浦和すずのきクリック、臨床心理士の鈴木です。
強迫性障害の代表的な症状の一つが手洗いです。
人によっては、数十分~数時間手洗いが止まらないことがあります。
「手洗いを短くしよう」としてもほとんどうまくいきません。
短くなったとしても、なかなか生活に支障のないレベルまで達するのは難しいでしょう。
強迫の症状によってそれぞれやり方が違ってくるんですよ。
今回は強迫で手洗いが長い人がどうすれば改善できるか、症状別に説明していきます。
悩んでいる人にとって改善へのヒントになるでしょう。
手を洗う理由は、手が汚いと思っているからとは限りません。
「嫌なイメージが浮かんで、それを払しょくするために手を洗う」
「すっきりしたタイミングで終えるために手洗いが長くなる」
ということもあります。
この場合、不潔なことが怖い強迫の人と同じようなやり方をやってもうまくいきません。
手を洗っている理由によって、克服方法が少し変わってくるからです。
手を洗っている理由?って考えたことあります?
これ結構大事です。
考えるコツは、手を洗った後に「どんなよいことが起こっているのか?」と問いかけること。
「手がキレイになったような気がする」
「嫌なイメージがなくなる」
「すっきりする」
など、いろいろあると思います。
人によっては複数あります。
対処法を「手洗いを5分ずつ短くいこう」とか、手洗いの時間を短縮することをやりがちです。
絶対だめというわけではないですが、冒頭でも書いたようにそれではほとんどうまくいきません。
一度手洗いしたらやめられないのが強迫。
我慢した分を取り返すように、後で手洗いがひどくなる可能性が高いです。
短くなったとしてても、克服までいたらないでしょう。
ではどうしたらよいのか?
手を洗っている理由がわかったら、その逆のことをしていくとよいです。
このパターンの人が一番多いでしょう。
細菌、ウィルス、なんとなく汚いとか。
逆のことをやっていくので、
「手を汚くして、ウィルスがいっぱいいるような状態にする」が改善方法となるでしょう。
不潔強迫が代表例です。
詳しいやり方はこちらを参考に。
・HIVに感染したか不安な強迫の方へ これをやると圧倒的に改善します
感染恐怖の記事ですが、やり方は同じですので。
縁起強迫の人が多い印象です。
「このタイミングで手洗いを止めたら悪いことが起こる」とか。
「よいイメージが思い浮かんだタイミングで手洗いを終わらそう」と考えているものです。
この場合は、手洗いをしないではうまくいきません。
汚いことが怖いわけではないし、手洗いしないで済むならしない方が楽なので。
嫌なことをしていくのが治療なので「わざと手洗いの時に嫌なイメージを思い浮かべた状態で手洗いを終える」になるでしょう。
詳しいやり方はこちら。
こういう人は不安感を取り除くためにやっているというより、「スッキリ感」を求めてやっていることが多いです。
この場合は「スッキリしない洗い方をする」が効果的であることがあります。
わざと中途半端な洗い方をするとか。
不潔なものを触っても手洗いしなくて平気な人は、もしかしたらあてはまっているかもしれません。
詳しい対処法こちらの記事を参考にしてください。
強迫性障害は「手洗いをしているから、対処法はこうだ!」というものでありません。
何を恐れているのか、避けているのかで対処法が違ってきます。
今回紹介した3つのタイプ以外もあります。
そうなると、多分一般の方が自分で対処していくのは難しいです。
強迫性障害は認知行動療法が最も有効ですので、専門家に相談しに行ってください。
うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。