
浦和すずのきクリニックの鈴木です。
プレゼン、電話、会議で緊張してうまく話せない。
だから仕事がつらい。
こんな悩みを抱え話し方教室に行っても改善しない人がたくさんいます。
もちろん話し方教室で改善される人もいると思いますが、社交不安症と言われている生活に支障をきたすようなあがり症の人は、話し方教室にいっても改善が難しいでしょう。
その理由は、改善させようとするポイントがズレているからです。
上手く話せるようになるのと、あがり症の克服は別問題であることも少なくありません。
実は話すプロの人でも何かのきっかけで悩むことが多いのです。
このままだと緊張でうまく話せない、これが一生続くのでは?と不安な方へ。
これを変えるためにできることがあります。
この記事では、あがり症(社交不安症)によりプレゼン、電話、会議など仕事で困っている人が話し方教室ではうまくいかなり理由と、改善策について説明します。
読むことにより、仕事上でのあがり症を改善する本来の対策が理解できます。
あがり症の人が話し方教室に行こうとするのはこんな理由からではないでしょうか?
・自分はうまく話せていないからスキルを学べばうまくなるはずだ
・スキルを学び自信がつけば緊張はなくなるはずだ
実はこの部分が本質からズレています。
以下の2つの部分です。
①実際はソコソコ普通に話せている
あがり症の人は「うまく話せていない」と考える人が多いです。
少しどもってしまう、頭が真っ白になり何を話しているかわからない、だからうまく話せていないハズだと。
しかし、実際に話しているのを録音してもらうと、思っている以上に普通に話せていることがほとんどです。
緊張している、頭が真っ白になっている、どもってしまう=うまく話せていないに違いない、という誤解が生まれてしまっているのです。
このためスキルの問題というより、客観視できていないことが問題であったりします。
②スキルが向上しても緊張は無くなるわけではない
スキルを学んで自信がついたら緊張が無くなるはずと思っているかもしれません。
しかし、あがり症の問題の本質は緊張していることではなく「緊張していることが他人に伝わり、他人は自分のことを否定的に思っている」と考えていることなのです。
だから職業上の話すプロの人であっても、あがり症で悩む可能性があります。
「話すプロである自分が少しでも緊張したり、活舌が悪いと他人は悪く思う」など高い意識が逆に不安にさせるのです。
だからいくらスキルアップしても他人から否定的に思われる、他人に緊張していることを知られてはいけないという考え方のクセがあるうちは悩み続けます。
もちろん、話し方教室で話すスキルを学ぶことが無駄なわけではありません。
例えば声の大きさやスピード、言葉の組み立て方、論理的な話し方などを学ぶことで自信につながることもあるでしょう。
私もスキルが明らかに足りない人に対しては、カウンセリングでスキル的なことを学んでもらうことがあります。
しかし、いくらスキルを向上させても「自分はきんちんと話せていない」と自分を客観視できていなかったり、他人からの否定的評価を恐れているうちは、あがり症を克服できません。
あがり症を克服するためには別の対策が必要となります。
そこであがり症を克服するためのポイントを4つ説明します。
①自分のパフォーマンスを客観的に把握する
緊張して頭が真っ白になっていても意外と話せているものです。
まずは自分の「うまく話せていない」という考えが本当かを客観的に把握しましょう。
自分の話しているのを動画をとったり、録音してみるとよいです。
その上でスキルに問題があるならスキルの訓練をし、緊張の問題とは切り離しましょう。
また客観的に把握することで「自分は考えすぎていたのかも」と考え方が変わってくる人もいます。
②完璧に話すことにを目標にしない
あがり症の人は「完璧に話をしなければダメ」と考える傾向があります。
緊張せず、堂々と、話す内容も完璧。
少しのミスも許されいだろうと。
しかし、他人はそこまで気にしておらず自分が勝手に話すことのハードルを上げています。
スティーブ・ジョブズのようなプレゼンをしなければ全て失敗というのもおかしな話ですよね。
完璧にふるまおうとするのを止めてみて、それでも何とかなるのだという経験をしていくとよいでしょう。
③ミスを恐れず仕事に集中
緊張しないようにしようとすればするほど緊張が増すことを知っていますか?
またあがり症の人ほど「相手を見ない」「震えないように力をいれる」「事前に文章を書いてそのまま読み上げる」など、緊張対策をしようとします。
この緊張対策はだいたい逆効果です。
想像してください。
プレゼンの時に相手を見ず、体に力を入れ、原稿を棒読みする人って決してよいプレゼンとは思われませんよね。
緊張があることは失敗ではありません。
そもそもプレゼンや電話対応の本来の目的は緊張しないで話すことではなく、相手に伝わることですよね。
緊張のコントロールではなく、話していることや聞いていることなど本来やるべき目的に意識を向けるようにしましょう。
結果として、緊張感が減りやすくなることもあります。
④過度の低い自己評価を見直す
客観的にうまく話せなかったということもあるでしょう。
あがり症の人はその時に他人から「否定的に思われた」とうまく話せなかったことを過大評価しがちです。
この場合はうまく話せなかったことを他人はどれくらい気にしているのか?を客観的に検討してみるとよいです。
大体の人は「ものすごく否定的に思われていて、ずっと失敗者としてのレッテルを貼られてしまう」
など極端な思考になっているものです。
ただよくある「他人はあなたのことは気にしてないよ」と言われているやり方で考えても「でも、悪く思われていたらどうしよう」と考えるもの。
そんな時は
否定的に思われている証拠は?
それを他人がずっと考えている証拠は?
100%の証拠がないというなら、他人はどのように考えている可能性はあるのか?
など自分の考え方につっこみをいれてみるとよいでしょう。
うまく話せなかったことが事実であっても「他人が否定的に見ている」「ずっと気にしている」と考えるのは「予想」です。
うまく話せなかったことはそれほど大きなことではないことに気づけるようになります。
話す技術を学ぶことと、不安や緊張を改善する技術は必ずしも一致しません。
これを理解をせずに話し方教室に通っていてもあがり症は改善しにくくなります。
話す技術ではなく話すことへの恐怖で悩んでいるなら不安の仕組みを知り、自分にあった対策を立てることが必要となります。
この対策をカウンセリングで一緒に考えることは可能です。
話し方教室に通ってダメだった方はご相談ください。
カウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックのホームページをご覧ください。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。