浦和すずのきクリニックの鈴木です。
外出先で「トイレに行きたくなったらどうしよう」と不安になる人はいませんか?
頻繁にトイレに行きたくなるため、外出が困難になる人もいます。
身体に異常がない場合は、心因性頻尿と呼ばれることがあります。
よく心因性頻尿の対処法としてオムツ、尿とりパットをつける、気にしないようにする、など紹介されていますが、それではなかなか改善されない人が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、心因性頻尿を改善するための必要な情報と具体的な対処法について説明します。
心因性頻尿で悩んでいる方は参考にしてください。
心因性頻尿の原因はストレスや不安など様々な原因で起こります。
原因は様々ですが、多くに共通しているところがあります。
それは、それほど膀胱に尿がたまっていなくても「おしっこがしたい」と感じること。
通常であれば膀胱に尿がたくさんたまったらトイレにいきたくなりますが、尿がたまっていなくてもトイレに行きたくなるのです。
特に不安・緊張する場面ではそうなりやすいでしょう。
心因性頻尿の人は「でも、何回行ってもトイレに行くとおしっこは出るよ」と言います。
だからトイレに行くのは間違っていないのでは?と考えています。
しかし、尿量はそれほど多くないことがほとんどですよね。
要するに「おしっこしたいセンサー」が敏感になりすぎていて、普通なら気にしない尿意が気になってトイレに行きたくなるのです。
心因性頻尿になると生活に支障をきたすようになります。
一番多いのはすぐにトイレに行けない状況を避けるようになること。
長時間の外出、電車やバスなどすぐにトイレに行けないところは行けなくなります。
外出する時はトイレの場所を確認する、オムツを着用するなどの行動をとるようになります。
この対処で外出は出来るかもしれませんがトイレへの不安は改善されません。
外出先ではトイレが気になり集中出来ないと感じます。
知り合いがいる場所だと「頻繁にトイレにいく自分を変だと思うだろう」と考え、遊びに行くことが減り、孤独を感じるようになりがちです。
このように心因性頻尿により、生活の範囲は狭められ、楽しみが減り、気分も落ちやすくなります。
このため適切な対策が必要となります。
対策や対処法はいくつかありますが、最終的には実際に不安に思っていることが本当かどうかを試すことになるので、その方法をご説明します。
対策を考える前に、まずはどんな時に尿意を感じ、どれくらいトイレに行っているかを記録してみましょう。
例えば会議前、外出時など特定の場面があるかと思います。
いつ・どんな時に尿意を感じたか、トイレに行ったか行かなかったか、この辺りを毎日記録してみましょう。
記録をすることでどんな時に困りやすいか、どんなことを回避しているか?客観的に理解でき、対策を考えやすくなります。
また、トイレに行きたくてもそのままで過ごせていることがわかることもあります。
そうなると自信につながり、改善へのモチベーションが高まりやすくなるでしょう。
トイレに行きやすい場面や回避している場面を理解したら、そこでトイレに行かない実験をしてみましょう。
上述のように心因性頻尿は「おしっこしたいセンサー」が敏感になりすぎている、と考えば対策が見えています。
センサーが敏感になっているということは、尿意を感じてもすぐにトイレに行かなくてもよいとうことです。
ところがこれまではすぐにトイレに行っていたため、それが実感できないのです
実感するためには実際にやってみることが大切。
記録でわかった不安な場面・避けている場面の中から一つチャンレジしてみるのを選んでみましょう。
最初は簡単なものからやってみるとチャレンジしやすいです。
チャレンジしてみること決まったら以下の手順でやってみることがオススメ。
①実験計画を立てる
例えば、これまでトイレが不安で外出時間が30分くらいであったならば1時間にしてみる計画を立てます。
②どうなるか予想してみる
計画したら1時間外出したらどうなりそうか?予想してみましょう。
一時間の間に尿が漏れてしまう、外出先では何も集中できず楽しめない、など。
③実験結果を振り返る
実際にやった結果、②で予想したことが当たっていたのか、実際にはどうなったかを振り返りましょう。
例
最初はトイレに行きたくなったが1時間は行かずに我慢できた、最初は集中できなかったが途中からトイレのことは忘れていた。
④実験から得られたこと、疑問点を考える
実験から何がわかったかを考え、疑問点や不安点があれば次の実験につなげましょう。
例
1時間くらいならトイレに行かなくても大丈夫、時間が経てば収まってくることがわかった
しかし、今回は慣れた場所でいざとなればトイレにすぐに行けると考えていたらからできたのかも。
次回は慣れない場所でチャンレンジしてみよう
このような手順で実践し、様々な不安場面にチャレンジしていくとよいです。
実践することで自分は尿意に敏感になりすぎているんだなぁ、尿意を感じても日常生活が思ったより普通におくれるんだなぁということが理解できるようになってきます。
結果的に不安が減り、トイレに行く頻度も適正になり、尿意にとらわれない生活になっていくでしょう。
心因性頻尿にへの対応について解説しました。
心因性頻尿については練習次第で結構良くなる印象です。
これまで行きたい場所にも行けず、外出にもオムツをするなどして対処してきた人は実践することで、大分楽になるはずです。
もちろん一人一人状況は違うためこの記事のやり方だけでうまくいくとは限りません。
その時はカウンセリングで相談しに来てください。