依存と自立③―家族の視点から

臨床心理士の鈴木です。

依存と自立については家族からの視点も重要です。

「あなた方親子は共依存だから、自立しましょう」というカウンセラーが実はたくさんいます。

以前にも書いたようにこのような問題には「共依存」という言葉を使う、治療に対しては根拠の乏しい「治療法」が盛ん行われています。

非常に残念なことです。

一生懸命本人のために何とかしてあげようとして勉強している家族ほど、根拠の乏しい理屈にのめりこみ、結果全く解決しないという例をいくつもみてきました。

例えば心の病を持っている人に、その家族が「依存が原因だから、自立しなさい」と言っても、見捨てられ感が強まり、症状の悪化を招くことが多いと思います。

だいたいの症状は「依存」なんて扱わなくても十分に軽快します。
心の病気の症状の治療と「依存」を扱うことは別なのです(アルコール依存などは除きますが)。

「色んな治療法があるけれど、どの情報を信じたら良いのか」と思ったら、その治療法にエビデンス(科学的根拠)があるか、インターネットなどで調べてみましょう。

それに自立させたい時は、無理やり離れようとすることが唯一の方法ではありません。
説得し「正論」を本人に押し付けようとすればするほど、「自立」は遠のいていくことが多いでしょう。

「依存が問題」と思っている家族の方は、その考えから離れると解決策が見えてくるかもしれませんよ。

うつと不安のカウンセリングご希望の方は
浦和すずのきクリニックの受付、
または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他院通院中の方、どこにも通院されていない方も受け付けています。