浦和すずのきクリニックの鈴木です。
ネットで不安に思っていることを調べていたらどんどん不安が強くなってきた経験はありませんか?
病気ではないかと思って調べていたら、重大な病気である可能性が高く感じられてくるとか。
不安が強くなっているにもかかわらず、ネット検索が止められなくなっている人も多いはずです。
そこで今回はネット検索でなぜ不安が強くなってしまうのか?どのような対策をしたらよいのか?について説明します。
不安にとらわれている時間と程度が大幅に下がる可能性があるので、是非実践してみてください。
不安なことをネットで調べる人がよくやってしまいがちなことがあります。
・医師や弁護士に無料で相談できるサイトに登録し質問する
・知恵〇のような掲示板で質問する
・病気や犯罪のことなど不安に思っていることをネット情報を集める
これらのことをやるとだいたいは不安が増します。
その理由について代表的なもの3つ紹介します。
① 最悪のことがに当てはまる情報ばかり集める
頭痛がしてそれをネットで検索をしたとしましょう。
病気不安症の人なら「頭痛 原因」と調べ、「脳梗塞かも」という情報ばかり目がいくかもしれません。
実際のところはただの頭痛でほっといても大丈夫なことが多いはず。
しかし、そんな情報は出てこないし、出てきても目がいかないでしょう。
「最悪こういう病気が考えられる」という情報を考え、その病気についてばかり調べるようになります。
添加物が不安な人なら添加物をとったら大変なことになるという情報ばかり集めます。
添加物によってはとりすぎると危険だけれど、普通にとるくらいなら健康被害が少ないことには目がいきません。
「今は健康被害がなくても、将来的に健康被害が出てくるものだってある」という情報を見て、添加物はさらに危険と思うようになります。
このように不安なことをネットで調べると、自分の考えや仮説を肯定するような都合のよい情報ばかり集めやすいのです。
「確証バイアス」と呼ばれています。
ネットでは不安に思っていることについて最悪のパターンを載せていることが多いです。
このためネットで調べれば調べるほど最悪のことが起こっていると思いやすくなり、不安が強くなるのです。
②疑問を解消しようとしてもどんどん疑問が出てくる
ネットで不安に思っていることを質問したとしましょう。
医師や弁護士が答えるサイトもあるし、企業のサイト、知恵〇のようないろんな人が答えるものがあります。
犯罪をしてしまったか不安で「これは犯罪ですか?」とネットで弁護士に相談して「犯罪ではないので大丈夫ですよ」と言われても、「違っていたらどうしよう」と考えたり、他の不安が出てきたら弁護士に相談することが止めらなくなる人もいます。
医師に質問できるサイトで「この症状は病気ですか?」と相談しても、医師が言っていることが本当かどうか疑念を抱き調べ続けます。
「ネットではこういう意見もあるけれどどうなのか」と矛盾点がないかを一つ一つ確かめていく人もいます。
仮に納得してもまた別の不安が出てきたら質問することを繰り返します。
企業の製品なら、製品の安全性を完璧に大丈夫と思えるまで質問しようとしてクレーマーのようになる人もいます。
このように不安症の人は不安について質問しても、疑念を抱き続けるのでいつまでも不安は消えません。
一つのことが解決したとしても、また別の不安が出てきます。
「完璧に大丈夫」と思える返答を追い求め、新たな疑念がわくと質問をすることを繰り返してしまいます。
③一日中不安解消のために時間を費やしてしまう
ネットで情報検索し、質問したりしているとあっという間に一日が過ぎてしまいます。
ということは、一日中不安なことを考えていたことになるのです。
本来なら気分転換したほうがよいのですが「不安なことが気になって気分転換なんてできない」「気分転換している場合じゃない」と考えてネット検索がやめられません。
つまり、不安を解消しようとしてネット検索しているつもりが、楽しい時間を減らし逆に不安な時間を増やしているのです。
不安をネット検索したい衝動にかられたらどうしたらよいのでしょうか?
もちろん不安についてはネット検索しないことが望ましいでしょう。
検索して不安が増しているということは、検索しても解決しない可能性が高いです。
不安なことがあっても一定期間検索せずそのまま過ごす実験するのも一つの手段です。
検索せずそのまま過ごして何か最悪な問題が起こるのか?を体験してみましょう。
多くの場合、何も問題は起こらないことが実感できます。
ただ、なかなか検索することをやめられない、ある程度不安なことを調べなくてはいけないということがあるでしょう。
その場合は以下のことを試すとよいかもしれません。
①ネットではなく直接専門家に相談する
ネットで相談するといろんな情報が出てきて止められないものです。
ネットでの相談相手が専門家であったとしても細かい背景がわからないまま答えることになるので「こういう可能性があるよ」と曖昧な答えになりがちです。
不安症の人は曖昧な答えが苦手なので疑問を抱き不安は消えません。
相談するなら直接専門家に相談したほうがよいかもしれません。
専門家に相談するまで保留にすることでネット検索する時間を減らすことができることもあります。
気をつけなければいけないのは、専門家に直接相談しても「本当だろうか」と疑念を抱いて、様々な相談機関に相談し続けることがあります。
また解決したとしても、次々に疑問がわいてきて相談が止められなくなることがよくあります。
その場合は、相談すること自体が不安を強くさせている可能性があるため、相談自体をやめた方がよいかもしれません。
②不安解消以外の時間を増やす
不安なことを調べないでひたすら我慢するのは難しいもの。
結局は調べてしまう結果になりやすいです。
このため、調べたくなったら他のことをすることを考えておきましょう。
外出する、テレビを見る、誰かと話す、家事をするなど、何でもよいので他のことをしてください。
また、ネット検索しているということは検索する時間があるということになります。
つまり暇な時間を作りすぎないよう予定をいれておくとよいです。
ネット検索しやすい時間がいつかを思い出してください。
その時間帯にやることを決めておくことにより、ネット検索に意識が向きにくくなります。
おそらくこの記事を読んでいる人は不安でネット検索をしているからたどりついたのだと思います。
ということはブログも読めば読むほど不安になる可能性もあります。
ある程度読んで必要な情報を得たのであれば、インターネットは閉じて現実の生活に戻ることをオススメします。
それでも不安症で悩まされているならネットで対処法を調べるのでなく、不安に関する専門家に直接相談したほうが良いです。
ネットで調べ頭の中でグルグル同じことを悩んでいるよりも、専門家に相談するなどして具体的に何を今すべきか?を考えて行動するようにしましょう。
そうすることでネットで調べて不安になる時間がまた減ってくるはずです。
カウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックのホームページをご覧ください。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。