浦和すずのきクリニックの鈴木です。
強迫症を悪化してしまう要因を知っておくことは重要です。
ネットや書籍で調べているつもりでも、正確の情報を得ていることは少ない印象です。
そこで今回は強迫症が悪化する要因3つについて説明します。
どのタイプの強迫症の人にも必須知識なので参考にしてください。
不安なことが起こった時に安心・スッキリさせるためにやっている行為を「強迫行為」と言います。
手洗いを何度もする、確認をする、行動をやり直す、などあります。
一時的には安心・スッキリするのですが、次第に止められなくなり強迫症を悪化させます。
他の例だとこのようなことも。
・不安なことをネットや書籍で調べる
・他人が曖昧な回答をすると納得いくまで聞き直す
・医療機関に行って病気かどうか検査をする
・どこからどこまでが強迫観念かをわけようとする
強迫行為には頭の中でやる強迫行為もあります。
・不潔なものに触っていないか?鍵がかかっていたか?など記憶をたどる
・「大丈夫」と何度も言い聞かせたり、大丈夫な理由を探す
・悪いイメージが浮かんだら良いイメージを思い浮かべる
・ある一定のことを一通りスッキリ考えるまで動かない
目に見える強迫行為は知っている人でも、頭の中の強迫行為については知らない人も多いのでないでしょうか?
実は医療関係者やカウンセラーでもこれを知らない人が大半な印象です。
頭の中の回避についてはこちらの記事を参考に詳しく書きました。
強迫行為はやればやるほど悪化します。
「少しくらいはやってもいいよね」と思ってやると、止まらなくなるものです。
少しずつ止める練習をしましょう。
巻きこみは他人を強迫に巻き込むことです。
例
・家族にも手洗いを強要する
・家族の行動を制限する
・「大丈夫だよね」と家族に確認する
・手洗いや確認を他人に見てもらう
・医師に重大な病気かどうか何度も確認する
巻きこみも強迫行為と同じでやればやるほど悪化します。
「大丈夫だよね?」の質問に周囲が「大丈夫」と答えていると何度も聞くようになります。
不安なのだから「大丈夫と安心させれば解決するのでは」と周囲も思いがちですがそれは強迫の罠。
最初は些細なことでもどんどん要求がエスカレートするのです。
特に家族を巻きこみやすいで関係性が悪化して、ストレスがたまりさらに強迫が悪化します。
このため巻き込みをしてはいけないし、周囲の人は巻き込みに応じてはいけません。
ご家族や周囲の方にも強迫症の知識をつけてもらうようにしましょう。
回避とは強迫観念が起こるような苦手なきっかけを避けることです。
・ドアノブが触ると手洗いを何度もしてしまうからドアノブに触れない
・加害強迫があるから運転を避ける
・怖いニュースをみると「自分にも同じようなことが起こる」と考えるため、ニュースを見ない
回避もやればやるほど不安を強くさせる性質があります。
車の運転をすると「誰かひいたかも」と考えて不安だから車に乗らないとしても、自転車でも「誰かひいたかも」と考え不安になります。
自転車を避けたとしても「歩いて誰かにぶつかったかも」と不安になります。
このように回避をしても不安の対象は広がり、日常生活で出来ることが少なくなってきます。
以上のことから回避をしてはいけません。
回避していたことにあえてチャンレンジしていくことが必要となります。
車の運転をする、苦手なモノに触る、苦手なことを考える、など不安なことをやることでだんだん怖さは減ってきます。
これを「曝露」と言います。
この時に、強迫行為や巻き込みをしないこと(これを反応妨害といいます)を同時にやらないとなかなか改善しないのでご注意ください。
曝露と反応妨害についてはこちらを参考にしてください。
今回紹介した3つの悪化要因をやっていると強迫は改善しません。
まずは自分がどんな強迫行為、巻き込み、回避をしているかを把握してみましょう。
それを少しずつ変えていくと強迫症が改善していきます。
どこが強迫行為になっているかわからないという方はカウンセリングの中でご相談下さい。