唾の音が気になる!唾恐怖症の治し方

浦和すずのきクリニックの鈴木です。

つばの音を飲み込むと「音が聞こえて不快な気持ちにさせているのでは?」「変な人って思われたのでは」って不安になる人がいます。

通称「唾恐怖」といわれています。

唾の音が気になり静かなところや、人が近くにいるところを避けるようになり生活に支障をきたすようになります。

今回は唾恐怖で悩んでいる人がどのように対処していったらよいのか、一つのやり方を説明します。

実践することで気にならなくなってくる確率が上がると思うので、やってみてください。

まず、唾恐怖の人の「考え方のクセ」と「行動のクセ」を説明します。

ここを理解していくことが、改善への一歩です。

考え方のクセ

唾恐怖の人は唾をのみこむ音が聞こえていると思っています。

それで周囲の人は、その音に反応していると考えがちです。

例えば、周囲の人がイライラしていたら「自分の唾の音のせいでイライラしている」

隣の人が横を向いたり、立ち上がったりすると「自分の唾の音のせいだ」と考える、などなど。

色々と考えることがありますが唾の音で「周囲の人が不快に思っている」、または「自分のことを否定的に思っている」と考えます。

 行動のクセ

唾をのみこむと不安なので、唾をのみこまないようにしてしまうことがあります。

口の中でためていたり、ティッシュなど吐きだしたりするかもしれません。

また、唾の飲み込む音が聞こえそうな静かな場所、人が近い場所を避けるようになります。

自分が行きたい場所に行けず、生活範囲が狭くなります。

やっかいなことに不安は「避けると怖くなる」という特徴があります。

避ける→怖くなる→避ける、の繰り返しで症状が悪化していくのです。

不安から抜け出すための方法

では、この状態から抜け出すためにはどうしたらよいのでしょうか?

対処法はいろいろありますが、基本的な方法を一つ紹介します。

考え方のクセで出てきた「考え」が本当かを実験する方法です。

例えば「唾をのみこむ音を周囲が気にている」で悩んでいる場合。

それが本当かどうか実験してみましょう。

実験の流れは以下の通りです。

 ①不安な考えが起こる状況を作る

自分の考えていることが本当かどうか確かめてみるには、避けていたことをやってみることが一番です。

行動のクセのところで出てきた、避けている・不安な状況に行ってみましょう。

「図書館に行って、唾を飲み込んで音を立ててみる」などよいかもしれません。

 ②やってみたらどうなるか予想をする

①のことを実際にやったらどうなるか予想してみましょう。そして実際に予想通りになる確率0(そんなことは絶対におきない)~100%(必ず起きる)を書きます。

ここで注意点があります。

「周囲が音を気にしている」では、本当に気にしているかどうかわかりません。

「気にしている証拠」を挙げてみてください。

「目で見える」「耳で聞こえる」ものに限定するとよいです。

「唾を飲み込むと、目の前の人が咳払いをする、席を立つ 90%」とか。

 ③実験した結果

①のことをした結果②のようになったかを検討します。

ここでも事実に注目して「見えたもの」「聞こえたもの」だけにしてください。

「唾を飲み込んだが、咳払いも席を立つこともなく本を見ていた」

 ④実験の結果から言えること、疑問点

③の結果からどのようなことが言えるのか?②で予想した結果「唾を飲み込む音が周囲が気にしている」という確率が何%になったのか、疑問点があれば書き出し次の実験につなげてみましょう。

「唾を飲みこむ音がしたとしても、周囲はそれほど気にしていないかもしれない。しかし、今回はたまたまだった可能性がある。別の場所で試してみよう。50%」

 何度も実験を繰り返すと改善してくる

気になることがあれば①~④を繰り返しやってみるよと良いです。

多くの場合ですが、自分の考えとは違う結果となります。

何度も繰り返すと「唾液の音を周囲が気にしている」という考えが変わり、不安も少なくなってきます。

困っている人はやってみてください。

うまくいかない、一人ではどうしていいかわからないって人は相談しに来てくださいね。

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