「 2016年02月 」一覧

カウンセラーが心理学を活用して筋トレを始めてみた

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

今年も新しいこと始めました。
ちょっとした運動。筋トレもどきですが。
雪が降った時に、ちょっと片付けただけで筋肉痛。
仕事がら一日中座っているだけなので運動不足になっています。

何か動くたびに筋肉痛が起こる。
これはマズイ。
いつも患者さんには「カウンセリングは心の筋トレだ!」と言っていますが、私は本物の筋トレは苦手です。
どーも、あの単純作業が飽きてしまう。

実はこう見えて私・・・所属は体育会系だったんです。
中学~社会人チームまでいました。ソコソコ本格的にやってました。
絶対そのようにみられないです。
まぁ、当時から体育会系に見られなかったので、当たり前かもしれません。
筋トレはさぼりさぼりやっていたし、日本式部活でよくある「声を出していこうよ!」ってのもなんか嫌で嫌でテキトーにごまかしてたし・・・。
よくやっていたなぁと思います。

そんな私が普通にやれば筋トレが続くわけがありません。
ライザップのCMのように水着で踊りたいわけではないですし。
せめて、多少動いても筋肉痛にならない体になりたい。

そこで心理学的な力を借りてやってみようかと思います。
自分で書いた、目標が達成しやすくなる5つの心理学的ポイントに当てはめてやってみます。

①目標は具体的に
→スクワットをする
スクワット嫌いです。ただ代謝を上げるには効果的とプロの人にいわれたので。本当かはわかりません。
座っているので足は鍛えないと思ったのと、ウォーキングは続かなそうだったので。

②無理な目標は立てない
→一日20回から始める
昔から筋トレ嫌いだったのでそこから。
鍛えるなら、さらに・・・ってとこでしょうけど。
鍛えるというよりは、運動の習慣をつけて動くたびに筋肉痛になるのを防ぐのが目的なので。

③実地方法は具体的に
→毎日、入浴前にやる
習慣づけるためには、いつもやっているものの前にやった方が続きやすいかなぁと。
これとは違いますがいつやるか?は結構重要です。
毎日やる習慣があるものの前にやると続きやすい原理を参考にするとよいかと。
この原理についてはこちらの記事はこちら。
嫌だなぁと思ったことをやるには

④目標を妨げそうなものの対策を考えておく
→ブログで公開しておくと、患者さんに「毎日練習しましょうね」と言っているのでプレッシャーになるでそれを思い出すようにする

⑤チェックして公開する
チェックはしてないけど、ブログで公開はしてみました。

先月末から始め、今のところ一日だけサボりましたが、続いています。
マッチョになりたいわけではなく、運動の習慣をつけていきたいだけなので、モチベーションをどう保つかですね。
さて、どれくらい続くかどうか。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


強迫性障害のマズイ治し方 克服できないのは方法に問題があった! 

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

手洗いや確認が多い強迫性障害。
一人でやろうとしてもうまく治療できないもの。

治療がすすまない人が、よくやってしまいがちなマズイ方法があります。
代表的なのは3つ。
①確認や手洗いを少しずつ短くしようとする
②確認や手洗いを先延ばしにする
③頭の中で安心させようとする
「認知行動療法やったけど良くならない」って人はだいたいやっています。

なぜよくならいのか?解説していきます。

①確認や手洗いを少しずつ短くしようとする

・確認を10回やっていたのを1回ずつ減らしていこう
・手洗いを1時間やっていたのを5分ずつ減らしていこう
・確認や手洗いを同じ様にするけれど、素早く終わらせよう

この方法は思いつきやすいのでやる人多いのですが、ほとんどうまくいきません。
多少良くなったとしても、途中からいきづまります。

一回やりだしたら止まらないのが強迫性障害です。
ちょっとずつ減らしいくのは意外とハードルが高いのです。
あと確認や手洗いをしているうちは、結局苦手なものを避けているもの。
安心を求めているうちは良くなりません。

確認をしないでやれるところ、触ったとしても手洗いしないですむようなところを探して少しずつやっていく方が良くなりやすいです。
時々強迫行為をしてしまっても症状は軽くなります。

②確認や手洗いを先延ばしにする

先延ばしにするやり方。
・確認を我慢するのを〇分待ってからにしよう
・手洗いをするのを〇分だけ我慢しよう

この方法は必ずしもダメではありません。
しかし、この方法が効果があるのは、手洗いや確認を最終的にしなかった時のみです。
つまり、本当に時間がたってから手洗いや確認してはダメ。
これをわかっていないといくらやってもなかなか良くなりません。

