「 2015年06月 」一覧

縁起強迫を治療するたった一つのポイント

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

みなさん、縁起は気にします?
大安とか仏滅とか気にする人いますよね。
右足から踏み出さないと、何か起こってしまうとか。
スポーツ選手なんかも「ゲン担ぎ」のため、独特の決まりきった行動することありますよね。
ひどくなると、強迫性障害の縁起強迫になっちゃう場合があるんです。

頭の中に「死」など縁起の悪いことが思い浮かぶと
「何か悪いことが起こるかも」って考え、良いことを思い出そうとする。

「あんな人にはなりたくない」って人のこと考えると、その時にやっていたことを繰り返しやらないと「あの人のようになってしまうのでは」と不安になる。

これを生活が苦しくなるまでやってしまうんです。
嫌なことが浮かぶ→「嫌なことが実際に起こる」と不安になる→実際に起こるのを防ぐための儀式(良いことを思い浮かべる、やり直す)をする、がパターン。

周囲に「そんなこと(怖いこと)起こらないよね」「大丈夫だよね」と確認したくなります。
周囲が「大丈夫だよ」応じていると症状が悪化します。

当然、自分でも「そんなこと起こるわけない!」って思いこもうとしても無駄。
これも悪化します。

自分から怖いことを思い浮かべると不安は軽くなる

治療の基本は、わざと怖いことを思い浮かべて、その時の恐怖に慣らなしていくこと。
これさえ覚えておけば大丈夫です。
もちろん縁起をよくするための儀式はしてはいけませんよ。

例えば「死」を思い浮かべて「このまま死んでしまう」と考えると怖いですよね。
その怖さをどんどん引き起こすと良いわけです。
「死」とか恐れているものを自ら考えるようにしましょう。
要するに縁起の悪いことをすればよいわけです。

「死」って紙に書いて自宅のリビングにはっておいてもよいでしょう。
スマホの待ち受けにしても頻繁にみても良いかも。
神社など神聖かなって思う場所で不吉なことを考えるとか。

どれくらいやればよいのか?
これ飽きたよ・・・って思えるくらいまで何度もやるのです。
何度もあきるくらいやっていかないと、なかなかうまくいきません。

縁起強迫の治療って普通の人が思っている以上に本人は怖いです。
神様を信じている人に、神様をバカにしてみてくださいって言ってるようなもんですから。

何度も練習していくうちに嫌な考えが浮かんでも気にならなくなってきます。
ポイントは「嫌なことが思い浮かばなくなる」のではありません。
「思い浮かばないようにしよう」と考えると、逆に思い出すようになるので悪化するんです。
だから「思い浮かんでも大丈夫」を目指すと、とっても良くなります。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


カウンセラーの私も実践!不安に強くなり生活が楽しくなる方法

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

慣れている環境では安定するけれど、新しい環境では不安定になりやすいって人いません?
変化に対して柔軟ではない人は、不安が強いといわれています。
不安だから同じ行動をして安定させようとするんですよね。

不安症だ、今の生活が楽しめない、食べ過ぎ・喫煙など変えたい習慣が変えられないって人も変化を嫌がる人が多いです。
「不安症な自分を変えたい」「今の自分を変えたい!」「ダメな生活習慣から脱したい!」
そんな風に思ったあなた!変化に柔軟になると自分も変わりやすくなります。

では何をしたら、変化に柔軟になり、自分を変えることができのか?
研究で禁煙など習慣を変えることに効果があった単純で良い方法があります。

生活の中で意識的にこれまでと違った行動をするのです。
例えば
・いつもと違った道を通る
・行ったことのない店に行く
・いつもと違うテレビ・映画・サイトを見る
など、とにかく普段と同じになりがちなのところを意識的に変えていくのです。

これを少なくとも2~3日に一回はやってみましょう。
これを続けるだけで変化に強くなります。
たくさん不安に飛び込むクセをつけることになるのでそりゃそうでしょう。
心の筋トレですよ。

実は私も実践しています。
私の場合はとにくかく迷った時は、やったことない方を選びます。
旅行に行くときはこれまで行ったことのないところに行きます。
外食をするときは馴染みの店ではなく、新しいお店へ。かつ、一人が多いため、誰かを誘って食事に。
知らない道、行ったことのない路線があればそっちにいく。
今年の1月からやっているし、周囲にもやると宣言しています。

やってみると結構きついです。
今までと違う行動をするって、面倒だし不安なんですよ。
「新しい店に入って、不味かったら損だなぁ」って思って、なじみの店にいきたくなるんです。
そんな時は「いつもと同じだと今のままだ。違ったパターンが経験できるかもしれない」と考え、面倒でもとりあえずやっています。

で、結果どうだったのか?

