浦和すずのきクリニックの鈴木です。
強迫症の症状の一つに「不完全恐怖」があります。
自分のルール通り完璧にやり遂げないと気が済まない症状です。
例
・モノが左右対称の位置でないとダメ
・家具の位置がずれているとダメ
・読書は完璧に理解していると感じるまでやり直す
・完璧な字が書けるまで書き直す
・自分のルール通りの手洗いをしないとダメ
・ネットで気になった言葉を調べまくり、本来調べたかったことにたどり着かない
100点と思える行動や感覚がないとやり直したり、気が済むまで確認したりすることが多いです。
今回は不完全恐怖についての特徴と改善方法について説明します。
不完全恐怖で悩んでいる方は参考にしてください。
不完全恐怖には外の強迫タイプと同様、不安や不快さを解消するためにやっているものがあります。
例
・完璧な手順通りに洗わないと汚れが落ちない
・ルール通りの儀式をしないと不幸なことが起こる
・言葉の意味や解釈があっているかを過剰に調べたり聞いたりする
曖昧、不完全がとっても嫌!完璧にしないと不安なことが起こるというイメージです。
不潔強迫や縁起強迫など他の強迫タイプと結びついたりします。
一方で、不安というよりは「ピッタリ感」「すっきり感」を求めてやってしまう症状が多いとも言われています。
・本を特定の順番に揃えないと気が済まない
・服を着た時の感覚が100点じゃないとやり直す
・完璧と思う字が書けるまで書き直す
不安の解消というよりは、自分なりの100点の感覚を追求するような感じです。
どちらのタイプも自分が思うように完璧に行わないと気が済まないというところが共通しているところです。
完璧にやりたくてしょうがいない!というのが不完全恐怖なのですから、完璧さを減らしていくことが改善方法となります。
自分が完璧にしたいと思って困っていることを「わざと」不完全にする練習をしてみましょう。
例
モノの位置が対称じゃないと気が済まない→わざと非対称にしてモノを置く
本の順番を順番通りに揃える→わざとバラバラにする
順番通りに体を洗う→わざと順番を変えて洗う
完璧な字を書くまで書き直す→わざと不完全の字をたくさん書く
読書時、完璧に頭に入るまで読み直す→頭に完璧に入らないまま読み進める
不完全感が嫌ならあえて不完全にする。
ピッタリ感を求めるなら、あえてピッタリ感を生じさせずにモヤモヤさせるよなことをする。
基本的にはこれらを念頭に対応を考えていくとよいです。
このような練習をすることで不快さは一時的に増しますが、練習していくうちに気にならなくなってきます。
不快な状況が起こった時だけやるのではなく、あえて苦手な状況を作るようにすると効果的です。
例えば読書をする機会があった時だけやるのではなくて、読書する機会を一日に何回か作ってやってみるなど。
不快さに耐え続けるのだ・・・みたない受身的な姿勢ではなく、積極的に練習してモヤモヤ感に強くなろう!という姿勢で臨むと改善しやすいでしょう。
不完全恐怖の対応について簡単に説明しましたが、個人的な印象ではこの症状を強迫症の方が自力で克服するのは難しいのではないかと感じています。
対応方法について「完璧にこなそう」など考え強迫的になりやすく、一人でやっているとなかなかうまくいっていない話をよく耳にします。
このため出来れば認知行動療法の専門家のもとで自分に合ったやり方を教えてもらいながらやることをオススメします。
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