【強迫症】「確認は3回まで」がダメな理由

浦和すずのきクリニックの鈴木です。

確認強迫の人で

「確認は3回までにしよう」

とか確認の数を決めて確認を減らそうとしている人はいませんか?

何十回も確認をしていた人が3回でおさめられるようになれば大分楽なのでそれはそれでダメではありません。

しかし、ほとんどの人がそのやり方ではうまくいっていない、または途中でまで改善されてもソコソコ症状がのこっているはずです。

今回は「確認を3回まで」が

なぜ、うまくいかないのか?

どうすればよいのか?

について説明します。

確認強迫の人のみならず「あと一回だけ」みたいなことを考えがちな強迫症の人は参考にしてください。

「3回だけ」は3回で収まらない

確認強迫の確認のことを「強迫行為」と言います。

例えば鍵を閉めたかどうか不安になった時に確認(強迫行為)をすると安心します。

しかし、すぐに「きちんと閉めていないのでは」と不安になり確認がやめられなくなるのです。

そんな人が「確認は3回まで」と決めてやったらどうなるのか?

だいたい3回では収まりません。

想像してみてください。

ケーキが大好きな人がダイエット中にケーキが目の前に出されて「3口だけ食べよう」としたらどうなりますか?

酒好きな人が禁酒している時に「3口だけ飲もう」としたらどうなりますか?

3口ですみませんよね。

3口と言わず一口食べたら止められないと思いませんか?

仮に一度は3口で済んだとしても、いつも3口で済ませられますか?

できないですよね。

それどころかこれまで我慢した分、ケーキや酒をこれまでよりたくさんとってしまいそうではありませんか?

「もう、ここまできたら好きなだけ食べて飲んでやる!」

とヤケになって、そのあと

「なんて自分は意志の弱い人間なんだ」

と落ち込み、ダイエットや禁酒をやめてしまうってことが一度は経験あるかと思います。

これと同じで確認がやめれなくなっている人にとって、確認を「3回まで」とすることってとても難しいことなんです。

中途半端に強迫行為を止めようとすれば、もっと確認が増え「確認をやめようとすると悪化する」と思ってしまうこともあります。

人によっては「3回確認」がクセがつき、3回以上の確認の時は「もう3回」となり、3の倍数の確認をしてしまう人もいるので注意が必要です。

「でも3回までってやったら少し良くなったよ」という人もいるかもしれません。

もちろん、それはそれでOKです。

しかし、そこからなかなか改善していないのでは?

ひどい時よりはマシになった。

でも不安はなかなかなくならないし、なんなら他のところに確認が増えてきた、みたいなことになっていませんか?

3回まで確認をしていいって、結局は確認したいという安心が欲しいというところから抜け出せていないのことが多いのです。

症状が軽くなっても治ってはいないので、調子が悪くなるとすぐに元に戻ってしまいます。

確認はしない方が意外とやりやすことも

では、どうすればよいのか?ですが基本的には確認行為はしてはいけません。

「それができないから困っているんじゃないか!」

と思うかもしれませんが、先ほどお話したように「3回までで我慢」の方が難しいことが多いです。

ケーキや酒を3口で終わらせるよりも、一口も食べず飲まずの方が楽だったりしますよね。

食べないクセをつけていけば、多少の誘惑があっても打ち勝てるものですし、少し飲み食いしてしまっても途中で止められやすくなります。

それと同じで確認はしない方が改善しやすいのです。

「確認ゼロなんてできたら苦労はないよ!」

と思う人も多いでしょう。

そんな人は確認の回数以外のところでハードルを下げてあげるのも手。

例えば外出時の確認で鍵、ガス、窓、コンセント、水道などの確認があって、コンセントなら確認しなくてすみそうなら、そこから確認ゼロでやってみるとか。

鍵の確認であれば5分くらいの外出なら確認が我慢できそうというならそういうのから始めてみるとか。

このように確認の回数ではなく、不安な状況の難易度で確認しないでおく練習をしていくと確認しないクセがつきやすいです。

自分がどんな状況で不安になりやすいのかをリストアップして、難易度の低いところをさがしてみるとよいかもしれません。

確認強迫といってもいろいろありますので、具体的な対処法や注意点はこちらの記事を参考にしてください

鍵の確認についてはこちら

車関係の確認についてはこちら

大事なものを落としたのではという確認はこちら

誰かにぶつかったのでは?という確認はこちら

何か盗んだのでは?という関係の確認はこちら

まとめ

確認回数を3回までとする方法が絶対ダメ、というわけではありません。

改善しつづけているのであれば問題ないです。

また仕事の確認のように確認をしなくてはいけない場面では難しいこともあります。

しかし、確認の回数を決める方法がうまくいっていない、改善が止まっている人は別の方を試した方がよいかと思います。

どのようにやっていいのかわからない、って人は認知行動療法の専門家に相談しながらやってみてくださいね。

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