浦和すずのきクリニックの鈴木です。
「不安を受け流す」は大切なことです。
不安は未来のことなので考えても仕方がないことが多いです。
それをいちいち考えていたら大変なことになります。
このため受け流すスキルは大事。
しかし、不安を受け流すことが難しいという人も多いはず。
その原因の一つは受け流すということを誤解しているから。
今回は不安を受け流すとはどのようなことなのか?について説明します。
不安を受け流すことがうまくできないって方は参考にしてください。
不安に対しての向き合い方を知っておくことでうまく対処できるようになります。
「不安を受け流せないんです」という人に共通しているのは、不安なことを考えなくなることが受け流すということだと思っていること。
そもそもそこが間違っているのです。
不安なことを考えないようにしようとするとどうなりますか?
余計、不安なことを考えてしまいませんか?
そうなんです。
「不安なことを考えないようにしよう」って「考えている」のでさらに考えてしまうのです。
よく使われる例なのですが、銃口を向けられて「不安なことを考えたら打つぞ」といわれたら余計不安なことを考えますよね。
考えないなんて無理な話なんです。
瞑想しても座禅を組んでもいる人もいますが、不安を考えないようになることが「受け流す」だと思っているとうまくいかないだけでなく、悪化する可能性すらあります。
まずはここのあたりを理解しておきましょう。
では受け流すってどういうことなのでしょうか?
とあるカウンセラーの先生から聞いた例なのですが、なかなか面白いので私なりのアレンジも加えてご紹介します。
受け流すというのはゲームをしている子供がお母さんから「宿題やりなさい」と言われて「はーい」といってそのままやりたいゲームしているようなもの、ということ。
逆に不安を消そうとするのは、お母さんに向かって「うるせーな、だまってろ」といって、言わせないように努力しているようなものなんです。
そんなこといったらお母さんと言い合いになり疲れちゃいますよね。
不安も流れません。
だから不安がいっていることには抵抗せず「はいはい」と答え、好きなことをするのがよいのです。
ここでのポイントは不安(お母さんから宿題しなさいといわれること)とのかかわりを保っていること。
不安を消そうとしたりしないで気になっている感覚はそのままにしておくのです。
例えば「悪いことが起こるかも」という不安自体は消えないので、もうあるものだと考えるのです。
そこではジタバタしない。
「あっちいけ」と消そうとせず、
「うるさいけど、しゃーないなー」と出てくる不安は受け入れて、自分の好きなことをそのまま続けるのが受け流すということ。
「宿題しなさい」
「いつまでゲームしているの」
「明日、どうなってもしらないからね」
などお母さんの言う内容はアレコレ変わってくるかもしれません。
それも「はい、はい」と返してそのままやるべきことをやり続けるとよいです。
そうしていくうちに不安は自然に小さくなっていくんですよ。
不安とは戦わず受け流すというイメージはつかめましたか?
そのまま「はいはい」と対処した場合、実際の親子関係だとゲーム取り上げられるということはありますが、それはお母さんにゲームを取り上げる決定権があるから。
しかし、相手が不安の場合は違います。
ゲームを継続するかどうかの決定権は自分にあるのです。
不安で悩んでいる方は不安に決定権を握られているような感覚になっていますが。
よく「不安だから○○ができない」という人がいますが、不安で気になったとしても自分のやりたいことをやることは可能なんですよ。
例えば「○○をしたら悪いことが起こるかも」と不安になっても○○をするかどうかは自分で決めることができますよね
不安になる考えや感情はコントールできないからそのままにして、行動をコントロールするのです。
そうすると不安でも振り回されなくなるので、不安は自然に小さくなってきます。
実際のところは不安は大きくなったり小さくなったりを繰り返すのですが、それでもそのまま受け流す姿勢を保てると今までよりはマシに過ごしやすくなりますよ。
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