うつ病の発症メカニズムが解明された?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

最近NHKなどニュースで「うつ病の発症メカニズムが解明」なるものが流れていました。

そんなことが解明されたら我々の業界というか、世界的にすごいことなのに話題にすらなっていない。

だいたいこんな時は、怪しいことが多いのですが、とりあえず見てみることに。

詳しいことは省きますが、マウスによる実験で、青年期のマウスにストレスを与えて、集団飼育したのと隔離したのにわけて、脳内の伝達物質との関連や注意力や意思決定のような認知機能との関連を調べたものです。

論文を直接みたわけではないのですが一つはっきりいえることは、この実験でうつ病の発症メカニズムが解明されたわけはない、ということ。

ましてやうつ病の原因がわかったということではないこと。

多分、その記事を読んだ人は誤解しやすいと思いますので。

実際この記事を読んだ人の書き込みをみると「思春期に心の傷をうけたことがうつ病の原因だと解明された」という誤解が起こっているようです。

難しいことは省きますが、ストレスがかかり脳内物質の変化や注意力などが落ちるということと、青年期のストレスがうつ病の原因であるという因果関係にはならないのです。

それにマウスの実験でうつ病の全容解明といえるわけもなく。

なぜ「うつ病の発症メカニズム解明」という記事の題名になったのか、そもそも研究グループがそのように言っていたのかはわかりません。

他の記事では「思春期のストレスが一因に」という表現になっていましたし。

「うつ病の原因がわかった!」「こうすればうつ病が治る」というものは一度うたがってみた方がよいかもしれません。

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