③頭で安心させようとする

「確認しなくても大丈夫だった」
「手洗いしなくても大丈夫だと思おう」
「これは汚くないから安心」
「十分な時間をかけて確認したから大丈夫」

頭の中で安心させて、確認や手洗いを短くしようとする。
この方法は多少マシになっても、途中から良くなりません。
頭で安心させるのも強迫行為なのです。
強迫行為をやっているうちは良くなりません。

まとめ
3つに共通しているのはきちんと不安に向き合っていないこと。
強迫性障害の治療の基本は不安に十分にさらされることなんです。
安心を求めているうちはずっと強迫に悩まされることになります。
偽りの一時的な安心に頼らず、強迫にとらわれない自由な生活を取り戻しましょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


パニック発作への不安が下がっていかない3つの理由

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

パニック障害のパニック発作は起こっても必ず何事もなくもとの状態になっていきます。

関連記事
・安心してください。パニック発作では死にませんよ

不安な場面にいって何度も練習していると、回数を重ねるたびに不安の度合いも下がってくるもの。
例えば電車などパニック発作が起こると怖い場所に行ったとします。
最初は不安ですが、対処法を学び何度もやっていると慣れてくるんです。
こんな感じで。
スライド1

よく教科書にのってます。
しかし、実際はこんな感じにならないことも多いです。
何回練習やっても不安が下がらないとか。
なぜそんなことが起こるのか。
3つの理由を書いてみました。

①不安に直面する頻度が少ない
電車に乗ったのが2週間前とか。練習する期間があけばあくほど、練習の効果は小さくなります。
可能であれば毎日、少なくとも週に複数回は練習しましょう。

②不安にきちんと直面していない
音楽を聴く、頓服を事前に使用する、水やフリスクを所持する、とか「これをやらないと不安」「もっていないと不安」になるようなことをやっていると、なかなか不安に慣れません。
パニックになってもやり過ごせるようになりましょう。
・パニック障害の方 手ぶらで外出できます?

③不安が下がったかどうかにこだわっている
不安が下がったかなぁって意識した途端、不安になっていませんか?
常に体調をチェックしているような人によくあるパターンです。
関連記事
・体調管理をしないことがパニック改善につながる

図にするとこんな感じ。
スライド2

このタイプの人は、不安が下がることにこだわらない方が良いです。
不安を下げるのではなく、受け入れて、「不安があっても大丈夫」を目指していくと良いです。
どんな感じのことをしていけば、それができるのか?については、こちらの記事に概要を書いています。
・電車に乗れるようになっても、パニック障害が良くならないワケ

まとめ
パニック障害の人が何度不安場面に直面しても不安が下がらないと思ったらこの3つをチェックしてください。
①練習回数が足りていませんか?
②安心するための行動をしたり、道具をもって練習していませんか?
③不安が下がったかどうかにこだわっていませんか?

自分では不安が下がらない理由がわからないって人は相談しに来てくださいね。

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心理学を学んでいるカウンセラーは悩みがないのか?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

よくある質問コーナーです。
「カウンセラーは悩みを自分でなんでも解決できそうですよね」
「カウンセラーは考え方とかバランスの良い人が多いんですよね」

カウンセラーは心理学を専門的に学んでいるんだから心が安定してバランスがいいんですよね?ってことかと。

答えはNO!です。

同業者を見ていても、かなり悩んでいる人多いですよ。
うつっぽくなったり、精神的に不安定だったり、怒りっぽかったり。

本を書いているエライ先生方でも学生や若い方の指導を見ていると本の通りにやるのは難しいんだなぁって思います。

「教育はほめてのばしましょう」って本で書いていても若いカウンセラーの指導では「お前ちゃんとやってないじゃないか!」と怒鳴り散らしています。

「具体的に言葉にしないと伝わらないものです」とコミュニケーションについて講義している人でも
「そんなもんいわれなくても自分で考えろ」って、伝わらないことを言っていたりする人多いです。

やり方はわかっていたって解決できなかったり、自分のこととなると気づかなかったりすることがいっぱいあるものなんです。

カウンセラーはバランスが良い人か?と言われれば、そんな人はむしろ少数なのではって思いますね。
むしろ心理学を専攻している人ってバランスが悪い人ばっかりですよ。

大学の先生とかエライ先生方はだいたい変わりもんです。
どんだけ変わりもんでもバランスが悪くても、問題ない環境に身をおけばなーんも困りません。
欠点を治すより早いんですよ。長所を活かすというか。
自分に合った環境を身を置こうとするのも心理学的なスキルといえばスキル。
心理学を学び自分を分析するのはそういうメリットがあるのかもしれません。

「鈴木!お前にバランスのことなどど言われたくない」と同業者の声が聞こえてきそうです。
都合の悪いことは考えずにスルーするのが心の安定を保つために大事なスキルですね。

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