パニック障害の予期不安を克服するための方法

浦和すずのきクリニックの鈴木です。

パニック症の多くの人は「予期不安」で悩んでいます。

予期不安とは「電車に乗って発作が起こったらどうしよう」等、パニック発作など不安なことが起こることを予期して悩むことです。

予期不安があるから、電車など怖いところを避けようとします。

もしも不安場面にいく予定があれば、数週間前から不安なことで頭がいっぱいになり、生活が苦しくなるでしょう。

予期不安に負けて不安場面を避けようとすると悪化するので、予期不安への対策は必要です。

今回は、予期不安で悩んでいるパニック症の人が、どうすればよいのか?について説明します。

パニック限らず他の不安への対処法にもなりますよ。

 なぜ予期不安が強くなるのか?

予期不安が強い人が共通してやっていることがあります。

それは不安場面でどう対処したらよいかをずっと考え込んでいること。

「飛行機に乗って、過呼吸になったらどうしよう」

「頓服飲んで、あれもやって・・・」

など、どうしたらよいか何度も考えていませんか?

実はこれが予期不安を悪化させる要因の一つ。

不安への対策を考えること自体が悪化させるわけではありません。

ある程度、不安になったら何をどうすればよいかわかっていないと困りますからね。

例えば過呼吸になったらどうするかとか。

参考記事

過呼吸になったらやるべき3つの対処法

しかし、対策をずっと考えているとなると変わってきます。

対策を考えるということは、不安なことを考えることなのです。

不安で一日中「パニック 対処法」をキーワードにネットで調べ、リラクゼーションや自己啓発、心理学の情報をかき集めていたらどうなるでしょうか?

安心させるつもりでしょうが、おそらく安心できないのではありませんか?

なぜなら、事前にいくら準備しても「不安場面でもなんとかなる経験」をしない限りは安心できないからです。

「あーなったらどうしよう」

「この対策が本当に役に立つのだろうか」

など、キリがありません。

結果的に一日中不安なことを考えることとなり、さらに予期不安が強くなるだけ。

このため、不安への対策をある程度具体的に考えたら、それ以上対策については考えないで日常生活を送るのがおススメです。

考えないようにしようと思っても頭の片隅に不安はあると思いますが、予期不安は最小限にできます。

 対策を考える時に注意する点

予期不安の根本的に解決するためには、考えないでいるだけでなく、実際に不安場面でパニック発作があってもやり過ごせる経験をすることが大切です。

「飛行機に乗って不安にはなったけれど、しばらくしたら何もしなくても収まった」

とか。

ところが不安場面に行ったとしても予期不安が改善されないケースがあります。

「飛行機で不安だったからアルコールを飲んで寝て不安にならないようにした」「頓服薬飲んで安心」など何かで不安をごまかしている時です。

事前に具体的に対策を考えることは良いのですが、これをやると不安はなかなか改善されません。

「飛行機にのれたからいいじゃないか」と思うかもしれません。

しかし、今度は「アルコールないと不安だ」「頓服薬がないと不安だ」となります。

結局パニック発作を恐れていることには変わりません。

「飛行機は乗れるけれど、怖いからできれば乗りたくない」と考えやすいので、予期不安は強いままでしょう。

このため予期不安を克服するためには、不安場面に行ったときに安心させるような行動をナシにしながらやっていかなくてはなりません。

いきなりは難しいかもしれませんが、少しずつ減らしていきましょう。

何度不安に挑戦しても予期不安が強い人は安心させるような行動をしていないかチェックしてみてください。

パニックに挑戦する時の基本的なステップはこちらに書いていますので参考にしてください。

・パニックが怖くなくなりますよ パニック発作に対処する5つのステップ

 まとめ

パニック症で予期不安に悩んでいる人は、対策を過度に考えすぎないことが大切です。

これはパニック以外の不安症状でも同じことが言えます。

対策を考えすぎず、日常生活を送るようにしましょう。

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