浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
よく心の病気になると「ゆっくり休んでください」といわれませんか?
ゆっくり休むって・・・どうするの?
この疑問を抱く人が多いのです。
病院でも教えてくれませんからね。
心の「ゆっくり休む」は普通の「休む」と必ずしも一致しません。
今回は心の病気の「ゆっくり休む」とはどういうことか?を書いてみます。
体を休める=心が休まるわけではない
一般的に「休む」のイメージは、寝る、ゴロゴロする、など「体を休める」だと思います。
しかし、心の病気は体を休めても、心が休まらないこともあるのです。
やる気がないからといって、ゴロゴロしていると、嫌なことを考えてさらに落ち込んでいくのが良くある例。
一見、休んでいるようで休めていない。
心の病気の時はむしろ「体を休めるとさらに落ち込むパターン」にはまることが多いです。
もちろん、寝ていて心が楽になったーって思えたらそれでいいんですよ。
そうでないならば体を休めることは、必ずしも心にとって良いとは限らないってこと。
心が休んでいる時って、あんまり悩み事にとらわれないものです。
そのような時間を増やせるといいですね。
心がどうやったら休めるか?楽になるか?は人によって違います。
何をしている時が「多少マシなのか?」と考えてみましょう。
もしかしたら、起き上がってコーヒーを飲んでいる時かもしれないし、ちょっと外出してみたり、ジムで運動している時かもしれません。
達成感がある、楽しい、ってものがあるといいですが、寝込むよりマシかなぁってことでも。
実はちょっとしたストレスがかかる活動の方が、考え込みをせず楽になることの方が多いのです。
ポイントは「自分にとってどうか?」ってこと。
散歩がよいとか言われますけど、散歩が苦手な人もいます。
私なんかは散歩をしていると、苦痛なだけでもっと落ち込みそうです。
人によってどう感じるかは違います。
自分がどの活動が休まるかはやってみなければわかりません。
少しずつ心が休まる活動を見つけていきましょう。
静かな環境が良いとは限らない
あと良くあるのが「静かでのどかな田舎で引っ越したら休めるのでは?」という誤解。
どちらかというと本人は嫌がっているのに家族がすすめたがりますね。
青森の田舎で生まれ育った私がはっきりいいましょう。
これは都会で生まれ育った人が抱きがちな妄想ですよ。
田舎でもたくさん心の病気の人はいます。
静かな土地にいったから楽になるとは限らないのです。
さみしく感じ、さらに余計なことを考えるかもしれません。
環境を変えると良いのは、環境が直接的なストレスになっている場合です。
ストレスが強い環境から離れることが「心が休まる」につながりますからね。
例えば、職場の上司から叱責ばかりされてうつになっていたら、職場から離れた方がよいのです。
自分にとって直接的な苦痛が少ない環境はどこか?を考えてみましょう。
こちらの記事も参考にしてください。
心が疲れた時はどのような環境に行けばよいのか?
ポイントは「自分」が休めるかどうか
体を休めることだったり、ネットや専門家が良いと言っていた活動を参考にしたりするのは構いません。
しかし、それは自分にとって心が休まることとは限らないのです。
「自分にとって」多少でもマシな活動か、の視点を持ちましょう。
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