浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
パニック障害では電車に乗れないでいる人が多いです。
薬を飲んでもなかなか克服できず、何年も克服できずにいる人もいるでしょう。
電車にのっていろいろ自由に行けると、生活範囲が広がって、気分も良くなってきます。
でも、いきなり電車にのるっていうのも怖いでしょう。
そんな時は段階を踏んでやっていくとよいです。
この記事では、電車が怖いパニック障害の人がどのようなステップで克服していったらよいかについてご紹介いたします。
まずは基本的なパニックに関する知識を入れておきましょう。
パニックの基本的な知識についてはこちらに書いています。知らない人はどうぞ。
あとパニック発作に対してどのようなやり方をすればよいかについて。
それはこちらの記事に書いていますので参考にしてください。
さて、ここまで理解したら電車にチャレンジしてみましょう。
電車といっても、どのような電車が怖いか、どういう状況が怖いか?が違うと思います。
それを怖い順にランキングをつけるとよいです。
0が全く怖くない。
100が死ぬほど怖い
数字をつけてみましょう。
電車の種類によって怖さが違うと思います。
例
普通電車 30
快速 50
地下鉄 70
特急 80
新幹線 90
もちろん、このままやれそうなところから電車に挑戦してよいのですが、条件によってもっと細かくランキングをつけていくと効果的です。
その条件は以下を参考にしてください。
距離が短いとやりやすいですよね。
しかし、距離が短すぎてもうまくいかないのでご注意ください。
最低15分以上は乗るようにしましょう。
空いている電車と混んでいる電車では、混んでいる電車の方が怖い人が多いです。
あまり考えない人もいますが、帰りの電車の方が「自宅に帰れる」ということで不安が少ない人が多いようです。
「誰かと一緒にいた方が安心」ってタイプと「誰かと一緒にいると迷惑かけそうで不安」ってタイプがいます。
スマホ、水、フリスク、頓服薬など、持ち歩くかどうかで不安の強さは変わってきませんか?
これは「安全確保行動」といって、不安を長引かせる作用があります。
不安の強さを上げる時は持ち歩かないようにします。
頓服薬は不安に挑戦することの効果を低くすることが多いです。
「薬のおかげで乗り切れた」と考えて、「薬がなければ電車い乗れない」と考えるから。
人によりますけど。
自分にとってどういう状況が怖いか理解できましたか?
以上のこと参考にして少しずつ電車にのっていくと良いです。
例えば、
「空いている普通電車に家族と一緒に○○駅まで乗る」から始めていって、
最終的には
「混んでいる新幹線にのって一人で薬や水を持ち歩かず○○駅までいく」
をやるとか。
必ず、最高に不安なところまでやっていきましょう。
「普通電車に乗れたから、新幹線に乗れなくてもいいや」と考えて、新幹線を恐れているうちはパニックを克服できないです。
勇気が必要ですね。
電車の練習の仕方について書いておいてなんですが、パニック障害を克服するには「電車に慣れる」ではなく、「パニック発作が起こっても対処できる」経験をつんでいくことの方が重要です。
そうでないと「電車は乗れるようになったけど、他が怖い」となります。
ご注意くださいね。
自分でどのように挑戦してよいかわからないって方は相談に来てくださいね。
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