浦和すずのきクリニックの鈴木です。
・仕事でミスをしないように完璧でなければいけない
・他人から悪く思われないように完璧にふるまわなければならない
・悪いことが起こらないように完璧に対策しなくてはいけない
これらのことは不安症の人によくある考え方です。
完璧にやらないと悪いことが起こりそうって考えて疲れていませんか?
不安症に特徴的な完璧主義。
「完璧じゃなくていいんだ。適当にしよう」
「白黒じゃなくてグレーでいよう」
とポエムっぽい対処で言い聞かせたところでほとんどの人は変わりません。
そこで今回は不安症によくある完璧主義的な考え方への3つの対処法について紹介します。
完璧じゃなくてもよいことを体験できると不安症も改善しやすいですよ。
不安症の完璧主義の特徴は
「完璧にやらないと、悪いことが起こってもしまう」
と考えること。
・完璧にやらないと怒られる
・完璧に対処しないと事故に合う
・完璧にふるまわないと変な目で見られる
・自分がガンではないことを完璧に確信できないと手遅れになってしまう
悪いことが起こる確率をゼロにしようとするとすることで苦しくなってきます。
・ミスをしないように何度も確認して仕事が進まない
・事故に合うと思って外出が制限されてしまう
・他人の目が気になり外出前に変なところがないかチェックして、さらにマスクや帽子で自分を隠そうとする
・ガンではないか不安で一日中ネットで調べたりいろんな病院で検査をうけまくる
完璧にしたつもりでも世の中悪いことが起こらない保証なんてできないです。
完璧の基準が上がってきて、何をやっても安心できなくなります。
悪いことが起きないように完全に安心させることにこだわるのが不安症の完璧主義の特徴です。
完璧主義への対応方法というと
「適当に考えよう」
「グレーにしておこう」
「60点でいいじゃないかと思おう」
とかよく言われています。
確かに対処法としてはその通りなんですが「グレーにしようと考えていたらよくなりました!」って人をあまりみたことはありません。
そもそも「適当」「グレー」「60点」で具体的になんだよ!って思いませんか?
そんな白黒はっきりつけたい人がグレーな対応方法を教えられて「はい、そうですか」とはなりません。
もう少しつっこんだ対応も身につけておく必要があるでしょう。
そこで完璧主義への対応方法について3つ紹介します。
1つ目の対処法は完璧にふるまうメリットとデメリットを検討する方法です。
「ガンではないか」と不安でネットで病気について調べり、いろんな病院に行っている人ならば、そのような病気への不安を完璧にゼロにしようとすることのメリットとデメリットをそれぞれ考えてみます。
例
メリット
・病院で検査をして異常なしだと安心
・病気を早期発見できる可能性が高まる
デメリット
・何度検査をしても安心できない
・一日中ネットで調べることばかりで楽しくない
・1つの病気が安心できても次に別の病気が不安になりきりがない
こんな感じでメリットとデメリットを考えられるだけ考えてみましょう。
考えたら
・メリットとデメリットどちらが多かったか?
・完璧に不安をゼロにすることと、完璧にしないでおくことと、どちらの方が自分の人生を豊かにするか?
を検討してみてください。
完璧のメリットが多ければそれでよいし、デメリットが多ければ完璧に安心させないでいることを選択して病院にいったりネットで調べたりするのをやめるという決断をするとよいでしょう。
頭で考えるのではなく実際に書いた方が客観的に検討できます。
2つ目の方法は完璧ではなくてもよい理由を考えること。
「完璧にしなければ大変なことが起こるって本当なの?」と自分の考えにつっこんでみるとよいです。
普通に考えてもよいのですが、ツッコミ方のバリエーションがあると完璧でなくてもよい理由をたくさん挙げられます。
ツッコミの例
・完璧にしなければ悪いことが100%起こるの?起こらない理由は?
・これまで完璧にしなくても過ごせた経験はないの?
・あなたはすべてにおいて完璧なのですか?完璧じゃないところはなぜ完璧じゃないままでいられるのですか?
・完璧に安心できることなんてあるの?
・他人が完璧にしようとして悩んでいたらなんて言ってあげる?
・他人には完璧じゃなくてもよいといってあげるのに、なぜ自分は完璧じゃないとダメなの?
以上のツッコミを自分が「完璧にしなければ悪いことが起こる」と思っていることに当てはめてください。
完璧ではなくても理由をたくさん挙げることで「完璧じゃなくてもいいかも」と思いやすくなります。
上記に挙げたメリットとデメリットを考えたり、完璧じゃなくてもよい理由を考えても「やっぱり完璧じゃなきゃ不安」って考える人は、考えるだけでなく行動を変えてみましょう。
というか、行動を変えないとなかなか完璧主義は治りません。
不安に思っていることが本当か実際にやってみましょう。
これまで自分が安心するためにやっていたことをやめてどうなるか実験してみるとよいです。
例えば
・「常に会話が途切れないようにしなければつまらない人間だと思われる」と不安に思っているならあえて会話が途切れるようにしてつまらない人間だと思われる結果となったかを実験する
・人混みで動悸がしてきて「このままだと気が狂って死んでしまう」と不安なら、本当に気が狂うのか実験してみる
・家族が事件に合うのではと心配で常にGPSで監視したり、安否確認を何度も続けているというなら、それをやらないでみる
実際にやってみると完璧な対処をしなくても何も起こらないことが体験されるし、仮に何か起こっても思っていたほど最悪のことにはならないことが理解できます。
一度だけだと「今回はたまたま何も問題が起こらなかったけれど次はわからない」となります。
このため何度も実験してみましょう。
この方法は勇気が必要となります。
「もし家族の安否確認せずに事件に巻き込まれていたら一生後悔する」など心配になるかもしれません。
そんな人は上記に挙げた①や②の対処をしてみるとよいです。
それでも不安だと思いますが最後は「エイ!」と思い切ってやってみましょう。
きっとこれまでと違った考え方ができるようになるはずです。
特に上記で挙げた③の「あえて完璧じゃない行動をしてみて悪いことが起こるのか実験してみる」ことが必要です。
①や②のように自分の考え方に疑問を投げつつ、③のように実際に実験する流れでやってみてください。
それでもうまくいかない場合はカウンセリングに相談しにきてくださいね。
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他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。