確認しても記憶がない それ強迫性障害のシワザですよ

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

鍵やガスを何度も見ても記憶に残らないで不安、ってことは強迫性障害ではよくあります。

確認しても「さっきのは見間違いでは」「ちゃんと見ていなかったのでは」となりますよね。

記憶がないので、じーっと見つめたり、指さし確認したり。

何十分とやって中には外に出られなくなる人もいます。

いくら記憶に残そうとしても安心できないのですよ。

では、どうすればよいのでしょうか?

今回は何度も確認しても記憶に残らない確認強迫の対応について。

 記憶にこだわると症状は悪化する

基本的に記憶があるかどうかにこだわってはいけません。

「記憶が曖昧」と感じさせるのは強迫のシワザですからね。

記憶が微妙だから確認するのは、強迫のワナにはまっているのです。

強迫は「ホラホラ、記憶がないでしょー。だから確認しちゃいなよー」って言ってきます。

確認すれば一時的な安心はありますが、その後不安は強くなります。

ワナですよ。

だから見れば見るほど記憶に自信がなくなるのです。

記憶障害?と心配される人もいますが、強迫ですよ。

 記憶があるかないかにこだわらない生活になろう

「カギをしめたか記憶がはっきり残るようになりたいんです」って人がいます。

鍵をしめたかどうか記憶にこだわるのが強迫なのでそんな風になるのはマズイです。

強迫がよくなるというのは鍵をしめた記憶がはっきりすることではありません。

記憶がはっきりするかしないかにこだわらない生活ができるようになることが良くなっている状態です。

そうなるための方法は記憶になくても鍵やガスを確認せずにその場を立ち去ることです。

当然不安になりますよね。

「泥棒にはいられたら」「家事になったら」と考え不安になり、胸が締め付けられるような感覚になるかもしれません。

その不安な感覚をわざと引き起こし、確認をしないでいることを何度も練習することで、不安に慣れてきます。

 確認しないで何かあったらどうするの?

「確認しないで何かあったらどうするのか」と考えるでしょう。

不安なことが実際にあった時の対処を考え安心しようとしているのです。

結局は安全かどうかの確認をしたり、「そんな重大なことが起こって後悔するくらいなら確認しよう」って考えたりします。

強迫行為ですのでやめましょう。

あえて考え方を言うなら

「不安なことは起こった時に考える」ですね。

こんな風に考えられるようになるのは、確認しないで不安に慣れていく練習した「後」。

つまり「考え方が変わったら強迫が治るだろう」ではなく「強迫が治ったら考え方が変わってくる」なのです。

考えで何とかしようとせず行動しましょう。

 とにかく練習!

ガスや鍵をしめても記憶に残らない強迫性障害の方は、記憶がないまま確認せずにいて不安に慣れる練習をすることです。

難しい時は、やれるところからやっていきましょう。

どこからどう手をつけていけばよいかわからない人は相談しに来てくださいね。
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