浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
突然の動機、息苦しさ、目まいなどパニック発作で悩むのがパニック障害。
パニック障害の原因についてはネットなどでも書かれています。
でも、いろいろありすぎて「どれがホントのことなの?」って思ったことありませんか?
今回は、以外と知られていないパニック障害の原因と悪化要因について紹介します。
結論から言えばパニック障害の原因はわかっていません。
「脳内のセロトニンがー」「脳の異状がー」「ストレスがー」とか書かれていたり、説明されたりすることがありますが、それは「仮説」に過ぎないのです。
セロトニンが少なくなった人やストレスがたまった人みんながパニック障害になるわけではないし、異常がない人・ストレスがない人もパニック障害になることがあるんです。
ましてや心の弱さでもありません。
よく病院で説明される「パニックはセロトニンがー」ってのも仮説なんですよ。
だからセロトニンを増やす食べ物を食べたり、活動したりしたところでパニックがよくなるわけもなく。
「何かストレスがあったのでは・・・」ってしてしまうと、ストレスなんて探せばいくらでもあるので的の射ない悪者さがしになってしまいます。
原因がわからないのはパニック障害だけじゃなくて、他の心の病気もぜ~んぶ不明です。
これを知らない人が結構多い。
パニック障害の原因をあえて言えば「脳、ストレス、性格、遺伝、環境要因などいろいろ影響しあって起こる」ってところでしょう。
ストレスは原因というより、一つのきっかけと思った方が良いと思います。
原因は不明なので「なんでパニック障害になったのだろう」と原因探しをしてもムダです。
どうすればよくなるのか?を考えていきましょう。
原因が不明だからといって、治ってしまうのもパニック障害というか心の病気の特徴。
問題解決するときに原因を突き止めて、それを解消することが唯一の方法だと思っていませんか?
「モノゴトには必ず原因がある」なんて理屈っぽい人は、発想の転換が必要です。
原因がわからくたって、解決できることはたくさんあるんですよ。
むしろ心の病気は原因探しが悪化要因にもなります。
原因不明なので解決の方向に向かわないから。
原因を突き止めて解消するって考え方ではなく、悪化要因を把握して断ち切っていくという考え方が大切です。
これでよくなっていくんですよ。
なぜ悪化するのか?
悪化要因の一つは不安から逃げることです。
例えば電車の中で・・・
→ドキドキ、息苦しさ
→死ぬのではないか?息がすえなくなる
→逃げる
→パニックになったら困る場所を避ける
このパターンはドキドキや息苦しさ、症状が出たら困る不安な状況を避けていますね。
不安は避ければ避けるほど強くなる性質があります。
避けると一瞬安心しますが、「避けなければ危険」と考えてもっと苦手になるのです。
パニック発作を怖がり避けているので、どんどん不安が強くなり悪化すると考えられています。
ではどうすればよいか?というと、パニック障害の性質を知り、不安に慣れる練習をしていくとよいのです。
これについてはこちらの記事に書いたので参考にしてください。
このように原因が何か?ではなく、悪循環は何か?と考えて良い循環に変えていくことが治療には大事なのです。
もっと具体的に相談したい!一人じゃ無理、カウンセラーに指導を受けながら一緒に治療していきたい!って方はカウンセリングに来てくださいね。
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