浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
大場久美子さんがパニック障害について書いていました。
大場久美子「闘病8年…私がパニック症を克服するまで」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150619-00010000-jisin-ent
認知行動療法で克服したとのことです。
パニック障害の方に薬だけではなく認知行動療法が有効であると広まってもらえるといいなと。
しかし、この記事に注意点があるため、書いておきます。
安全アイテムがパニックを克服できない要因になることも
どのように克服したかについてこのように述べています。
パニック症の人は危険でもないのに脳が『危険だ!』と誤作動して動悸が激しくなったり、息切れがする。そこで私は、自分の”安心アイテム”を増やしていきました」
彼女の言う”安心アイテム”とは、緊急連絡先のカードだったり、発作が起きたときの対応メモなどのこと。
「こうした”安心アイテム”を増やすことで、心理学で言うと『電車に乗れない』という説が崩れていく。それが自信になって、ほかのことも『できる』し『やってみよう』に変わっていく。
対応方法のメモを持ち歩いて、自分で対応できるようにするのは良いと思います。
薬を飲む以外の対応方法を学べば「自分でコントロールできるんだ」って自信がついてきますしね。
問題は緊急連先です。
これがどういう意味かはわかりませんが、もしも「不安になったら夫に連絡がとれるようにしよう」としているなら問題になることも。
最初はそのようにしながら少しずつ生活範囲を広げていければ問題ありません。
しかし「緊急連先がなければ不安」「スマホを持ち歩かないと連絡がとれないから不安」となっているなら問題です。
大場さんがすすめている「安全アイテム」は「安全確保行動」といって下手をすると悪化の要因なります。
「安全アイテム」をもっている人は多くいますが、それをもっているために克服できないでいる人がたくさんいます。
安全アイテムなしでも不安な場面に対応できるようにならないと、症状はマシになっても不安は続くでしょう。
最後は「安全アイテムなしでも大丈夫」になるよう練習していきましょう。
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