浦和すずのきクリニックの鈴木です。
頭痛がすると「脳梗塞では」など、何か重大な病気にかかっているのではないか?と不安になる症状で悩む人がいます。
以前は心気症という名前でしたが、「病気不安症」「身体症状症」など名前が付けられることがあります。
厳密な診断はされていなくても様々な心の病気でこのような症状で悩んでいる人はいて、対処法を知らない人も多いです。
そこで今回は心気症でやってはいけないこととその改善方法について説明します。
症状を軽くするためのヒントとなるはずです。
病気か不安になると病院に行って検査をしてもらおうとします。
検査結果は異常なしで安心しますが、またすぐに不安になりませんか?
検査の結果は誤診ではないか?誰かと間違われた結果ではないか?など考えませんか?
または違う症状が気になり、頻繁に病院に行っていませんか?
人によってはいろんな病院をわたり歩く「ドクターショッピング」をしてしまいます。
病院にいくと一時的な安心がありますが、すぐに疑問が思い浮かび不安になります。
すると安心を求めて病院に行き、また不安になり病院にいくようになり、まるで病院が一時的に安心させる麻薬のようなものになり、行くのを止めらなくなります。
「病院に行かなければこの不安は永遠に続く」と考えてしまのです。
安心したい気持ちに依存して不安に耐えられない心理状態になり、新たな不安を生み出すきっかけになる可能性もあります。
心気症を改善するためには一時的に安心することをやめて、不安に強くなっていくことが必要です。
病院受診をやめると不安は強くなりますが、これから説明する他の対処も含めて実践することでそれほどとらわれなくなってきます。
健康診断など定期的なものは問題ありませんが、不安で病院受診をするのはやめましょう。
これとは逆に「病院にいって病気が見つかったら不安だから病院にいかない」と病院を回避しているパターンもあります。
必要な健康診断も避けていませんか?
不安は回避すると強くなる性質があるので、これも逆効果となります。
そんな人は適度に病院にいくようにするとよいです。
病気が不安になるとネットで調べようとしませんか?
調べてしまうと最悪の病気のケースに目がいってしまいどんどん不安になるものです。
病気でないかもしれないという情報って基本的にはないですし、不安な時は自分が病気で
あることに合致する情報を探すものです。
またネットで医師が疑問に答えてくれるサイトなどで相談する人も多いです。
当然ネットなので文字だけで病気かどうかの判断は難しいです。
「○○のケースもあるから、不安なら病院受診しましょう」ということになるでしょう。
「医師からアドバイスがあったからそうすべきだ」となり、病院受診を繰り返すことにも
なります。
心気症を改善させるには、病気かどうかについて白黒ハッキリさせないでおく練習が必要
となります。
「いつもの気にしすぎのやつだな」と考えてみるのも一つの手です。
しかし「自分の判断が間違っていて病気を見過ごしたらどうしよう」と不安になることが
多く、頭で何とかしようとしてもなかなかうまくいかないもの。
100%の安心がないことを受け入れていくことで、少しずつ気にならなくなってきますよ
インターネットサイトで医師に症状について確認するのもそうですが、家族や知人に「大
丈夫かな」「不安だ、どうしよう」と話していませんか?
「大丈夫だよ」と言われたり「心配なら病院いけば」と言われたりすることになるかと思
います。
これも白黒ハッキリさせようと安心しようとしているので悪化しやすいのと、他人に何度
も同じような話をするので、相手から「いい加減にしてくれ」と言われ関係が悪化しやすくなります
。
関係が悪化すればストレスもたまり、さらに不安が悪化するスパイラルにはいりやすいも
のです。
不安なことは吐き出してスッキリさせよう!みたいなことも言われますが、心気症の人は
やりすぎてしまうので効果的ではないことがあります。
また不安なことを話すことは、不安なことを考えている時間を増加させることでも
あります。
このため他人と話をするときは病気に関すること以外の日常会話をすることをこころがけ
るようにしましょう。
ホクロをみると「皮膚ガンでは」と不安になる人は、ホクロを頻繁に見てチェックします
。
頭痛がすると「脳梗塞では」と考える人は、頻繁に意識が頭にいって頭痛がするかどうか
チェックをするようになるでしょう。
このように気になるところを頻繁にチェックすると、当然気になる頻度も増えてしまい
ます。
気になる頻度増えれば不安も強くなりやすいです。
では、どうしたらよいか?ですが気になるところはチェックをしないようにします。
普段、自分がどんなチェックをしているか振り返ってみてください。
チェックしないと気になって仕方がないかもしれません。
そんな時「気にしない」ということは意図的にはなかなか難しいです。
しかし「気になるけど、他のこといろいろしていたら自然に気にならなくなった」という経験はありませんか?
チェックするとは関係のない活動をしていくと不安はうすれやすいです。
もちろん他のことをしていても頭に不安が残っている感じはありますが、気になる部分をチェックしたり病気のことを考えこむことを邪魔しやすいので粘り強く実践しましょう。
心気症になると頭の中が病気のことばかりになります。
すると自然に健康に意識が向きやすいです。
それ自体は悪くないのですが、過度になると不安は強くなりやすいです。
ネットや本で「この食べものは健康にダメ」と書いていると、それまで好きだったもので
も不安で避けるようになり楽しみが減ります。
睡眠不足はダメと言われると、眠れなかったら病気になると考えて不必要に早く寝ようと
こだわり眠れない不安が強くなりこともあります。
瞑想したり運動したりと、それ自体は有益なことでも「やらないとダメ」にこだわると不
安にとらわれるのです。
「やりすぎたら駄目だよね」「これをやったら健康に良いよね」という情報が「それをや
ったら病気になる」「これをやらなければ病気になる」と不安の種に変わっていませんか
?
健康にこだわった生活は、不安を引き起こしたり生活の選択肢が狭まったり、逆に不健康
なものです。
何のために健康になりたいのでしょうか?
健康が人生の目的となり病気になるかもしれない不安にとらわれ、楽しみや日常生活の幅
が失われた生活が本当に自分が望んでいる生活なのか?を考えてみてください。
多くの人は楽しく充実した生活を望んでいると思います。
健康にこだわりすぎた生活ではなく「自分はこんな生活が送りたいんだ」を軸に生活面を
変えていくことで、病気へのこだわりも減りやすくなります。
カウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックのホームページをご覧ください。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。