浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
嫌な考えが浮かびつらくなって「寝て忘れよう」とする、いわゆる「寝逃げ」をしたことありませんか?
寝逃げをして「スッキリ爽快。さぁがんばるぞ」「寝たらリセットされた」と思えるならよいのですが、そうではなければ寝逃げは逆効果です。
悩みが強い時ほど、寝逃げはうまくいかないのです。
この記事では、なぜ寝逃げはダメなのか?どうすればよいのかについて説明します。
寝逃げで辛くなっている人は、そこから抜け出す一歩にしてください。
寝逃げは今の苦しみから逃れようとするためにやります。
もちろん寝たらすっきりするのであれば問題ないですし、夜遅くまで悩み事をあれこれ考えるよりは寝た方が良いです。
しかし、寝て起きたらつらかったり、休日昼間や夜の早い時間に考えたくないからといって寝逃げするのはおススメしません。
嫌な記憶ほど、寝て起きると残りやすいものなのです。
起きた時「また現実の世界に戻った。つらい」と絶望感がありませんか?
また寝逃げには他にもデメリットがあります。今回は2つ挙げます。
休日昼間に寝逃げをすると、夜間に眠れなくなります。
人によっては夜に考えるのが嫌だからといって、20時とか21時とか早い時間に寝ようとします。
するとかえって眠れなくなるのです。
眠れない→嫌なこと考える→もっと眠れない→昼間に寝逃げ→夜眠れない・・・の悪循環。
睡眠薬で無理やり寝ようとしてもうまくいかずどんどんお薬が増えていませんか?
睡眠リズムが狂うと不眠になりやすく、不眠になれば不安も強くなります。
休日などに寝逃げをすると、楽しいことをする時間がなくなります。
そうなると、起きている時間は楽しいことはなく嫌なことだけになるから寝逃げをし、さらに生活が楽しくなくなります。
当然どんどん気分が落ち込んでくるでしょう。
では寝逃げする代わりに何をしたらいいのでしょうか?
体を休めることと、心を休めることは必ずしもイコールではありません。
ゴロゴロしていると嫌なことばかり考えませんか?
時間があるとマイナスのことを考えてしまうのがマイナス思考時の特徴でもあります。
そんな時は少しでも寝込んでいるよりはマシかもしれないことをしてみましょう。
悩んでいる時に、運動したり人と話したら少しスッキリしたって経験ありませんか?
「寝込むよりマシなことをする」というのは、特に特別なものである必要はありません。
珈琲を飲む、テレビを見る、とりあえず外でブラブラ、誰かに電話、などいろいろあります。
マシな行動っていっても何していいかわからない!って人はこちらの記事も参考にしてください。
・生活がつまらなくてウツっぽくなっている人が、楽しいことを見つけるコツ
「そんなことしてもどうせ楽しめないし」と思うかもしれません。
ここで大切なのは「楽しめるかどうかは、とりあえずやってみから考える」という「実験してみよう」という姿勢。
何回かやってみてダメなら別のこと試すといいし、楽しめそうなら続ければよいです。
寝逃げしていれば気分は変わりません。
しかし、行動していけば気分が変わってくる可能性は上がります。
少しでも気分に変化をもたらすことを「実験」してみて下さい。
寝逃げをしたくなる原因となっているものを解決に向かわせるために一歩すすんでみましょう。
対人関係、強迫、パニック、その他不安で悩んでいて嫌になっている場合。
そこを解決しないといつまでたっても、悩んだままであることも多いです。
うつやパニック、対人、強迫ではあれば、お薬や認知行動療法が有効です。
一人で解決できないなら、専門家の手を借りるのもよいかと思います。
いずれにしろ、動かなれば今のまま苦しいことが続く可能性があります。
積極的な治療が必要であれば、そこに一歩踏み出していきましょう。
悩みが大きい時の寝逃げはデメリットの方が大きいことが多いです。
寝逃げのデメリットが大きければ、今回ご紹介した方向性で動いてみて下さい。
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