対策について考え込むようなことはしない。
そうすることで本番までの苦痛が減っていきますよ。

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