強迫性障害で統合失調症と誤診されることもある

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

強迫性障害の人がたまに統合失調症と診断されていることがあることは知られています。

または「統合失調症の中の強迫性障害」とか。

「統合失調症だから行動療法は意味がない」
というアドバイスをされることがあるようです。

実際に行動療法をやってみるとよくなることが多いのですが・・・。

一応最初に言っておきますが、私は心理士なので診断はできる立場ではありません。

日本において診断はお医者さんがするものなのでご了承の上、読み進めてください。

あまり診断をどーこー言ってしまうと怒られちゃいますので・・・。

強迫の中でも洗浄・不潔強迫や確認強迫なんかは間違われることは少ないと思います。

しかし、縁起強迫などは時々間違われることがあるのは知られています。

縁起強迫は
「〇〇という行為をしたら何か大変なことが起こるのでは」
「神様の前で〇〇(不吉なこと、卑猥なことなど)考えてしまったから何か起こってしまう」
と不安になり、大変なことが起こらないように心の中や何らかの行為(儀式)をして打ち消そうとします。

他人からみると「?」と思うことが多いので奇妙だなぁとわかっても、強迫性障害であるとわかりにくいかもしれません。

奇妙さ故に統合失調症と思われるようです。

薬が効かないなぁと思って、行動療法をやってみると良くなることもあります(やってもらえればの話ですが・・・)。

そもそも「統合失調症だから(認知)行動療法が意味がない」というのはある意味間違った考えです。

昔は「統合失調症に精神療法をすると悪化する」と言われていましたからね。

現在では統合失調症を認知行動療法で治すことはできませんが、症状の管理や再発率を低めるなどで成果をあげており、多くの医療機関などで実施されています。

ですから意味がないということはないのです。

意外に知らない医療関係者も多いようです。

強迫性障害にしろ統合失調症にしろ、あまり良くならないぁって思ったら一度行動療法の専門家に相談して、お薬以外でもできることを検討してみてはいかがでしょうか。

これって強迫性障害かな?長い間悩んでいるけど治療できるかな?って思った人はこちらの記事も参考にしてください
・強迫性障害の種類について
・長い間強迫性障害でも良くなります

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