浦和すずのきクリニック、臨床心理士の鈴木です。
ちょっとした心理学の実験をしてみましょう。
次の文章を読んで質問にl答えてください。
あなたには10日間、恋人と旅行にいきました。
1日目~9日目までは旅行に行き、美味しいものを食べ、二人仲良くしていて幸せな気分でした。
しかし、10日目の昼過ぎの帰りの電車で大喧嘩をしてしまいました。
帰りの電車の中では口を聞かず、自宅でもお互い無視し続けました。
質問
あなたにとって、この旅行は「ひどい思い出」「楽しかった思い出」どちらになりますか?
時間の95%幸せでも不幸な気分になる
おそらく「ひどい思い出」って答えた人が多いのではありませんか?
おかしなことなんです。
10日目の帰りの電車で喧嘩したのでそれはひどい思い出となるでしょう。
しかし、10日目の半分くらいまでは楽しかったわけだから、95%は楽しい時間を過ごしていたことになります。
「とっても楽しかった。最後にちょっとケンカしたけど」って思う人は少ないでしょ?
良い思い出って、どれだけ長い時間良かったかってことではないんですよ。
思い出や記憶っていい加減なものなんです。
95%の楽しい記憶を無視して「ひどい思い出」ってなるわけですから。
これって記憶の錯覚なんです。
特に最後の方の記憶で印象が決まります。
ストーリーを逆にしてみると・・・
今度は旅行の話を逆にしてみましょう。
1~9日は喧嘩ばかりだった。
10日目の帰りに誤解が解けとっても楽しい気分で帰宅し幸せな時間をすごした。
これは「ひどい思い出」「楽しい思い出」どっちですか?
「楽しい思い出」にした人が多いのでは?
95%つらいけど、5%が良いだけで?
今度の夏休みの旅行で経験するなら、どっちのストーリーを経験したいですか?
「人生良いことない」って思う人でも逆転できる!
良い記憶も悪い記憶も、自分にとって都合のよいことばかり覚えているもの。
どれだけ良い時間を過ごしたか、悪い時間を過ごしたかは正確にはわからないようになっています。
だから「昔は良かった」「昔からずっと悪かった」って、過去にこだわるのって無意味なんですよね。
「人生良いことない」って思っている人も、錯覚を利用してこれから良い思い出を作っていきましょう。
なにせ後半良いことがあれば、自分の人生の評価が変わってくるかもしれないのですから。
いい加減な記憶なんてほっといて、楽しくなれるようにちょっとずつ変えていきましょう。
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