浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
「自分の行いは自分に返ってくる」
このような言葉って、いろんなところにありますよね。
人にやさしくすることで、人からやさしくされてくるとか。
「いやいや。与えたって返ってこないことはあるよ」
と思って人もいるかもしれません。
それもそのはず。
この類の言葉は、ギブ&テイクのような言葉ではないのです。
まぁ、この辺りは私の専門ではないのでこれくらいにして。
心理学的にはこれに近いこととして「返報性の原理」というものがあります。
「返報性の原理」とは贈り物、招待、親切にされた、など恩恵を受けた場合、その人にお返しをしなければならないという人間の傾向です。
心理学の実験で、隣の人にジュースを買ってきてあげた後に、チケットを買ってほしいと頼んだところ、チケットの売上枚数が上がった(実験の内容についてはかなり簡単に説明しています)、というものがあります。
この返報性の原理を利用して、試供品とか、無料プレゼントとか、物を売るために使われていることが多いのです。
もらったら返さなきゃっ、ていうものですね。
悪くいえば人の罪悪感につけこむ、ということでもあります。
これを人間関係に使うとすれば「自分の行いは自分に返ってくる」というのはある程度、心理学的には正しいとも言えるのではないのでしょうか。
また「時間が経つと恩恵を受けた側はしてもらった価値を低く見て、恩恵を与えた側はしてあげた価値を高く見る」という実験結果もあります。
とすると「与えたって返ってこない」ということも、ある意味で心理学的には当たっているのかもしれません。
こんな原理を利用する人なんて信用ならない!と思った人いませんか?
私の印象ですが普段の人間関係で戦略的に返報性の原理を意識して人に親切にしている人って、本当に親切な人が多いです。
一つ頼みたいことがあれば10以上は相手に与えてます。
戦略とわかっていたって、協力したくなります。
そこまでされれば、単なる親切な人にしか思えません。
だから返報性の原理を意識して親切にしようとするならば、中途半端ではなく、徹底的に親切にしてあげると、きっと良いことがあると思いますよ。
ただし返報性の原理は詐欺などにも使われるので、知らない人から親切にされたらご用心を。
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