実践して思ったこと。
・新しいことをすると、やっぱり失敗することも多い。
新しい店にはいると「これはマズイ・・・」って思うことも多いです。
いつもは会わない人と会えば嫌なこといわれたり、逆に失礼なこと行ってしまって「まずいなぁ」って思ったり。
こういう時は「やっぱりいつもと同じ方にすれば」と考えずに、「またおいしい店さがそう」「これまでと同じでいるよりマシか」「柔軟に行く方に動いている」と考えて、あとは気になってもスルーします。

・新しい発見があり、刺激になる。楽しいことが増えます
先日、行ったことのないところにいったら面白い人達の出会いがあり、刺激になりました。
新しいことをやるクセをつけると外に注意が向くようになるんです。
注意が外に向くと、楽しそうなことを発見するようになるんです。
いつもと同じだと、考え込んで外に注意が向かないから、楽しそうなことを発見しにくいんですよ。

一長一短ありますが、やっぱり今を変えていきたい、楽しく生活したい、って希望の人には、おすすめの方法です。
数日やってもダメで、数ヶ月かけて新しい習慣にしていくことで効果がでてくるのでしょう。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


地下鉄の暑さが怖い!不安克服の大原則とは

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

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地下鉄に久しぶりにのったら、暑いのと狭いので、不快さがすごかったです。
空いている時間なのでマシだったのですが、通勤・帰宅ラッシュだったら不快さが倍増でしょうね。
しかし地下鉄+暑さが苦手なパニック障害の人であれば、克服するのにとってもよい環境です。

あの、モアッって暑くて不快な空気を感じただけで不安!って人は特にそうですね。
「空気」だけで怖い。
そんな人は積極的にその空気に触れると非常に良いのです。

不安克服の原則は?
パニック障害の不安って、電車や美容院みたいな「場所」とは限りません。
いや~な空気を感じただけで、体が反応してしまうことってありません?
「この空気は!」って反応して、息苦しくなって、ドキドキしてきて・・・あ~!って。

暑い場所のように「苦手な空気」を避けているうちはなかなかパニックは克服できません。
怖い時は、怖いことをする。これ、不安克服の原則です。
ってことは、暑い日の混んでいる地下鉄って、とっても良い練習場所なんですよ。
いろんな不安が襲ってきて、体はとっても大変なことになっているハズです。
その体の感覚に慣れていくとパニックは良くなります。

「そんなの怖くてできないよ!」と思うかもしれません。
そんな人は怖い条件にランキングをつけて、やれるところからやっていきましょう。
例えば暑い日に地下鉄にのってみるとしたら・・・
・誰かと空いている時間帯に地下鉄に乗る
・誰かと混んでいる時間に地下鉄に乗る
・一人で空いている時間に地下鉄に乗る
・一人で混んでいる時間に地下鉄に乗る
これを順番に暑い日にやってみるとか。

きちんとやっていけば、暑い日の地下鉄も大丈夫になります。
あのモアッって空気の不快さは変わりませんけど。
「嫌だけれどやり過ごせる」までいけると良いです。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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認知行動療法をやってもうまくいかない理由―書き込みばかりしてません?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

認知行動療法の本を買って、自分でやってみたがうまくいかなかった。
うまくいかない理由の一つは、コラム法ばかりをやっていることかもしれません。

いくらシートに書き込んだって良くなりませんよ
コラム法っていうのは、考え方の幅を広げていく練習方法です。
書き込みのシートなんかでやった人も多いのでは?
状況、自動思考、別の考えを書き出し気分の変化をこころみます。
例えば
「状況」
仕事でミスをして上司から怒られた

「自動思考」
私は何をやってもダメな人間だ

「気分」
落ち込み80%

「別の考え」
誰だってミスはある。他の仕事はミスは多くはない。完璧主義になりすぎないように気を付けよう

「気分」
落ち込み30%

本によって用語に違いはありますが、流れは同じかと。

コラム法は考え方を柔軟にしていく練習方法としては意味があるかもしれません。
あと書くことで考えていること客観的見られるようになる効果も期待できるかも。

問題はなのはコラム法ばかりやっていませんか?ってこと。
どうも認知行動療法=コラム法って誤解している人が多いんです。

これを何度も書き込んでいくうちに歪んだ考えが直ってきて・・・ってことはありません!

