浦和すずのきクリニックの鈴木です。
ネガティブ思考で悩んでいる人にありがちなのは「ポジティブ思考にすればよい」という間違い。
ネガティブな時にポジティブに考えようとしてもポジティブには考えられない自分に落ち込むだけになります。
このためポジティブ思考以外の選択肢を知ることは重要です。
ネガティブ思考への対策の一つは自分の考え方のクセに気づき、柔軟な考え方ができるようになること。
ネガティブな時は考え方が偏っていますが、それに気づきかずどんどん落ち込む状態になっています。
例えば友人からのメールの返信が遅いと「嫌われている」と考える人がいたとします。
単に友人が忙しくて返せないなど他の理由があるのかもしれないのにもかかわらず、嫌われている以外の可能性を考えられなくなるのです。
その時、自分の視野が狭くなっていることに気づき、メールの返信が遅いことへの他の可能性が考えらることで落ち込みを軽く出来る可能性があります。
この記事ではネガティブ思考に気づきやすくするため、ネガティブな思考5つのパターンに分類してその対策について解説しています。
ネガティブ思考の大半はこの5つのどこかに当てはまるものです。
今自分が悩んでいることがどの考え方のクセに当てはまるかを考えて、対策してみてください。
根拠が乏しいのにネガティブに決めつけをする。
例 他人がヒソヒソ話をしていると「自分の悪口を言っている」と考える
メール等の返信が遅いと「嫌われている」と考える
対策
・自分の考えていることとは別の可能性がないかを考える
・直接言われていないことは思い込みの可能性があると認識する
自分が気にしている主に悪いことばかりに目がいってしまう傾向。
「いつも~だ」が口癖
例 「昔は嫌なことしかなかった」
一部の人と仲が悪いと「自分は人間関係が下手だ」と考える
対策
・100%そうなのか?自分が考えている事実はなかったのか?を問いかける
少数の事実から広範囲のことを結論づけてしまう傾向。
例 悪口を言われたことがあると「他人はみんな自分の悪口を言う」と考える
浮気をされたら「男(女)はすべて浮気者」
対策
・本当に全ての人に当てはまるのか?を考えてみる
・自分の経験を絶対視しない
失敗を過大評価し、うまくいっているところは過小評価する。
例
・自分が出来たところは「みんなも出来ているから大したことない」と考え、失敗したことは「取り返しのつかないことをした」と考える
・他人はみんな立派で、自分は何やってもダメ
対策
・自分が出来ているところは認めるようにする
・人が本当に完璧かを観察してみる
物事を完璧こなし、白黒ハッキリつけないと気が済まない傾向。中間がなく折り合いがつけにくい。
自分を追い詰める傾向があるが、他人を厳しい目で見ることもある。
例
・完璧に毎日掃除をし、バランスが良い食事を作るべき
・一度仕事をでミスをしたらダメな人間だ
対策
・中間の考え方をいくつか考えてみる
・「~すべき」と考えているなら「~にこしたことがない」に言い換えてみる
ネガティブな思考に気づいたら、まずその状況と思考内容を紙やスマホなどに書き出しましょう。
書き出すことで客観的に思考を検討しやすくなります。
例
状況 他人がヒソヒソ話をしていた
思考 私の悪口を言っている
それから自分の考えがどの考え方のクセに当てはまるか考えてみるとよいです。
一つだけとは限りませんし、正解はありません。
そしてこの状況について他の解釈の仕方がないか?を探ってみてください。
ポジティブに考えろってこと?と思いやすいのですが、そうではありません。
ネガティブな時は一つの考えにこだわりすぎているから、現実的には他にもどのような可能性があるか考えてみよう、というスタンスで取り組んでください。
例えば「嫌われている」とネガティブに考えているなら「嫌われてもいいや」など単にポジティブ転換するのではなくて「本当に嫌われてるって言えるの?その証拠はある?」とか現実を調査してみましょう。
「他の可能性があるかな?」と思えるだけで軽くなるものです。
ネガティブな可能性もあるし、別の考え方の可能性もどちらもあるかもしれない、という結論になるかもしれません。
その時はどの考え方が今の自分に役に立ちそうなのか?自分を楽にしてくれそうなのか?で考えてみるのも手です。
ネガティブ思考をメモしているとわかるのですが、同じようなネガティブな思考パターンをしているものです。
思考パターンに気づけるようになれば、対策も早く気づきやすくなります。
もちろん、思考パターンを柔軟にするだけでは解決しない場合も多いですが、問題解決のきっかけにはなりやすいです。
ネガティブ思考で困っている人はぜひ活用してください。
もっと細かいことを知りたい、もっと具体的に教えてほしいなどあればカウンセリングでご相談ください。