高血圧が不安で血圧測定が止められない!そんな不安を乗り越える5つの工夫

浦和すずのきクリニックの鈴木です。


「また血圧を測ってしまった…」
そんな風に不安で1日に何度も血圧計を手に取ってしまう自分に心当たりはありませんか?

高血圧への不安が頭から離れず、気づけば何度も測ってしまい、そのたびに不安が膨らんでいく…。

あるいは測ること自体が怖くて、血圧計を見るだけで胸がドキドキしてしまうことはありませんか?

もしあなたがそのような状況にいるなら、実はそれは決して珍しいことではありません。

そして、その不安に立ち向かう方法はちゃんとあります。


この記事では血圧への不安とどう向き合い、無限ループのような測定行動から抜け出すための具体的な対策をお伝えします。

不安に振り回されない、落ち着いた日常を取り戻すためにぜひ読み進めてください。



症状

血圧が怖くて何度も測ってしまう人の具体的な症状には、以下のようなものがあります。


  • 過剰に血圧を測る

正常範囲内でも安心できず、短時間のうちに何度も測定してしまいます。

測定結果に強い不安を感じ異常な数値が出ていないか頻繁に確認したくなるのです。

血圧を測ることで一時的に安心するため、ストレスや不安を感じた時に測りたくなります。

これが繰り返されることで、測定行為自体が止められなくなります。


  • 血圧に対する過度な不安

測定のたびにわずかな変動でも大きな不安を感じます。

正常な範囲内でも自分にとっては問題だと感じ、数値を完璧に保ちたいと考えてやすいのです。

血圧が少し高くなるとすぐに心臓発作や脳卒中といった最悪の結果を考えてしまい、パニックに陥ることもあります。


  • 身体に対して過敏になる

頭痛、めまい、動悸などの身体的な感覚に敏感になり、それを「血圧が高いせいだ」と結びつけてしまいます。

このため、さらなる不安が引き起こされ、また血圧を測らなければという思いに駆られます。

身体的な不快があると「血圧が異常に高いに違いない」と思い込み、測定を繰り返しますが数値が正常でも納得できません。


  • 生活に支障が出る

血圧を何度も測ることで、仕事や家事に集中できなくなります。

また、測定結果によってその日の気分が左右され、活動的でいられなくなることも。

外出中に血圧が上がるのではないかと心配し、外で測定できない状況を避けようとして外出そのものを控える人もいます。


  • 医療機関に頻繁に行く

血圧に関する不安から頻繁に病院に通い、何度も医師に相談することで安心しようとします。

また、薬の効果に過剰に依存し、少しでも血圧が上がるとすぐに薬を追加しようとする傾向があります。


  • 結果に過剰反応する

測定結果が少しでも上がっていると大きなショックを受け、反対に下がっていれば一時的に安心するものの、すぐにまた不安が戻ってくることがあります。


これらの症状は、血圧に対する過度な心配や恐れが引き起こすものです。

生活の質を大きく損なうことがあるため、適切な対処法を見つけることが重要です。

血圧に関する不安に対してはどうすればよいのでしょうか?

不安に対する工夫を5つを説明します。


対処法

記録をつける

まずは、血圧を測ってしまう自分の行動パターンを理解することが大切です。

そのために記録をつけてみましょう。

血圧を測った時の状況や、その際に感じた不安のレベル(1~10で評価)を書き留めます。

「どんな状況で測ったのか」「そのときの気分や身体感覚」「どんな考えが頭をよぎったか」を記録することをオススメします。

記録をつけることで、どんな時に血圧の不安が強くなるのか?血圧測定をしたくなるのか?きっかけを理解でき、対処方法を考えやすくなります。

またきっかけを特定することで、血圧測定に走る前に「自分は今、不安を感じているから測りたくなっている」と気づけるようになります。

気づけるようになることで、対処もしやすくなります。





考えが本当かどうか検証する

不安になっている時は自分の考え方が極端になっていることがあります。

例えば「血圧が少しでも上がったらすぐに病気になる」と考えるとか。

そんな考えが頭をよぎった時は「それは本当なのか?」「その根拠は何か?」「他の考え方はないか?」と問いかけてみます。

そうすることで「多少の血圧上昇は健康リスクを直ちに意味するわけではない」と考え直すことができます。

このように自分が不安に思っていることについて「本当?」とツッコミをいれていくことで、極端な考え方が柔軟になり対応しやすくなります。



③血圧を測りたい衝動をやり過ごす練習をする

血圧を何度も測ることは不安を大きくさせるためやめなければなりません。

実際に高血圧で医師から血圧を毎日測るよう指示されている場合は、決められた時間に1回だけ測るだけにしてください。

不安だから念のため測るという行為はやめるようにしましょう。

なかなか血圧を測るのをやめられない時は以下のことを試してください。


最初は測りたい衝動を感じたとき、10分間測定を先延ばしてみましょう。

その後、20分、30分と時間を延ばしていきます。

または回数を減らすことも考えましょう。

一日に5回測っていたら4回、3回と減らしましょう。

「少しの不安をあえて感じたままにしてみる」ことを繰り返すことで、不安に対する耐性が徐々に高まります。



④不安で病院にいく、ネットで調べることはやめる

血圧の測定結果について家族や医師に頻繁に確認する行動は、不安を強化してしまいます。

不安で病院に行くことを止め、家族と「測定の結果を毎回報告しない」というルールを共有し、自分で結果を受け止める練習をしましょう。

またネットで血圧について調べることも不安を大きくさせるのでやめましょう。

確認したくなった時の受け流し方のコツはこの記事を参考にしてください。

https://www.heartcompany.co.jp/urawasinri/2021/10/02/post-5270/



⑤血圧に囚われない活動を増やす

血圧への不安がある人は生活が血圧の確認と対処ばかりになっています。

このため血圧とは関係のない、楽しい・達成感のある活動を増やしていくことがおすすめです。

趣味、スポーツ、友人と話す、好きなものを食べるなど、自分の生活が有意義になるような活動をすることで気分が改善されます。

活動していても血圧のことが頭から離れないかもしれませんが、そのまま活動しましょう。

時間が経つとともに不安の程度がマシになりやすいです。

①で紹介した記録をつけることをしているなら、不安になりやすい時間に計画的に活動を入れてみましょう。

不安以外のことを考えるようになり血圧測定を止めやすくなります。

不安の強さを記録しているなら最初不安が10(最高)だったのが活動しているうちに3に変化したなど、血圧測定しなくても不安がマシになることを目でみてわかりやすくなるでしょう。


まとめ


血圧への不安に悩んでいると自分の気持ちをコントロールするのが難しいと感じるかもしれません。

しかし、考え方や行動のパターンを少しずつ変えていくことで不安に支配されることない生活をすることはできます。

焦らずに取り組んで、自分のペースで一歩ずつ進んでいきましょう。



カウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックのホームページをご覧ください。 他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。