医師やカウンセラーの中でも勘違いしている人もいるくらい。
コラム法ができないから「あなたには認知行動療法は向かない」ってアドバイスしている専門家もみかけます。

いわばコラム法は認知行動療法の技法の一つにすぎません。
書き込んでいるだけで、心の病気が良くなっていく人は稀です。
ほかの技法でないと全く良くならないこと、コラム法を全く使わないことも多々あります。私なんかは年々使わないことが増えてきちゃいました。

本ではこの方法だけがクローズアップされている傾向があります。
「マイナス思考をプラス思考にする」「歪んだ考え方を治す」のが認知行動療法だと誤解していませんか?

どー考えても、コラムだけやって心の病気はあんまりよくならないと思いますけどね。
もしも良くなっているならそれでかまいませんが。
基本的にほかの方法と組み合わた方がよいです。
多分一人でやっても難しいので、専門家のサポートを受けながらやったほうがよいかと。

まとめ
コラム法は一つの技法にすぎません。
いくらやっても気持ちが楽にならないのはよくあること
「コラムをやったけど良くならかったから認知行動療法は合わない」と誤解しないようにしましょう。。
うまくいかなかったら専門家に相談してください。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
他の病院に通院中の方、どこにも通院されていない方でもカウンセリングは受けられます。


野菜を食べればケーキが食べたくなる心理とは?

浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。

うちの職場では健康診断が終わり、いたるところから「健康診断終わったからこれ食べよう」って声が聞こえてきます。
「それって意味ないじゃん」って言ってしまうと「人の気持ちがわからないのね!」と怒られてしまうので黙っています。

そうすると「鈴木さん、どうせ意味ないことしてるって思ってるんでしょ!」と言われるので、何をしていても怒られます。
まぁ、そういうキャラになっているので仕方がありませんが・・・。

実際に一時的に健康な食事をしようとすると、あとでもっと食べることがわかっているんですよ。

野菜を食べれば、ケーキを食べたくなる!

例えばダイエットをしたいから、お菓子は小さい袋にはいったいるものにしよう。
これは逆効果なんです。
海外での実験では、小さい袋にはいったお菓子と、大きな袋にはいったお菓子を食べた場合、前者の方が食べる量が多かったのです。
小さい袋にはいっているものを食べている、って安心してしまい油断してしまうから、って言われています。

ヘルシーなものをメインディッシュにした場合、デザートは高カロリーなものを食べやすくなることも実験でわかっています。
「健康(ダイエットのため)にするためにがんばってるよね。だからご褒美」となるので、逆効果になります。

健康診断の前は野菜中心の生活をしてがんばろう、ってやってもダメなわけです。
「こんなにがんばったんだから・・・」となり、食べる量が以前より増えていません?

過食症の人なんかはやってしまいがち。
なぜ過食が止まらなくなるかがわかりますよね。

「ダイエット食」って太らせるきっかけになるんですよ。
ダイエット食にする→がんばったからご褒美に甘いもの→もとに戻る→ダイエット食にする
ダイエット食をみたら「これは私を太らせるための罠なんだ」って思った方がよいかもしれません。

ずっと野菜ばかりの生活でやっていけます?無理でしょ!

対策としては、「太る」って思っているものを我慢すると食べ過ぎてしまうので、普段から計画的に食べてしまうと良いのです。
その方が食べる量が少なくなります。

ダイエットって永遠には出来ないようになってるんです。
やろうとするとしわ寄せがきます。
本当に健康上の問題があって、どうしてもやせたいっていうのなら、一生できるような「ダイエット」にしましょう。
ダイエットというか、習慣にしてもよいものにするのです。

食べ過ぎを防ぐために食べる
ダイエットで苦労している人は心がけてください。

うつと不安のカウンセリング・認知行動療法ご希望の方は浦和すずのきクリニックの受付、 または電話048-845-5566で「カウンセリングの予約」をして下さい。
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