浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
人前で顔が赤くなることを恥ずかしく思う赤面症の人は日本人に多いです。
社交不安障害の代表的な症状の一つ。
10代の頃から気にしている人も珍しくはありません。
治療法は薬か認知行動療法が有効とされています。
薬を飲んでも一時的な効果であったり効果がなかったりする場合は、認知行動療法がおすすめです。
というか、それくらいしか有効な対処方法はないです。
催眠とか過去を探るとかリラクゼーションとか漢方とか、科学的根拠はないですよ。
では、赤面症(赤面恐怖症)にはどう対応していったらよいのか?
今回は赤面症によくある3つの考え方のクセを変えることで克服していく方法についてご紹介します。
赤面症の原因はわかっていません。
「どうしてこうなったのだろう」と考えると、「過去の親子関係が」「自信がないのが原因だ」と、考えがち。
原因は不明なのでこんなこと考えても意味がありません。
むしろ余計なことに時間をそそぐので悪影響です。
「原因は何か?」ではなく「どうしたらよくなるか?」を考えましょう。
赤面症の人によくある考え方のクセが3つあります。
①自分の顔は赤くなっているだろうという確信
②赤い顔に周囲は気づいているだろうという確信
③周囲は赤い自分をみて「変な奴」「緊張している」と否定的に思っているという確信
この考え方のクセを柔軟にしいていくことで赤面が改善されていきます。
ではどうすればクセを変えられるのか?を説明します。
なぜ赤くなっていると思いますか?と聞くと、「以前人に指摘されたことがある」「顔が熱い感じがする」と答えます。
つまり実際に赤いかほとんど確認していないことが多いのです。
また「どれくらい赤いと思いますか?」と聞くと「これくらい」とすごい赤い顔を思い浮かべています。
こんな文字の色の赤い顔の人なんています?
実際に赤いかどうか確認できておらず、どれくらい赤いかもわかってないのです。
このため、実際に自分が赤面になっているかどうか、どれくらい赤いかを確認してみましょう。
そうすることで「赤くなっていなかった」「赤いといっても思ったほどじゃなかった」と思えます。
そうするとちょっと怖さが減りますよね。
具体的なやり方はこちら記事にも書いています。
①で実験してみたら少し赤くなっていた、またはその時赤くなかったとしても不安って人は次のステップです。
一人の時は赤面しても困りません。
赤面して困るのは他人の目が気になる時です。
一度考えてみください。
あなたが赤面しているとして、人は気づいているのでしょうか?
「こんなに赤いのだから気づいているに違いない」と思っているでしょう。
それも実験してみると変わってくる可能性があります。
外に出かけ、人が自分の赤面に気づいているか観察してみましょう。
わざとほっぺにチークを塗って赤くしてみてもよいです。
どれだけの人が自分を見ているか、他人の視線を観察してください。
100人にすれ違ったらどれだけの人が見ていると思います?
目があった人がいたら、どれくらい自分を顔を見ていると思います?
予想してください。
その予想と実際の差を体験してみまましょう。
ほとんどの人が自分を見ていない現実に気づきやすくなります。
こうすることで考え方も変わってきますよね。
これについては基本的に②を実験していくことで変わってくることが多いです。
そもそも自分を見ていないので「変な人」と思いようがないですから。
それでも少数の人にでも赤面を気にされたら困るという人もいるでしょう。
他人が「変な奴」「緊張している」と否定的に思っているという確信にあるのは「自分が赤面を気にしているのだから、他人も気にしているだろう」という理屈です。
極端に言えば「自分の考えはみんなの考え」てこと。
これにツッコミをいれていきます。
方法の一つが人から意見を聞いてみることです。
「赤面している人をみたらどう思うか」と。
・「変な奴」と考えひそひそと話をして「あの人は赤面する人なんだ」とずっと考えている
・「緊張しているのかなぁ」と思い、その後特に気にしない
他人から聞いてみるとどっちの方が多いと思います?
調査してみてください。
自分の予想と違っていることが多いと思います。
他人はそれほど赤面なんて気にしていないことがわかると楽になりませんか?
①~③を実行する上で、やってはならない行動があります。
赤面を隠す行動です。
例えば
・マスクをつける
・熱いものを避ける
・暑い場所を避ける
・明るい場所を避ける
・ファンデーションを厚くぬる
・他人と対面に座るのを避ける
一時的な安心はあっても、症状を悪化させます。
マスクをしていたら赤面していても誰も気にしていないという経験ができないので、いつまでも不安が克服できないままです。
これらのことをやめた上で①~③を実行しましょう。
今回のことは1~2回やったらよくなった!ってことはあまりありません。
何度も何度も繰り返しやりましょう。
やればやるほど不安に慣れてきて、考え方も変わっていきます。
「自分の症状の場合はどうするの?」「もっと詳しく知りたい」って方はカウンセリングで相談してくださいね。
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